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【#シロクマ文芸部】紅葉の涙

 紅葉から涙がこぼれた。
 どうしたのと聞くそよ風。
「僕は存在感が薄いんだ。みんな春や夏、冬の事ばかり考えて、僕なんか微塵も思っていないんだ」
「そんなことないわ。あなたには色んなグルメを堪能したり芸術に触れたりするイベントが盛りだくさんじゃない」
 そよ風が慰めるが、秋は「それは……」と言ったきり、返事はしなかった。
 きっと春風の方に向かったのでしょう。
 若々しかった緑の葉を思い出して。

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