入口も出口も別々で
ひょんな事から高円寺でヨガの仕事をしている。久しぶり!杉並区バンザイ、といったところだろうか?
いつものように、日本で唯一のお天気の神社にお参りしながら、いつもとは違う道のりで歩いていたら、ファンタジックな建物が出てきた。
Zoo...
愛をください、WOWWOW.
ラブなホテル。昔の人は、ブティックホテルとでも言ったであろう建物。だなー、なー、なーと眺めていたら
記憶が蘇ってきた。
あ、れ、れ?
私ここにいったことあるじゃん!
遠く遠く、はるか遠くの記憶。
遠距離恋愛(まあ中距離くらいかな)をしていた学生の頃だった。好きな人はいて、なんとか振り向かせたかった。
のがはじまりで、悪くない彼をみつけた。しかし、当時は若く、有り余るエネルギーを持て余していたのか、喧嘩ばかりだった。
遠距離恋愛など、月に一度会えればいいほうで、相手は新入社員一年目。ものすごく忙しく、なぜか会う約束をすると仕事が入る。
「まーた急にー、仕事が入ったー♩」
kiroroを歌われても全く笑えない。
あの時も、研修だかなんだかで夜夜中にーなってしまい、連絡が来たのはまた夜中だった。
「今から会えない?」
はー!また夜かよ。夜しか会えない。
つまんない。わたしは寝るだけの女なのかあーーー!
大いに暴れた。しかも、レトロで名前はZoo。なんだ!動物園かよ!
相手は「付き合っているんだから、普通でしょ」と言っていたが、さすがのわたしも「これだけのために会うなんて、しかもZoo!」
めちゃくちゃにごねた記憶が蘇った。
若かったなー。
嫌ならその前で断ればよいのに。
好きだったのかなー。
不満を直接ぶつけられたなんて、案外いい恋愛だったんじゃないの。
しかし、はちゃめちゃだったね。ひどい。ヨガに出会うまでのわたしはひたすらに激しく、激しく、まっすぐで、カーブもシンカーも投げられないピッチャーのようなものだった。
遠い昔の感情と記憶を回収できて、満足だった。遠い杉並区の記憶である。
ちなみにこのZooは入口も出口も別々にお入りいただけるそうであります。
事情がおありの皆様にも安心してお楽しみいただけます。