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第13話「“知らない”と“思い出せない”の差異」


入学式の後、教室でクラスごとの説明を受けたとき、すぐに代表の挨拶をすっぽかした奴の名前がわかった。 名簿順に席につくと、僕の真後ろの席だけが空席だったからだ。 僕はすぐに名簿で名前を確認した。そこには荒堀 近と書かれていた。

「アラホリ チカ?・・・新入生代表ってことはあの問題解けたのかな?コイツ。」

僕は入試問題で1問だけどうしてもわからない問題があって、それだけがずっと気になっていた。 明日コイツが来たら聞いてみよう。

しかし荒堀 近が学校に来ることはなかった。 2年になってもそれは変わらない。相変わらず僕の後ろの席は空席のままだった。

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