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雀荘デビューの前に知って欲しいこと

麻将連合藤川まゆです。
Mリーグや麻雀ゲーム、自治体による健康麻雀の普及などで、広い世代で麻雀が盛り上がっています。麻雀がネットニュースに取り上げられているのを目にする機会も増えてきました。
私はたかだか10年ちょっとの歴史しか知りませんが、その10年での変化も目覚ましく、本当に凄いことだと思いますし、とてもありがたいことだと思います。

麻雀人口も非常に増えたと思います。
ので、今回は、ゲームや友人同士などで麻雀を覚えた方々に役立ててもらえるよう、『雀荘デビューする前に知って欲しいこと』をまとめました。

実は以前からずっと書きたい内容だったのですが、まとめるのがかなり大変そうだと思っていたため、書きはじめるに至るまでがなかなか長く、背水の陣作戦でやっと書き上げました。

ツイートが誤字っていてつらいですが、私は3ツイートに1誤字ある系雀士なので許してください。もっと落ち着いて生きるようにします。

タイトルにはわかりやすく「雀荘デビュー」と書きましたが、主に「フリー麻雀デビュー」についてのお話です。

ここから前置きですが、前置きが非常に長いので目次を置いておきます。
前置きは飛ばしていただいて構いませんので、本題だけ読みたいという方は目次の①をタップ/クリックしてそこから読み始めてください。


なんでこのnoteを書こうと思ったのか

ゲームの麻雀や、仲間内でやる麻雀(通称「セット麻雀」)の他に、雀荘に1人で入って、雀荘のお客さんやスタッフさんと卓を囲んで麻雀を打つ、「フリー麻雀」というものがあります。

1人で気軽に好きな回数だけ麻雀を楽しむことができるのが「フリー麻雀」の良さで、私もその点が非常に好きです。
「フリー麻雀」では、「セット麻雀」と違い、見知らぬお客さん同士で卓を囲むため、ある程度決められたマナーや、暗黙の了解というものがあります。

しかし、ゲームやセット麻雀からだと、この「暗黙の了解」というのを知る機会というのは非常に少ないと思います。

麻雀を覚える際、役や点数などのルールはわかりやすくまとまっている本やネット記事がたくさんあります。
実際私もネット麻雀からスタートしてプロになりましたし、役や点数を覚えるのにはインターネットを活用しました。大変ありがたい時代に麻雀に出会えたなと思っています。
プロ活動に至るまでは、ネット麻雀→セット麻雀→フリー麻雀というように、今の時代ではかなりメジャーであろうルートを通ってきました。

その中で、正直なところ、フリー麻雀になった途端とても敷居が高くなるというか、一見さんお断り感があるというか(今はぜんぜんそんなことないフリー雀荘も多いですよ!)、そんな印象を受けました。
それに、フリーで「それはやっちゃだめだよ!」と指摘されるような「マナ悪」は、ネットで麻雀を覚えた当初の自分には全く意図しない、「良かれと思ってやったらマナ悪だった」という記憶があります。

お仕事で、「普段セットでよく麻雀を楽しむがフリーはやったことがない」という方とお仕事で接する機会があります。
みなさんめちゃめちゃ良い方々で、たとえば放銃した際に、笑顔で3900点の点棒をぴったり手渡そうとしてくださいます。
しかし、この「点棒手渡し」や「3900点ぴったりで払う」ことは、昔の私もやったことのある、いわゆる『フリーや競技ではNGとされるマナー』です。
麻雀以外の日常生活では『手渡しした方が丁寧』ということも多いですし、会費などは『お釣りがないように用意する』という文化もありますので、今となっても気持ちはとてもわかります。

そういった機会に出会う度、『こんなに良い方々なのに、このままフリーデビューをしたら、良かれと思ってやっていることで嫌な思いをしたりされたりしてしまうかもしれない……』と思い、そしてそういったいう状況がとてもいたたまれないなと思ったので、筆を取りました。

私はたまたま「麻雀めちゃめちゃおもしろ」と思って、毎日麻雀し続けた熱量があったので今も麻雀を楽しんでいますが、その熱量に至るまでにフリー麻雀デビューし嫌な経験をし、「もう麻雀やりたくない」と思った方もいるかもしれません。

世の中の流行っているものは、ジャンル問わず「一部のコアなマニアックな層と、大半のライトな層」に支えられているものが多いと思うのですが、麻雀に関しては前者の比重が多い印象です。
Mリーグ、雀魂、vtuberなどのおかげでライト層も増えたと思いますが、でも「実際に麻雀を打つこと」に限定すると、やはり圧倒的に前者の比重が多いと感じます。

麻雀をもっと広く楽しんでいただくためには、ライト層へのやさしい受け入れ態勢がもっとあったらいいなと思いますし、できることをしていきたいなと思っています。

そういった意味では、ルールやマナーに対して煩雑だなと思う部分もありますが、それはいったん置いておいて……とりあえず、「最低これは覚えてからのフリー麻雀デビューをオススメしますセット」をまとめました。

ゲームやセットがメインで、いずれ雀荘にも行ってみたいと思っている方。
麻雀はめちゃめちゃ楽しいゲームですし、私も知れば知るほど足を延ばしたくなりました。今はフリー麻雀に興味がない方でも、いずれ行きたくなる時が来るかもしれませんので、その時になったらこのnoteを開いてくださると嬉しいです。

①まずは「よろしくお願いします」から

卓についたら、まず「よろしくお願いします」と一礼しましょう。
また、フリー麻雀がはじめてであれば、「フリーはじめてですがよろしくお願いします」と添えた方がより良いです。
そうすると対局者の方もいろいろ教えてくれますし、間違ったことをしてもフォローしてもらえます。
私はフリー麻雀デビューしてから数ヶ月は軽率に「覚えたてですがよろしくお願いします」を多用して助けてもらっていました。面の皮が厚いです。

②点数はわからなくても大丈夫!開始時に対局者に一言

点数がわからない場合は、挨拶の際に「点数がわからないのですがよろしくお願いします」と言いましょう。
その一言がなく、アガった時に対局者に点数を教えてもらえるのを待っている人もいますが、気持ちよく教え・教えられるためには事前に一言あった方が良いかなと思います。
ちなみに入店時、スタッフさんも「点数計算できないんですけど……」と言っておくと、状況によってスタッフさんが助けてくれることもあります。
不安な部分をサポートしてくれる人は多ければ多いほど良いです。どんどん味方を増やしましょう。

③サイドテーブルは左を使う

各卓に4つあるテーブルは、「左を使う」というルールがあります。
友人同士でセットからスタートしたという方は、右で使い慣れている方も多いようです。
フリー麻雀では「スムーズな進行」が重要なので、ドリンクを飲むことで卓の進行を止めたりしないよう、右手でツモったり切ったりし、空いた左手でドリンクを飲んだりします。
左利きの方もサイドテーブルは共通で左を使います。

④まず牌山を前に出す

牌山があがってきて、配牌をあけたら(とったら)、自分の手牌をならびかえる前に、まず自分の前の山を少し前に出しましょう。
向かいにある山は遠くてツモるのが大変なので、全員がツモりやすくなるようにします。

⑤リンシャン牌をおろす

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カンをするとツモることのできるリンシャン牌。
ここの牌はこぼれやすく、見えることでトラブルの原因にもなります。
リンシャン牌のある山の前の人は、牌山を前に出す時に一緒に画像のようにリンシャン牌をおろしておきます。

⑥手の中に牌が2枚以上にならないようにする

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ツモってきた牌を握り込んだまま、手牌から牌を切る方がいますが、これは✕です。ツモってきた牌は、手牌の横に置いてから打牌をします。

⑦なるべく両手を使わない

両手を必ず使うようにするのは「牌山を前に出す時」「アガリやテンパイで手牌を倒す時」、両手を使っても良いのは「山から配牌をとるとき(※)」「手牌をならびかえる時(理牌時)」です。
(※配牌があがってくるタイプの卓は両手であけることになります)
上記以外の動作、ツモって切って、などはなるべく片手だけを使うようにしましょう。
これはイカサマ防止でできたマナーとのことですが、個人的にはシンプルに片手の方がスマートでかっこいいと思います。私は形から入るタイプなので配牌を取る時もまっさきに片手でとって片手で開ける練習をしました。

⑧ツモってきた牌を手牌の上に乗せない

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ツモってきた牌を、一旦手牌の上に横向きに置いてから、一牌切る。
画像のような状態ですね。
これは、麻雀配信でツモった牌をわかりやすくするための演出で、実際はむしろやらない方が良いです。ツモってきた牌はそのまま端に置いたままにします。

⑨ロンした牌は手元に持って来ない

これも麻雀放送用の演出です。
実戦では、ロンアガリの牌も、そのまま放銃者の捨て牌のまま動かしません。放銃者に煽りともとられかねないので絶対にやめておきましょう。

⑩ツモってきた牌を、手牌の中に入れるのは、切り番を終えてから

フリー麻雀ではスムーズな進行が大事、と言いました。
「ツモってきた牌を、毎回手の内に入れてから切る行為」は、程度によりますが遅延行為に該当します。
毎回ツモ牌を入れて、切って、入れて、切って……だとその分の時間もかかってしまうので、「ツモる(端に置いたまま)」→「切る」→「切ってから手の内に入れて揃える」とするよう頑張ります。
でも、混一色や清一色などでごちゃごちゃしていて、『入れてみないとわからない……』というここ一番はの時には、対局者に「すみません」と一声かけるなどしてから入れて→切ってで良いと思います。
こういう時に、事前に「初心者ですがよろしくお願いします」という一言があると、対局者の方にも『慣れないと難しいよね……!頑張れ……!』って心の中で応援してもらえます。最初の挨拶はとても大事です。

⑪点棒は手渡ししない

直接点棒を手から手に渡そうとする人がいますが、点棒は支払いも、お釣りも、相手の手元にそっと置きましょう。
ツモアガり者に支払う時は、他の人の点棒の支払いと混ざらないように注意です。全員から見て、それぞれがいくら払ったか明確にわかるようにします。

⑫3900や4000はぴったりで支払わない

初めの頃はやりがちですが、これは5,000点棒で払うようにします。
一応、点棒の支払いには、「卓上の点棒の総本数が少ないのが美しい」というマナーがあります。(これは慣れたらで良いと思っているのであまり気にしないでください)
3900点をぴったり払うと、1000点棒×3本+500点棒×1本+100点棒×4本と、合計8本で、最も支払い点棒本数が多くなります。
支払う時もがちゃがちゃっとしますし、卓上で3900点あるかを確認するのもちょっと時間がかかりますし、しまう方も大変です。

あと、4000点も、「1000点棒を4本出す」より、「5000点棒を1本出して、1本おつりをもらう」の方が、スマートです。
特に東一局。4000点オールツモへの支払いなどで1000点棒を4本使ってしまうと、次局リーチ棒がなくなり、他の方に両替をしてもらわないといけなくなります。両替はもちろん悪いことではないですが、4000点を1000点棒で払ってしまってリーチ棒がなくなることに対しては、対局者は両替しつつも『そらそうやろ』と思っている案件なので気を付けましょう。

※『各点数によるスマートな点棒支払いについて』はまた別途noteにまとめようと思います

⑬ポン・チーの前に牌の名前は言わない

「西ポン」とか、「五萬チー」とか、牌の名前は言わないようにしましょう。発声は「ポン」「チー」のみとします。

⑭「リーチ」は、機械が喋ってくれるけど、ちゃんと自分でも発声する

リーチ棒を置くと、卓がかわいい声で「リーチ」って言ってくれますが、自分でもちゃんと発声します。
対局者全員に聞こえるよう「リーチ」とはっきりと発声し、打牌をして、リーチ棒を出しましょう。
打牌時も、縦に置いてからクルッと横に曲げるのは✕です。
最初から横に曲げて打牌します。

⑮リーチ後、ツモってきた牌を手牌にくっつけない

リーチした後は、手牌の入れ替えができません。
なので、ツモ牌を手牌にくっつけないようにしましょう。

⑯ツモ牌(アガり牌)は、ツモ時に手牌に入れない

アガり牌をツモってきたら、「ツモ」と発声して、まずそのツモった牌を1牌だけ対局者に見えるように置きます。
そして、その後残りの手牌を両手でそっと倒します。
どの牌をツモったかによって役が変わるケースがあるので(ピンフなど)、ツモ牌は明確にわかるようにしましょう。

⑰あがった時に役は言わない(※)

アガった際に、「リーチ、一発、ツモ……」と、役を言う方がいます。
しかし基本的には麻雀で発声する言葉は、「よろしくお願いします」「リーチ・ポン・チー・カン・ロン・ツモ」、点数、「ありがとうございました」のみです。
アガったら点数のみ言うようにしましょう。
(※雀荘によっては役を言うことを推奨しているところもあります。その場合は最初にスタッフさんが説明してくださると思います)

⑱「一発」「安目」は発声じゃない

「ロン」「ツモ」じゃなく、「一発!」という方がいます。
「ロン」「ツモ」のみとしましょう。
また、「安目!」「高目!」と言ってツモやロンをするのも同様に✕です。これらも煽りと受け取られかねません。

⑲裏ドラは乗ってなくても全員にちゃんと見せる

乗っていてもいなくても、裏ドラは全員に見せます。
カンが入っている時でも、どっちが表ドラでどっちが裏ドラかわかるように置くととより良いです。

⑳「ツイてますね!」は褒め言葉じゃない

他の人が一発ツモをした時に、場を盛り上げる褒め言葉として「ツイてますね~!」と言っている方がいました。これは超絶煽りワードになります。(ちなみにこれはご本人に指摘したところ、「えっ、おっちゃんが嬉しそうに使ってたから褒め言葉だと思った」と驚いていました)

「実力じゃなくて運だけ」と言っていると受け取られかねないので、人には言わない方が良いワードです。

自分がアガって「ツイてた」なら良いと思います!が、自分がアガったということは「他の人はアガれなかった」ということなので、どちらかというとアガった時は「喋らず・はしゃがず」、が無難だと思います。私も9割くらいははしゃぐのを我慢しています。

おまけ:小手返しはしない方がいい

小手返し、カッコいいですよね。わかります。
でも、基本しない方が良いと思います。特にこのnoteを参考にしていただける層の方はしないようにして欲しいです。
私もプロ研修を受けた際、「小手返しはするな」と教わりました。

そもそも雀荘で小手返しを禁止しているところもあります。
理由は様々のようで、「カチャカチャうるさい」「手出しツモ切りがわからない」というのがあるようですが、個人的には「小手返しによる圧倒的スピードダウン」が大きな理由だと思ってます。

「ツモって、小手返しして、切って」よりも、普通に「ツモって、切って」の方がシンプルに工数が少ないです。

最後に

ここまで読んでくださりありがとうございます!
雀荘デビューをしようと思っている心優しき方が、このような「事前にわからないマナー」で損することのないよう、お役立てていただけたら幸いです!

正直、フリー麻雀をしたことがない方が、このnoteを読んでどう思ったかも非常に気になるところなので、お気軽に感想やご意見のコメントいただけると嬉しいです。
もう当たり前になってしまって気が付かないこともたくさんあると思うので、学ばせていただきたいなと思っています。

ちなみに、今回20個ピックアップしましたが、何を入れるのか悩みました。
最初は、
「親以外が山を割らない」
「他の人の山に触れない」
「牌山を上げるボタンを押すのは次の親の人」
「点棒をしまうことでゲームの進行をとめない」
などなど、他にも取り上げたいことがあったのですが、『実際フリー麻雀にある程度慣れている人でもやっていること』に関しては省きました。

また、最初に覚えることが多過ぎるとそれこそハードルを上げかねないので、『勘違いされがちなマナー』『過去に複数名の初心者の方がやっていたことがあるマナー』に絞りました。

これらは、また『競技対局マナー』として、『プロ・アマ公式戦デビューしたい方』向けにまとめようかと思っています。

みなさんが良い麻雀ライフを送れますように!!

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藤川まゆ(麻将連合)
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