見出し画像

一度は諦めたライターの夢…|それでも追い求めた早紀さんの想い

新卒で大手の花卉園芸会社に入社し、ブライダル装花を担当していた川村早紀さん。
プレ花嫁様のなかで口コミが広がるほど、凄腕の人気スタッフだったのだとか!

現在はご友人と店舗を持たないお花屋さんを営みながら、ライターとしても活動しています。
二足のわらじを器用に履きこなしていますが、ライターの夢を叶えるまでの道のりは順風満帆ではなかったそうで……。

「実は、ライターは一度諦めた夢なんです」

神妙な面持ちで語る早紀さん。
ライターを再び目指したきっかけは、ある出来事でした。


切っても切り離せない「お花」のお仕事

ーーお花屋さんとライターを兼業されていますが、お花に携わるお仕事は一貫して続けられているのですか?

そうですね。
会社員一年目は掃き掃除ばかりで、二年目からお花に触れる業務を担当できるようになったのですが、うれしくて仕事にのめり込み、残業100時間を超える月もありました(笑)。

それでも嫌いになるどころか「その経験が忘れられない」と思っていたほどです。
自分はお花が大好きなんだと実感しましたね。

ーー過酷な状況でも、お花への愛があったから続けてこられたのですね。会社員時代の忘れられない思い出はありますか?

あるお客様との思い出です。
ブライダル装花の打ち合わせに花嫁様とお母様が出席されたのですが、お母様主導で話が進んだ印象を受けて……。
心配で花嫁様にメールを入れて詳しくお話をうかがったところ、お母様の意思を尊重したいとのことでした。

事前にご意向を確認して式を迎えられたので、当日は抱きしめられるほど喜んでいただけて!
どんなときも花嫁様ファーストでいたいと思っていましたが、いろいろな背景があって「お母様の理想を叶えてあげたい」と思う花嫁様もいるんだ、と心が温かくなりました。

結婚式においてお花屋さんのスタッフは目立たない存在だと思っていましたが、ここまで喜んでもらえるなんて冥利に尽きますよね。
今でも思い出すと鳥肌が立つほど印象的な思い出です。

燃え尽き症候群からの退職……そしてライターとの出会い

ーー早紀さんが人気スタッフだったことが納得できる、すてきなエピソードですね!会社員としてかなり活躍されていたようですが、なぜ退職を決めたのですか?

成果主義な自分が好きじゃないと思うようになったからです。
残業100時間をこなしたり、ガツガツ契約を取りに行ったりする自分に、ある日ふと嫌気が差しました。

それからは、いわゆる「燃え尽き症候群」に陥ってしまって……。
このまま会社にいても状況は変わらないと思い退職を決めました。

ーー大きな決断ですね。退職してからはどのように過ごしていたのですか?

残業をしていたお陰で、それなりに貯金はあったので(笑)。
貯金を使って半年くらい海外で暮らそうと思い、タイに飛びました。

そして、今後は海外での様子を発信する「旅ライター」として活動していこうと決意しました。
初めてライターを目指したのは、このときですね!

でも、二ヶ月後に世界中でコロナウイルスが大流行してしまい……。
泣く泣く帰国し、同時に「旅ライター」の夢も手放さなければいけなくなってしまったんです。

家族の病気が働き方を見直すきっかけに

ーー「旅ライター」の夢が決まった矢先、諦めざるを得ない状況になってしまったのですね。なかなか立ち直れなかったのではないでしょうか?

いえ、ありがたいことに帰国後は友人に声をかけてもらって、今のお仕事でもあるお花屋さんを営み始めました!
独立してせわしなく働いていたのですが……。
そんなとき、家族が病気になってしまって。

ーーおつらい経験をされたのですね。よろしければ、当時どのような気持ちで過ごしていたか教えていただけますか?

とにかく家族が心配で、当時は仕事をセーブして家族に尽くしていたものの、申し訳ないと思われるのも不甲斐なくて。
“大切な人に会いながら仕事ができたら良いのに”と思うなかで、ふとライターを目指した過去を思い出したんです。

パソコンがあれば、時間や場所に縛られず自由に働けるライター。

「ライターなら理想の生活を叶えられる!」と感じて、もう一度目指してみようと思いました。
一回目は消去法に近かったのですが、二回目は自分の心と向き合った結果目指したいと思った夢なので、覚悟も揺らがなかったですね。

想いを届けるライターを目指して

ーー“大切な人に会いながら働く”手段の一つがライターだったんですね。ライターになる前と今でご家族への思いに変化は起きましたか?

「家族との時間」をさらに大事にしたいと思うようになりました。

今は、仕事の調整をする必要がないので、遠方に住む家族との時間も大切にできています。
時間をたっぷり作って、今まで以上に家族孝行していきたいです。

あとは、現実的ですがライターとして安定した収入を作り、家族旅行もしたいですね!

ーーライターになるまでの道のりは順風満帆ではなかったものの、夢を叶えた早紀さん。最後に、ライターとして叶えたい「次の夢」があれば教えてください!

「目に見えないもの」を届けられるライターになりたいです。

酒蔵巡りや農業が好きなのですが、作り手さんの想いを聞いてから飲食すると格別においしいんですよね。
目に見えない誰かの想いをライターとして多くの人に伝えられたら……。
なんだかすごく温かい世界だな、と思うんです。

なので、自分が知見のあるお花、ウェディング、お酒、介護に関する記事を書く機会に恵まれたら、事実を伝えるだけでなく携わっている方の想いをのせた執筆を心掛けたいです。
そして、読んだ方に想いが伝わり、温かい気持ちを感じていただける。

“幸せを循環できるライター”になれたら、うれしいです。

おわりに

ご家族の病気をきっかけに、再びライターを目指した早紀さん。

「一度諦めた夢でも、縁があれば叶う」と実感させられたインタビューでした。

そして、現在はご家族も元気になられたようです!
大切な人に会いながら仕事ができるライターの特権を活かして、これからもご家族とすてきな時間を過ごしてくださいね。

今後のご活躍を応援しています!

▼早紀さんのnoteはこちら

いいなと思ったら応援しよう!