【お題:蒸し返しダンサーに】面倒くさい先輩ダンサー
「いいか、あの時はボックスステップを沢山踏んでだな。腕を高く振り上げて踊るべきだったんだ。
爪先を下に向けたから優勝できなかったんだ……」
こんな感じで、有名なダンス大会で俺が惜しくも優勝を逃してしまった原因をネチネチと語ってくるダンサーがいた。
俺は4杯目のウーロン茶をチビリチビリと飲みながら聞いていた。
この説教、今日で一ヶ月目になる。
もうすでに次の大会に向けてトレーニングしているのに、未だに掘り起こして説教してくる。
いい加減うんざりしてきたので、蒸し返しダンサーに縁を切ろうと持ちかけたら、突然泣き喚いてしまった。
涙でクシャクシャになった顔で言うには、俺以外のダンス好きな友達がいないので、もし絶縁してしまったら天涯孤独の身になってしまうとの事。
俺は何だか可哀想になってきたので、仕方なく友人関係を継続する事にした。
それから三年くらい説教された。
本当に何なんだ、こいつは。
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