私の〜恋愛暗黒時代〜⑥変わりたい・・・
32歳になる年。
結婚への千載一遇のチャンスを取り逃がして
以来、新たな出会いを求めて行動することに
少々疲れてしまいました。
というよりも、確実に、その手のお誘いが
減ってしまったこともあり、嫌が上にも
休憩せざるを得なかったのかもしれません。
おまけに、アメリカ留学の彼からの強烈な
勧めで、歯列矯正に取り掛かっていたもの
だから、毎月のワイヤー調整の度に訪れる
いやぁーな痛みが故に、食欲も消え失せ、
それに伴い、その他のあらゆる欲望も確実に
減退していたのでした。
その代わり、屋久島&元彼の影響を多大に
受けた私は、休日ともなると、一人で山登り
に出かけたり、渋く滝めぐりをしてみたり、
海を眺めて物思いにふけってみたり。
また、「地球」という子供用図鑑を購入し、
大自然の偉大さに痛く心を動かされた私は、
これまた一人で、ボルネオ島の熱帯雨林に
おもむき、絶滅危惧種の野生動物を数日間
探しまわってみたり。
少し前まで、モテ服に身を包み、夜の街に
酒と男を求めて繰り出していた私から一変。
周囲も驚くほどの、ネイチャー姐さんへと
突然変異したのでした。
更には、地球だけでは飽き足らず、その次に
舞い込んできたのが「宇宙」ブーム。壮大な
宇宙のロマンに思いをはせつつ、己と人間の
ちっぽけさを噛み締める日々。そうやって、
現実逃避に走るのでした。
そう、この頃のキーワードは、まさしく
“現実逃避”。
見渡せば、老若女女オンナばかりの福岡の街。
時代遅れな男尊女卑気味の九州男児ども。
学生から社会人10年生になった今日でさえ、
チャリで爆走し続ける、変わらぬ通学通勤路。
高齢になった父と母と私で囲む毎晩の食卓。
ヨレヨレジャージで過ごす干物な休日の自分。
年賀状や書類に記し続ける変わらぬ姓名。
頭打ちでいっこうに手に入らない希望役職。
効果の有無が疑問だが、大事に扱わないと
バチが当たりそうなパワーストーングッズ。
一向に当たる様子のない年間星占いの結婚運。
…
もう、目に入るもの全てが、“つまらない”。
こんな現実から逃げたい。涙。
もう、福岡にいたくないのよ、私は。涙。
けっこう本気で、廃人と化す寸前でした。
ごめんなさい。少々荒っぽい言い方になって
いますが、当時の私の心の中は、まさしく
こんな感じでやさぐれまくっておりました。
ところが、33歳になる年の夏、突然に
大きなサプライズギフトが授けらたのです。
それは、一ヶ月間、大阪の店舗で働いてみよ、
との指令でした。前途しましたが、私は
高級ブランドに勤めてました。このころは、
アシスタントストアマネージャーだったかな。
二つ返事で快諾し、ワクワクを抑えられぬまま、いざ、大阪へ。もう、それはそれは、全てが
ニューでホットでスパイシーでアメイジングな
一ヶ月間を過ごしました。大阪滞在の終了間際、
ホテルの近くの神社に、こう、ご挨拶しました。
「一ヶ月間、この地に住まわせていただき、
誠にありがとうございました。もし、また
ここに戻って来れるとしたら、その時は
どうぞまた、私を受け入れてくださいませ。」
と。
これまで、あわよくば、プリンセスマユコを、
福岡から連れ出して、ア・ホールニューワールドを見せてくれる王子様の出現を待っていたの
ですが、待てど暮らせど、いっこうに王子様は
姿を現す気配がない。
いやいや、それどころか、不平不満だらけの
シワガレ魔女になる可能性の方が濃厚だ。
だから、全身全霊で、大阪への転勤を志願。
当時の上司・そのまた上司・最終的には
CEO をも巻き込む形で、私のわがままを
叶えていただきました。
さよなら、福岡。
こんにちは、大阪。
こうして、34歳になる年、遅ればせながら、
初めての一人暮らしが始まったのです。
もう、五感で感じる全てのものが新鮮でした。
特に、鮮烈な印象を受けたのが、、、、
「この地球上には、絶滅危惧種だと思っていた
20代・30代のオトコという生き物が、
まだまだこんなにも生息していたのか!」
ということ。梅田界隈を徘徊していた私は、
圧倒的な男性人口の多さに衝撃を受けました。
そして、これからは、
“キャリア系いい女 福岡美人スパイス添え”
よし、このキャッチコピーで行こうと意を
固めたのでした。
私自身は美人ではないけど、福岡美人とか、
博多美人なる言葉を耳にするように、九州の
女性はすこぶる評判が良いということを知り、
それを活かした新たな戦法に変えてみたのです。
つづく。
といった感じで、今回は、これからお届けする
“私の〜恋愛暗黒時代〜第二章”の舞台となる
大阪への旅立ち編とでも言いましょうか。
いかに、福岡での最後の時間を過ごし、そして、
新たな失恋の舞台へと身を投じたかについて、
綴らせていただきました。
次回から、いよいよ、大阪での失恋物語が
スタートです!
どうぞ皆さま、お楽しみにお待ちくださいませ。
いや、誰がすんねん!