日生劇場「ベートーヴェン」感想

とりあえず、全員歌が上手い。
(みりおん=実咲凛音さんにも歌って欲しかった)

まず井上芳雄さんの歌だけでチケット代1万円(A席)は十分ペイ。
芳雄さんのソロは、「悲愴」と、「交響曲第七番第二楽章」なのかな?最後のソロがとても良かった。

いろんな曲とエピソードを詰め込んでるので、ジュークボックスミュージカル…というか、ダイジェスト感は否めないというか、
「忙しい人のためのベートーヴェン〜とりあえず芳雄を聞け〜」
という印象。
ベートーヴェンの人物および音楽に詳しかったら、もっと楽しく見られるのかな〜と思った。

そして、ベートーヴェンの曲に歌詞、しかも音節の多い日本語詞は無理があるんじゃないだろうか…
いまいち歌詞が曲に乗ってないというか、何言ってるのか分かりにくいし、日本語の音が絶妙にダサい…
(韓国初演で、韓国語も日本語と似た音声構造なんじゃなかったっけ…どうなんだろう)
前出の2曲(「悲愴」とラストソロ「交響曲第七番第二楽章※自信なし」)はゆったりしたメロディだから、間の抜けたリズムの日本語当てても違和感がないが、他は全体的にどうしても替え歌感が否めないと感じた。


あと、「耳の病気もありながら苦悩を超えて作曲を…」がメインかと思ったら、アントニーとの恋愛がメインだったのが予想外。
たしかに公式ホームページ見れば「ベートーヴェンの〈愛〉をテーマに」と書いてあったので、これは私の勘違いに近い感想ですが。

そういうストーリーだからか、分かりやすく最大の名作である「交響曲第九番」がほぼモチーフのみのオマケっぽい扱い(エンディングテーマではある)だったのが個人的には不完全燃焼。
第九で盛大に締める、「No.9(稲垣吾郎さん主演)」や「fff(宝塚雪組)」で育ってるので…(>_<)


ただ、再演を重ねてさらなる名作になる余地は大いに感じた。
帝劇復活したら帝劇で再演してくれるといいな~

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