第６話「重なる偶然」

「マヤ・・・？」 

 マヤは青木家の墓に花を供えていた。 

「昨日は偶然だったけど、ここへ来れば会えると思ったわ。」 

「どうしてマヤがここに？」 

「あなたそっくりだもの。すぐ分かったわ。コウの息子だって。」

 そういえば昨日マヤは父さんの話になると悲しそうな顔をしてたなとソラは思った。 

 「父さんを知ってるの？」 

「あなたのお父さんは私たちの間では英雄よ？最後まで地下移住に反対してた。」 

 「英雄？・・・そんなことスナ一言も・・・」 

「法律で禁止されてるんでしょ？地上の話をすること。仕方ないんじゃない？きっとお母さんも辛いのよ。誇りを持ってお父さんのお話ができないなんて。」