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第0日目-4【メンタル病んだので最長片道きっぷの旅に出ました】

 1月26日夕方。最長片道きっぷの旅のスタート地・稚内へ向かうべく、暴風雪で運休が続く宗谷本線の運転再開を待って旭川に滞在すること3日目。
 無情にも突き付けられたのは、翌27日の運休情報だった……

↓前回はこちら

 前回でも述べた通り、私は北海道内での大雪などで列車が運休になる可能性を考慮して、旅程に予め3日程度の余裕を持たせていたが、それはこの旭川滞在で使い果たしてしまった。ただでさえ合間に他の予定を詰め込みながらの長旅、これ以上の遅延は許されない。

 ……いや、もう数日遅れても頑張れば巻き返し不可能ではないだろうが、これから続く果てしない道中で同様のトラブルが何回発生するだろうか。決して日本の鉄道の正確性を疑う意図はないが、何よりも信用ならないのは私自身の“運”である。
 私は基本的に運が悪い方だと自負している。そもそも運が良いという自覚があったらメンタルを病んだりなどしないだろうし、現に運が悪いから、思い切って出た旅でこうして立ち往生しているとも言える。
 この不運体質を以てして、起こり得るトラブルを全て回避して有効期間内にゴールするなど至難の業だろう。完全なる負け戦である。
 もう旅行を断念し、最長片道きっぷは払い戻そうか……

 悔しくて仕方がない。これまであらゆるものを犠牲にしてきて、ようやく手中にできたと思われた一縷の希望でさえ、また奪われてしまう。私の人生、ここまで許されないのか……


 ……そうは思ってもやっぱり諦めきれない。私は改めて翌日の列車運行情報を確認した。

翌日(1月27日)の運休列車情報

 ここに表示されているのは、翌1月27日の運休が決定している列車だ。稚内駅を発着する特急宗谷・サロベツ(2, 4)号の名が並んでいる。

 しかしよくよく見ると、下りのサロベツ1, 3号の記載がない。宗谷号も記載があるのは下り列車だけであり、上り宗谷号はない。ということは、これらの列車は運転されるのか!?少なくとも現時点で運休は確定していないようだ。
 とんだ早とちりをするところだったが、これで旅が始められる……かもしれない!

 しかし、旭川9時発の下り宗谷号は運休のため、前回述べた稚内で5時間滞在後に旭川に「日帰り」する計画は御破算となった。13時35分発のサロベツ1号で稚内に行き一泊する……という当初案と同じ行程に落ち着きそうだが、結局明日は稚内への移動だけしかできず、プラス1日遅延することには変わりない。だがそれでも前進できる嬉しさの方が勝った。
(サロベツ1号の折り返しの上り宗谷号で旭川にとんぼ返りすることも可能ではあるが、稚内の滞在時間が20分程度になってしまうのでさすがに止めておいた)。

 実はこの日のホテルも2泊分予約してしまったのだが、フロントで事情を説明して2泊目をキャンセルしてもらった。初日に宿泊予定だった稚内の宿といい、急なキャンセルばかりで関係者には申し訳ない気持ちである(もっとも、一番悪いのは天候なのであるが……)。

 何はともあれ、希望は見えた。この日の夜は旅の前祝いとばかりに、気になっていたビアレストランを訪れた。

旭川での最後の夜は「大雪地ビール館」へ。国の登録有形文化財にも指定されている上川倉庫群を利用した施設「蔵囲夢」の一角にあり、その佇まいに惹かれて入店。
ジンギスカン丼と地ビールを使ったビアカクテルで、長旅の前祝い。

次回、いよいよ「始まりの地」稚内へ……

現在、稚内から  -259.4km
新大村まで あと 11,145.0km

(いずれも営業キロベース)

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