家賃支援給付金の「賃貸借契約等証明書」
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家賃支援給付金は、コロナ禍で一定の売上減少のあった中小企業及び個人事業主で、事業に関連して賃料を支払っている者に対して、一定の給付金が支払われるという制度です。
売上減少の要件は、持続化給付金よりも広いため、持続化給付金が得られていない場合も、確認してみるとよいです(要件はこちら)。
さて、この給付金を受けるには一定の必要書類を提出(オンライン申請の場合はアップロード)する必要があります。その一つが賃貸借契約書です。もっとも、長年同じところで事業をしている場合、ずっと以前に借りた物件で、契約は更新しているけれども契約書を改めて巻いていない、更新覚書がない、ということはよくあることだと思います。また、先代から借りていて、貸主や借主の名義が異なる、ということもありえます。
そういった場合、貸主に「賃貸借契約等証明書」に署名をしてもらう必要があります。「賃貸借契約等証明書」の書式は、こちらにあります。管理会社が入っている場合には管理会社にお願いするとよいでしょう。
ときどき、貸主に経営不振なのが明らかになるので証明書作成をお願いするのが躊躇されるという声を聞きますが、家賃支援給付金が振り込まれることになった場合、いずれにしても管理会社等に通知が行くことになっています。このご時勢ですので、そうしたことは気にせずに、貸主に依頼して証明書を入手して給付金を受け取り、事業継続の実をとる方がよいと思います。
問題なのは、貸主となんらかの紛争関係にあって、貸主が証明書作成に応じてくれないという場合です。その場合、以下の手段が考えられます。
● 弁護士などの専門家に説得を依頼する。
● それが奏功しない場合は、賃貸人に対して、賃貸借契約存在確認の仮処分を申し立て、審尋の際に裁判所から賃貸人に対して証明書を作成するよう説得してもらう。
● それも奏功しない場合は、裁判所から、賃貸借契約の存在を確認する仮処分決定を取得し、証明書に代わる書面として家賃支援給付金の申請に使う、
といった方法が考えられます。
後者2つは試した例を未だ聞いていませんが、もし貸主がなかなか応じないという場合にはトライする価値はあると思います。
貸主の方におかれては、現在の権利関係を確認して署名をするだけで大した手間はかかりませんし、ご自身の受け取るべき家賃の補助に使われる給付金ですので、ぜひとも借主に協力してあげてほしいと思います。
以上、ご参考になりましたら幸いです。
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