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【#青ブラ文芸部】春めいてきました

 春めいてきました。
 冬眠していたクマさんが長い眠りから覚めてお散歩しに行きました。
「ふぁ〜! よく寝たなぁ〜!」
 クマさんが呑気にそんな事を言っていると、スーパーに着きました。
「ちょうどいい。買い物しに行こう」
 そう言って中に入りましたが、不思議な事に自分以外の客がいないのです。
 それどころか、店員もいません。
「なんだよ、不用心だな」
 クマさんはブツブツと文句を言いながら熟したミカンや桃を食べあさりました。
 その時です。
 パァンとクラッカーが破裂したような音が聞こえました。
「うわぁっ!」
 クマさんはビックリして尻もちをついてしまいました。
 そこには、リスや鹿といった森の仲間達がやってきました。
「お誕生日おめでとう、クマくん!」
 小鳥がそう言って、ハッピバースデーの歌を歌いました。
「これは僕らからのお祝いだよ!」
 猿がそう言って渡したのは、木の実がたくさん入った大きなケーキでした。
「ありがとう! みんな!」
 クマさんは突然のサプライズに戸惑いつつも、彼らのご厚意に感謝する事にしました。
 あっという間に食べ終えたクマさんは、お礼のスピーチをしました。
「みんな! こんなぼくっ――」
 何という事でしょう。
 クマさんが口から血を吹き出し、倒れたではありませんか。
 森の動物達の笑い声が聞こえてきました。
「散々僕らをイジメてきた罰だ!」
 リスはそう言って、トドメの一撃として、人間の狩猟会に連絡しました。
 その間、彼らは痙攣しているクマの周りを手を繋いで回りながらハッピバースデーを歌っていました。
 猟銃を持った人間達が現れると、森の動物達は散り散りになって姿を消しました。
 瀕死状態のクマさんはなす術無く、熊鍋にされてしまいました。

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