#26 タイトル戦の解説は初心者向けにもあるべき
こんにちは。瀧真有子です。
棋聖戦が行われていますね。囲碁界最高峰のタイトル戦で、囲碁がある程度打てる人からすれば、かなり面白いです。井山さんの碁は難しすぎるのと私の棋風と違うからどうかなと思っていましたが、一力さんの棋風に共感するところがあり、面白く拝見しています。
とはいえ、興味があっても、やはりトッププロのタイトル戦は難解で、初心者の方が楽しめるような内容ではありません。
久しぶりにYouTubeでタイトル戦の中継も見てみましたが、解説の先生が丁寧に説明してくださってはいるものの、高段者なら楽しめるかな、という内容でした。
私の感覚が正しいかなと思い、初心者の方にも試しに見てもらいましたが、予想通り、全く理解ができないようでした。
リスクを負ってでも新しいファンを開拓すべき
タイトル者の食事やおやつ、会場の様子など、盤則の情報で興味を持たせる、というのは以前からされていることですが、それだけで囲碁があまり強くない人、打てない人に興味を持たせるのは限界があるように思います。
以前ある囲碁の記事で、盤面の内容よりも、対局者の人柄を多く書く記事を載せたところ、大幅な修正を求められたことがあります。
年配の囲碁ファン(適度に強い人)は、とにかく手の解説を求めるそうで、余計な内容を入れるのを嫌うのだという話でした。
ただでさえ、囲碁ファンが減っている中で、その少ない年配男性囲碁ファンも失いたくない、という気持ちはよくわかりますが、目の前にいる顧客を失うかもしれないリスクを負ってでも、新しい顧客を開拓する覚悟がなければ、新しいファンは増やせないのではないかなと、思ったものです。
イノベーション精神が潰される囲碁界
タイトル戦の解説にも、初心者向けのものと、既存の囲碁ファン向けのものと、両方あればよいなと、常々思っていました。同じように思っている関係者も多い中で、実現されないのは、コスト的に難しいからか、既存ファンを刺激したくないからか、どちらなのかなと思ったりしています。
初心者向けに振り切って、覚悟を持ってやれば、できそうなことも色々あるのになと思いつつ、イノベーション精神が潰されがちな囲碁界ではなかなか難しいかもしれませんね。
個人的に棋聖戦を楽しみながら、そんなことを思いました。