ヨーロッパ4カ国を旅して気づいた、”目を見て話すのが苦手”な理由
物心ついたころから、”目を見て話すのが苦手”でした。
「どれくらい目を合わせれば自然なのか?」
「不自然に見えないか?」
そんなことばかり気にしては、だんだん話すのが苦手になっていくの繰り返し。
社会人で経験を積んでからは、大人としてそれなりのコミュニケーションは取れるようになったけど、それでもまだ「目を見て話すのが苦手」な気持ちはそのままです。
でも、この間ヨーロッパ周遊旅行に行った時、
ふと、あることに気づいてしまったんです。
「わたし、ヨーロッパに旅行しているときは、相手の目を見てじっくり話せてる。」
ということに!
■ヨーロッパ旅行での気づき
これまで私が旅したヨーロッパの国は、以下の4カ国。
イタリア
オランダ
ベルギー
フランス
どの国でも共通して感じたのは、現地の人は
相手が誰であっても、本当に相手の目をまっすぐ見て話す な、ということ。
相手がお客さんでも、店員さんでも、友達でも、ホテルの受付の人でも。
通りがかりで偶然道を聞かれた人でも、どんな人でも。
それは、ごくごく自然に根付いているコミュニケーションのスタイルで、
そこが、日本のコミュニケーションとは違うなあ…と、最初に肌で感じた所でした。
「そんなに目をよく見て話す文化なら、私(筆者)はさぞかし困ったのでは??」
と思った方もいるかもしれません。
だけどこれが本当に不思議なもので、
あんなに人と目を合わせることが苦手だった私が、ヨーロッパにいる間は、なぜか相手の目を見て、自然にじっくり話すことができたのです。
私が感じた、彼らのコミュニケーションスタイルを言葉にすると、
こんな感じ。
「相手の目を見てオープンに話して、自分の意見も相手の意見も、尊重する」
このコミュニケーションの仕方を、もっともっと詳しく文章に表すなら、
「直接言葉にはしなくても、お互いを尊重し合っている感じがして、
自分が自分でいていいんだ、と無意識に思えるような、
自己肯定感みたいなものが自然と湧いてくるような感覚」
(……すみません。言葉にするのがめちゃめちゃむずかしい。笑)
そのコミュニケーションの仕方が、
わたしにとっては、とても心地よいものでした。
■文化の違いが生む苦手意識
でも、日本に帰国すると、また、目を合わせるのに抵抗感を感じている自分がいたんです。
「え、なんで?」
「海外旅行で、克服したんじゃなかったの、私ー!!」
ってちょっとショックを受けましたが、(笑)
その反面、それがなぜなのか、めちゃめちゃ不思議で仕方なかったのです。
苦手なことは”自分の中”にあるはずなのに、
なぜ、いる国によって苦手意識が変わってしまうのか?
「環境が違うから」といえばそれまでですが、
じゃあ具体的にどんな風に環境が違うの?って言われたら自分でもわからなくて、しばらくずーーっとモヤモヤしてました。笑
それで、考えて考えて、調べて、、
やっと、答えらしきものに辿きました。
ヨーロッパでは相手の目をじっくり見て、自然に話すことができた理由…
それは、
日本とヨーロッパで、「非言語コミュニケーション」の方法が異なるから
でした。
■「非言語コミュニケーション」の違い
「非言語コミュニケーション」とは、言葉を使わないコミュニケーションのことです。
例えば、表情、視線、ジェスチャー、姿勢、などなど…
言葉を介さなくても、コミュニケーションできる要素のことです。
その「非言語コミュニケーション」の一部として、
日本では、「目」で感情を伝える文化があります。
目は口ほどにものを言う
目を見て察する
こんな言葉も、その文化を象徴していると言えるのではないでしょうか。
その一方で、
ヨーロッパでは、「口」や「顔全体の表情」で感情を伝える文化が根付いています。
実際、オランダ人やフランス人は、ふとした会話でも表情がすごく豊かに動くし、そもそも「目で察する」みたいな風潮はあまりないな、というのを感じました。
(もちろん完全にない、というわけではないと思うけど、あくまでも傾向として。)
だから、何か困ったことがあった時に、「困った目」で相手を見ても、「なにこの子?」みたいな怪訝な目で変人扱いされてしまう・・ということが、何回かありました(笑)←
目で感情を読み取る、という風潮が根付いていないので、何に困っているのか、相手にジェスチャーや言葉でちゃんと示さないと、伝わらないんですよね。
■「非言語コミュニケーション」による、身近な文化の違い
この「非言語コミュニケーションの違い」は、
身近な文化に対しても、すごく反映されています。
例えば、コロナ初期の頃、日本(アジア)では、マスクをつけることへの抵抗がほとんどありませんでした。
しかし、欧米やヨーロッパ諸国では、めちゃくちゃ抵抗がありました。
最終的な解決策として、「口が見える透明なマスク」が開発されたほど。
他にも、日本の絵文字では「目で感情を伝える」のに対して、
欧米の絵文字では「口の形で感情を伝える」という違いもあります。
■結局、私が”目を見て話すのが苦手”な理由は何だったのか?
この違いが、 ”日本だと目を見て話すのが苦手になる” という原因なのかも、と気づいたとき、めちゃめちゃ腑に落ちて、「コレだ…!!」ってなりました。
日本では「目」がコミュニケーションの重きに置かれているから、
目を合わせることで、自分の感情を見透かされる怖さや、相手にどう思われるか気にする思考が働く。その結果、目を合わせることが苦手と感じてしまう。
一方で、ヨーロッパでは「口」や「顔全体」がコミュニケーションの重きに置かれているから、目を合わせても、感情を読み取られる心配が少ない。その結果、自然に目を見て話せた。
この違いが、国によって苦手意識が変わった理由で、
わたしが目を見るのが苦手な理由は、目を合わせることで「自分の感情を見透かされる怖さ」と「相手にどう思われるか気にする思考があるから」ということが分かりました。
■さいごに
日本に帰ってから、また目を見て話すことは苦手になっちゃったけど、
「目を見ることって意外と悪くないんだな」って思うことができたので、何だかちょっと、気持ちが軽くなりました。
ヨーロッパを旅した時に感じた、「目を見て話すことの心地よさ」が、
また日本でも感じられるようになったら、すごく素敵だなあと思います(^^)
ではまた!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?