世界でいちばんかわいいぼくの彼女
後輩が落ち込んで泣きそうだと言う。
お茶でもするか?コーヒー奢るか?と声をかけた。
少しずつ話しながら、自分の甘さがあったことを認めながら、彼は言ったという。
「でも、励ましてもらって元気が出ました!」
おお、よかった。そんなに元気が出たのなら。
そして彼はこう続けたという。
「僕の世界でいちばんかわいい彼女が、慰めてくれたので!」
…なんで惚気られたんだ?と、後輩を慰めた私の同僚は不思議に思ったと言うが、とりあえず元気になってよかったと、その笑顔に思ったらしい。
「世界でいちばんかわいい彼女」というのはなかなかのパワーワードだと思う。好きで好きで好きでたまらないというその彼女がいれば、彼はなんでもがんばれるのだと言う。これぞ恋の力。
なお、その後輩くんは私も知っているけれど、素直でまっすぐなお調子者である。
素直さというのは本当に得難くて、斜に構えることなくまっすぐでいるだけで、若者は十分に世界を救うと思う。
要領の良し悪しあれど、素直でまっすぐな若者は、それだけでまぶしい若葉のようだ。
それだけで、多少の難は隠れてしまう。
まして、努力をする姿がそこにあったなら?
まっすぐ彼女を愛する姿がそこにあったなら?
微笑ましさで、大方のことは許される気がしてしまう。
とはいえ、世の中は結果が求められる場面もある。
彼は今、結果を求められる立場にある。これはライフワークバランスとかとは全く別の次元の話だ。
彼女パワーで結果を出さなければ、多分彼は彼女と会っている場合ですらなくなる。
それでもやっぱり、「世界でいちばんかわいい僕の彼女」なんて恥ずかしげもなく言える彼は、素直でまぶしい。
好きで好きでたまらない人がいる世界は、きっと彼よりまぶしい世界だろう。
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