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【編集後記】CHDのデブラさんとアランさんに尋ねる、"エビデンス・ベースド" なデザインのこと
The Center for Health Design(略してCHD)のCEO、Debraさんと初めてお会いしたのは2019年の11月。
半年後に正式にライセンス契約を結び、「CHD Journal」を発刊することになりました。
原点といえるインタビューでは、30年間の歩みなど貴重なお話を聞かせて頂きました。
👉WEBマガジン(Debraさんのインタビュー記事)はこちら
この編集後記では、オリジナル版インタビュー動画を参照しながら、彼女たちが強調する「根拠に基づくデザイン」について考えていきたいと思います!
30年間で医療者や設計士、建築家やデザイナーなどが4000人以上も参加するカンファレンスに発展させたCHD。リサーチノウハウを構築したことが大きな要素だったのではないでしょうか。
リサーチ(効果測定)に基づいたデザイン、そしてまたデザインの効果を検証してはエビデンスに反映させる…。この繰り返しによって、Knowledge Repository(※CHDの公式HPから閲覧できる文献)には膨大な量の調査論文が溜まるようになりました。
リサーチなくしてデザインは生み出せませんから、CHDにとってリサーチャーは基幹的な存在と言えます。
実はHCDカンファレンス開催中に、リサーチャーのお一人であるアランさんにインタビューをしていました!
(展示ブースを歩いていたら偶然見つけてお声がけをしました…(笑))
医療機関が、患者さん側から設計・デザイン側への「フィルター」のような役割を担っているとは面白い表現です。病院が設計の段階から患者の声を取り入れる努力や工夫をしているのでしょう。ステークホルダーである設計士やデザイナーの人々にもその姿勢が求められるようです。
特に、患者さんに近い存在である看護師や医師が病院づくりのプロセスに「臨床的に関与する」ことでアウトプットにも影響すると話しています。プロセス自体も効果測定の対象になる点が日本と異なっています。面白い!
デボラさんは、「なぜ今ヘルスケア業界がデザイン(問題解決)に注目するのか」という問いに対して、環境が心身に及ぼす影響が大きいためだと話しています。
ハード面の環境づくりが医療者の意思決定や患者さんのエクスペリエンスに影響を与えると確信しています。
どういった影響が生じるのか、これもまたリサーチによるエビデンスをぜひ見てみたいです。
さて、今回はCHDが重要視する「根拠に基づくデザイン」について、リサーチに基づく根拠【=インプット】とデザイン【=アウトプット】を繰り返し検証することの意味を考えてみました。
そもそもアメリカではステークホルダーの関与の仕方が日本と異なるのですが、それはCHDが30年間かけて築き上げたノウハウと比例するものかもしれません。