兵庫県民が見た兵庫県知事選の内側とそれぞれの思い
激動の兵庫県知事選挙が終わり、斉藤元彦さんの再選が決まりました。
世の中的には、テレビしか観ていないいわゆる情弱な高齢者は稲村候補に投票し、SNSで情報を得た人たちは斉藤さんに投票したと言われ、今回の選挙では投票行動がこれまでとは大きく変わったと分析されています。
それは大きく間違っていないのかもしれませんが、わたしの周りを見る限りその解釈がピタッと当たってるとも言い難い印象があります。
まず先に表明しておくと、迷いに迷って私自身は稲村さんに投票しました。
なぜ迷いに迷ったかというと、そもそもわたしは維新という党を支持していないという大前提があります(なぜ支持していないのかというのはここでは言いませんが)。
斉藤さんはもともと維新が推して県知事になられた方なので通常なら斉藤さんには絶対に投票しないのですが、今回の選挙は斉藤さんvs既得権益という構造だったのが迷いに迷った理由です。
そもそも今回の騒動~知事選になったことの発端は兵庫県政にはびこる既得権益と斉藤さんの衝突であったということは想像がつきます。
おそらく優秀な斉藤さんは、就任前から既得権益を撤廃して現代的な県政に導く最速の工程が頭の中にあったのだろうと思います。
そのことはいいか悪いかで言うと「いいこと」です。
一方、百条委員会で斉藤さんも認めたとおり、付箋を投げつけたり、20メートル歩かされたことに対して部下を叱責したのも事実だと思います。
最速で自分の思うとおりに改革をすすめたかった斉藤さんにとってはいろいろストレスがありパワハラに至ったのかもしれません。
既得権益とパワハラ。ここでわたしは悩むわけです。
どちらが100%正しいとか間違っているということは滅多にないことなのはわかっているので、それでは自分はどちらをまだ許せるかという問題になるのですが、わたしはそもそも維新を支持していないし昔から人が大声で叱責されている場に居合わせることが超苦手(たぶんHSP的な傾向)なので、悩みに悩んで稲村さんに投票することを決意しました。
あと信頼している地元の市長が稲村さんを推すという声明を出されていたことも後押しになったかもしれません。(市政の運営がスムーズに進む方がいいと思って)
斉藤さんを推していたのは立花孝志さん、維新(表明はしていませんが当選したら合流する可能性しかない)、あとあくまで噂レベルですが自民党の裏金ベテラン議員、○一教会。
わたしの思想とは相容れない方たちばかりです。
一方、日頃マスコミ報道を信じないなど、わたしと似た考えを持っている知人たちも今回は悩んでいましたが、ひとりは「維新が兵庫県に入り込んでくるのは嫌だけど稲村さんは極左政党の出身で移民も受け入れる考えがあるので、悩みに悩んで消去法で斉藤さんに投票する」と言い、もう一人は「テレビもネットも双方が都合のいいように印象操作しているだけなので正直何が正しいのかわからない。それならわくわくする方を選ぼうと思う」と言っていました。(おそらく斉藤さんに投票したかな?)
そして日ごろ政治の話などしないしSNSもしない同級生(59歳)から「もう投票した?斉藤さんに入れたってよ。よくSNSとかしてるから悪くないのにいじめられてたの知ってるやろ?あれ見てびっくりしたわ」と言われました。
「それ誰に聞いたん?」と尋ねはしませんでしたが、維新の議員さんと親しい人なので、そこからの情報かあるいは息子さんに聞いたのか…。
とりあえずこの年代にも口コミでここまで広がっているんだなとかなり驚きました。
こういう風に斉藤さんに投票した人たちの中でもみんな理由は色々なんですよね。
結局、稲村さんに投票した人はわたしの周りにはいなかったのですが、SNSで今回の斉藤さん当選を憂いている人をみると、だいたい左派的な思想を持っている人でした。これまでは自分を真ん中よりやや左だと思っていたのですが、「やや」というよりわりと結構左よりなんだなということがはっきりしました(笑)
そして、東洋思想の世界でよく「外に求めるな。答えは自分のうちにある」みたいなことが言われますが、今回まさにこれだなぁと思いました。
どれが正しいのか情報をあさっても結局答えは出てこない。自分の中に答えを見つけなくてはいけない選挙でした。
もっと語ればいろいろあるのですが、読んでいる方もそこまでわたしに興味がないと思うので結構端折って書きましたが「今回は本当にとてもいい経験になりました」ということでしめたいと思います。あとは兵庫県がいい方向に向かうのを祈るのみです。
最後に、Xの中で一番共感した安野貴博さんの兵庫県知事選についての投稿を載せておきます。
今後アプリ開発などIT技術を通して日本の言論界(もしくは政界)を担うであろう安野さんのこの投稿に心底安心しました。未来は暗くないですね(と思いたい)。