第0日目-3【メンタル病んだので最長片道きっぷの旅に出ました】
1月25日。最長片道きっぷの有効期間開始日であるが、私は未だ旭川にいた。
依然として道北の暴風雪は止まず稚内行きの列車は運休、この日も足止めが決定した。
あまりスタート前のことを長々と書いても面白くないと思うので、写真メインで極力簡潔にまとめていきたい。
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私は旭川の宿を最初の予約段階で2泊分確保したが、これには理由がある。勿論翌日も列車が動かないことも想定してのことだが、もし翌朝に宗谷本線が運転再開される場合も、以下のような予定を考えたためだ。
朝9時発の下り宗谷号に乗車。稚内に12時42分に到着
稚内で観光(滞在時間約5時間)
17時44分発の上り宗谷号に乗車(最長片道きっぷの旅をスタート)し、旭川21時26分帰着、同じ宿にもう一泊して翌日に網走方面へ
この予定ならば、大荷物をホテルに預けて身軽に行動できる上、2泊目の荷解きの手間もない。それに、当初予定になかった日中の稚内観光も可能になる。5時間あればバスで宗谷岬まで往復することも可能であろうし、悪天候でそれが叶わないなら駅併設の映画館で『ゴールデンカムイ』でも観るのも一興だろう。
もう一つ考慮しないといけなかったのが、28日に乗車予定の「SL冬の湿原号」だ。
もし翌26日に宗谷本線が動いても、上記の予定で行動するとこれには絶対に間に合わないのである。例えば下り宗谷号から、その折り返し便であるサロベツ4号(稚内13:01発~旭川16:49着)でとんぼ返りすれば同日中に網走まで乗り継ぎ、27日中には乗車駅の釧路に到達できるが、少々無茶である。
このSL冬の湿原号については残念ではあるが指定席券を払い戻した。
1月26日。この日も宗谷本線の運休で足止めが決定した。
前日夜のことだったと記憶するが、函館本線の銭函駅〜朝里駅間の日本海沿岸を走る区間で線路が高波を浴び、札幌と小樽を結ぶ大動脈でもある同線が長時間に亘って不通になったというニュースを見た。まったくとんでもない時期に旅のスタートが重なってしまったものだと呆然とするばかりだった。
しかしここまで動けないと、もう一生稚内まで辿り着けないのではないかとさえ思えてくる。
以前「人が心を病む最大の要因は、(いじめやパワハラ等、他者から責められること以上に)仕事が思うように進まない状態が続くこと」だという説を聞いたことがあるが、この状況はまさに似たようなものだ。メンタル不調になって気晴らしのための旅に出たというのに、これでは全く本末転倒である。
一応事前に北海道・東北地方の大雪などによる足止めを考慮して、3日程度の余裕日数を見込んではいたが、まさかスタート前に使い果たしてしまうとは思ってもみなかった。
これ以上予定が遅延するとこの後の行程にも大きく影響するため、この最長片道きっぷ旅行自体の断念も検討しなければならない……
宿泊していたルートインも、この日は満室でこれ以上の連泊ができず、泣く泣くチェックアウトして旭川の街へと繰り出した。おかげで強制的に外に出ることになり、宿に引きこもって鬱々とせずに済んだとも言えるのだが。
旭川滞在も3日目。そろそろ暇つぶしのストックも無くなってきた。せっかくなので旭山動物園にでも行こうか……などいろいろ考えたが、結局見送った。まだ旅の「本編」が始まってもいないのに、歩き回って体力を消耗するような行動は控えたかった。
宿にチェックインした後、私はJRのウェブサイトで翌日の道北エリアの運行情報を確認した。この結果如何では、旅行の断念も考えなくてはならない。
しかしそこに並んでいたのは、宗谷本線の運休の情報だった。まさかのゲームの本編スタート前からのゲームオーバー!?
次回に続く。