「失敗したくない」に打ち勝て~リスクをとって環境を選んだ元「世界のナベアツ」
不安で、収入も減って、それでも自分のなりたい姿のため、歩み続ける。
「自分の目標のために、環境を選べ」と様々な人が言う。
人生賭けてリスクをとって実践する。「落語家になったんだな」くらいに思っていたそんなニュースの裏側で、そんな挑戦を、している人がいた。
1)人生をかけた桂三度
コンビ、放送作家、ピン芸人、落語家……
芸人も何千人といますけど、その中で一番きれいな五角形を作りたいって目標があるんです。
そんな目標に向かって、人生のシフトチェンジを4回している桂三度(元世界のナベアツ)。
世界のナベアツとして「3」のネタでブレイクしていた時は、ネタで世に出たけれどトークもできる、安定した芸人さんだったような印象がある。
リスクをとって、安定したキャリアを捨てて新たな道に挑戦する。目標があれば、不安などないのか…と言われれば、当然そんなわけはない。
それはもう不安100(%)ですね。誰でもそうやと思いますけど、不安しかないです。でも、僕の場合はラッキーで、不安に慣れてたというか。吉本(興業)入る時も不安だらけで、放送作家する時も不安で、芸人を再開する時も不安で。他人よりはちょっと不安慣れしているのかな、とは思いますね。
不安慣れってなんだよ、と言いたくなるくらい、きっと桂三度さんは不安を感じながらリスクをとってきたのだろうな、とその言葉尻から感じる。リスクを取らなければ、リターンはない。
2)「失敗したくない」わたしたち
目標があるから、ほしいものがあるから、リスクを取って手を伸ばそうと思えるのだろう。
「失敗したくない」という気持ちに打ち勝って、道は開ける。
それでも人は、失敗を恐れる。過度に失敗を恐れるのは、失敗が「=死」に繋がっていた時代の本能だろうか。
みんな、「失敗したくない」と思う。
だけど、野球選手は7割失敗しても優秀なバッターとして評価されるし、研究者は日々失敗を積み重ねて「成功しない条件」を知っていく。
世の中で優秀と言われている人は、数えきれないくらい失敗している。だから、きっと失敗なんて怖がることはない。
だけど、それでも失敗を怖がる場面は多々ある。私はある。肝心なところで挑戦できない。それこそ、人に言われてやれば、思った以上の成果を出せることが多々あったとしても、自分で決めて、切り開くことが、なかなかできない。
足がすくんでしまう。
でも、本当は、挑戦したいと思ってるんだよね。
3)「失敗したくない」を乗り越える発想
①「失敗」は「成功」と知る
失敗は「失敗する条件」がわかった成功と捉える。挑戦から修正して次にまたやって成功すればいい。それくらい、ラフに考えても、いい。きっと。
研究者の研究はまさにそれ。「成功しない条件」を何度も見つけて、「成功する条件」を探している。
研究の世界では、1割バッターでも優秀らしい。これは、ノーベル賞をとった、京都大学の山中伸弥教授のセリフ。
②失敗して他人から批判されても、それは「あなた自身」の評価ではない。
挑戦する前に思うこと。「批判されたらどうしよう」「責められたらどうしよう」。
他人からの批判に弱いのは、それが「=自分と言う存在の評価」だと感じてしまうから。自分の生存を維持することが本能の人間にとって、これは大きなストレスだし、ダメージになる。
あくまで「その事例」に関する評価だから、自分とは切り離して考える。
声に出して、自分に言い聞かせるのは結構効果的。自分の声が、1万能に浸透しやすいから。
③一緒に頑張る仲間を見つける。
ノーベル賞をとった、京都大学の山中教授は言った。
研究の場面と言うのは、1割バッターだったら僕はもう大成功だと思って、学生にもそういう風に言ってきました。それだけ、非日常のストレスは非常に大きいものがあります。10回に1回どころか何十回とトライしても失敗ばっかりだということも、しょっちゅうおこるわけです。
たいへんな、本当にもう、やめたくなる、泣きたくなるそういう二十数年でした。その中で、やはりあの、家族の存在、家に帰ったら、笑顔で迎えてくれる、その家族の支えがなければ、研究という仕事は続けてこれませんでした。
1人でやろうとしない。失敗を笑ってネタにできる人間関係を作る。
一緒に頑張る仲間を見つける。
「失敗したくない!」と片意地を張るところから、「失敗しても大丈夫。笑ってネタにして、またがんばろう」そう思える環境を、自分に用意してあげる。
世の中、みんな失敗してる。
いやらしい意味でなく、それを数えてみればいいかもしれない。きっと気が楽になる。
「新しいことをする」って、結局負荷がかかるから、そのストレス解消法については、次のnoteで。
私も失敗だらけ。