私の〜恋愛暗黒時代〜④マユコのモテ研究期・続編
マユコのモテ研究期、前回からの続きです。
「いいオトコをゲットして結婚したい!」
をモチベーションに始めたモテ研究。
それを実践すべく、あらゆるお誘いは
ありがたく引き受け、週に4日は合コン。
出会いがありそうなバーに夜な夜な一人で
出没してみたり。
なかなかアクティブな夜間活動を
展開してみたものの、お財布の中身と
アルコール分解のための肝機能を酷使する
ばかりで、肝心かなめの“よか男”を
捕まえられる気配はなし。
そんな感じの20代後半のワタクシでした。
そして、この時期になると、周りの
友人達の進路も大きく二極化してきて、
“手堅く結婚していく安定組” と、
“理想を求め過ぎる晩婚候補組”とが、
ちょうど半々くらいの割合に
分かれてきた時でもありました。
当時の私には全く自覚症状はなかったけど、
もれなく後者の晩婚候補組の道をまっしぐらに
突き進んできた訳でございます。
なんだかんだいってもまだ20代だし、
よく遊んでいた友人達からもまだまだ結婚の
ケの字も出る気配はないし、仕事も充実
しているし、まだまだ余裕でしょ!
とたかをくくっておりました。
とはいえ、時には、
これだけやってるにも関わらず、
全然大した成果もあげられない私って、
いったいぜんたい何をやってるんだ?
はじめは小悪魔な女になることを志願した
はずなのに、結局のところ、自分が
モテアソンデいるのか、はたまた自分が
モテアソバレテいるのか分からない
カオス状態ではないか!
なぜ、本気のオトコは寄ってこないのだ?
と、自分に不甲斐なく情けなくなる気持ち、
誰かにちゃんと求められたいという気持ち、
誰かにちゃんと愛されたいという気持ち、
彼氏や旦那さんがいる人をうらやむ気持ち、
などが絶妙にミックスして、何とも言い難い
孤独感や寂しさや虚しさや切なさを感じる
こともありました。
そんな折、友人主催の合コンで2つほど
年下の男の子に出会いました。
私好みのスラっとした高身長ではあるものの
顔がぜんぜんタイプではない。
目を細めてみれば、韓国人俳優ぽくも
見えないこともないが、いかんせん、
やはりタイプではない。
(ほんと申し訳ございません。)
その夜、彼の車で家まで送ってもらった際、
私は車中に財布を忘れてしまったらしく、
翌朝その旨の連絡をもらい、わざわざ届けに
来てくれたのです。これをきっかけに、
2人で食事に行ったり、出かけたりする間柄に
なりました。
まずは、恒例のスペック調査。
身長○
顔✖️
車あり○
センス○
優しさ○
金払い○
自営業の跡取り息子△
最近、何の実りもない虚無な時間を
過ごしてきた私にとって、こんなにも
真面目に私と向き合おうとしてくれる彼を
すぐさま手放すのはもったいない。
彼氏だと認定している訳ではないけど、
恋人ごっこのようなつもりでまあいっか。
そのうちに好きになれるかもしれないし。
そんな身勝手な関係を続けていた最中、
彼の家で手料理を振る舞うことになり、
料理はまあまあ得意としている私は、
彼のために腕を振るったのでした。
そして、手料理に感動してくれた彼から、
『結婚したらさ、毎日食べれるんだよね』
と、突然の一言。
それを聞いた瞬間、私はこう思ったのです。
『やっべぇ、この人、本気やん!
私はこの人と結婚したくない。嫌だ嫌だ!
だって、この人のこと全然好きじゃないし、
もし地元で自営業のこの人と結婚したら、
私は生涯、福岡を離れることができない。
そんな、つまらない人生はイヤァァァ!!』
ハッとしました。へっ!?私、この人のこと
好きじゃないのは重々承知していたけど、
そんなことより、これから永遠に地元福岡に
骨を埋め、よその世界を知らないカゴの鳥
のような人生を送るのはまっぴらごめんだぜ!
という思いが自分の中にあることを、初めて
知ったからです。
ということで、それ以降、もっぱら彼の
ことが邪魔くさくなり、彼からの連絡は
全て無視。このまま逃げちゃおうなんて
思ってましたが、彼にとっては、まさしく
青天の霹靂。そりゃ訳がわからない。
その後、何度も何度も連絡がありました。
とうとう豪を煮やした私は、電話口で
『てかさ、そもそも付き合ってないし。はぁ?』
みたいなことを言ったっけ。
ああ、ひどい。本当にごめんなさい。
自分がされたら深く傷つくであろうことを、
彼に対して平気でやっちゃいました。
はじめは、彼から逃れられた安堵感を
感じていたものの、やはりその後は、
拭い去ることのできない罪悪感を持ち続け
なければならないはめになりました。
だから、のちにどんどんエスカレートする
つらい失恋体験をする度に、これは彼の
怨念かもしれないとか、自分の行いに対する
カルマや天罰かもしれないとか、とにかく
ごめんなさいごめんなさい、許してぇ!
て嘆きました。
ということで、今回は、
私の身勝手に振り回されてしまった
本当にごめんなさいな男の子の話でした。
ちなみに、今は海外に身を置くようになり、
生まれ育くんでくれた福岡をはじめ、
美しくて素晴らしい日本という国に
生を享けさせてもらって本当に幸せだなぁ
って思っています。
そして、もう一つ。
先日の昼下がり、音楽好きな旦那さんが、
私のために、彼のお気に入りの曲を掛けて
くれていた時のこと。その曲がなんと、
かつて、この可哀想な彼からおすすめだよと
教えてもらったそれと同じだったのです。
決してメジャーな楽曲ではないゆえに、
まさか国境をとび超えてインドネシア人の
旦那さんを通して、再びこの曲を耳にする
ことがあろうとは。と、驚いたのと同時に、
この彼への償いの思いも昇華したのかもなぁ
なんてしみじみとしちゃいました。
それでは、また次回に続きます。
いつまで続くねんなのですが、まだまだ
続きますので、お付き合いください。
お読みくださり、ありがとうございました。