桜を見ると思い出す…
こちらは桜がすでに満開に
桜並木の遠くの桜はピンクに見えるけど、
近くの桜は白く見える。
まるで雪の華のようで。
娘は米の華と言っていました(笑)
さて、昨年のまだタクシーの運転手を始めて1ヶ月たたないころ、
病院からおじいちゃんが乗ってきた。
そのおじいちゃん、なんと13年ぶりに外出したらしい。
ちょうど桜の季節。
みんな写真を撮ったり、普段なかなか外出する姿を見ない車椅子のおばあさんも笑顔で桜を見ていた。
桜並木が続く大通りでは、桜を見たい人が乗る車もたくさんいて、
そこそこ渋滞していたが、
おじいちゃんは桜を見たいからちょっと遠回りしてでも見たいと言っていた。
私は青空の中、
満開の桜から桜吹雪が舞う大通りをなるべくゆっくり通過していくと、
おじいちゃんから笑顔がこぼれ、
涙が出そうな顔をしていた。
そこからスーパーへ寄り、
うれしそうにお弁当をさげて車に戻ってきた。
固形物を食べられるのも久しぶりらしい。
好きなものを食べられるってそんなに幸せなのか、と改めて感じた。
私はそんな当たり前なことをすっかり忘れていたことに気付かされた。
実はそこから、自分もいつどうなるかわからないし、いつ死んでも後悔しないように、
好きなものはちゃんと我慢しないで食べようって思うようになった。
今までは子ども優先、家族優先ってなんでも我慢してたから。
自宅に着いたおじいちゃんの顔は少し汗ばむ青空を見上げながら、太陽のまぶしさを感じて、家に入っていった。
私はお客さんからまた大事なことを教わった。