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人生の分岐、トゥルーエンド

 分岐点はたくさんあった。今思い返しても、それは明白。私が今こうしてインターネット日記マンになるまでに、選択肢は何度も目の前に現れた。

 高校生のとき、割とぼっちになった。意外と人は気が優しかったりもするので、私のような者にも話しかけてくれる人はいた。ただ激烈にズレていた私は、コミュニケーションをミスりまくって、ほんのり孤立していた。そんな時期がある。

 中学まではある程度の友人関係を築いていたはずで、オタク仲間はもちろんその頃ってイケてるイケてないみたいな線引きが薄かった気がする。高校に入った瞬間なんか突然線が引かれて、根暗の変な奴(しかも当時朝起きられず定時の登校もままならないから病気な奴)みたいな分類がされた。被害妄想乙かもしれない。そうやって勝手に他人に壁を感じてしまったのも、分岐点である。

 暗さに拍車がかかった結果、“学校”というもの自体嫌うようになってしまった。高校三年生夏の進路相談という、普通ある程度射程が絞られていて進路確定に進んでいく作業みたいな時期に「進学もしたくないし就職もできません。卒業だけしてはいけないのですか?」というカスの進路相談をする。なんかダメだったらしく、美術大学への進学を勧められる。担任はこんなカスのことまでよく見てくれていたみたいで、誰もいない教室でこっそりサブの黒板に絵を描いていたことも知られていた。じゃあそうします、と意思のない決定。初めてのデッサン。画塾。

 大学入学ルート突入である。ニートの場合もあったかと思うと、相対的に全能感に駆られる。学生会とか軽音楽部とかに入って、箱庭でのハッピーキャンパスライフを満喫。怠惰、留年。
▶︎飲み過ぎて欠席
 自制心をもって出席
分岐がズレる。

 4年生当時謎の逆張りを発動させ、みんなが髪と衣服を真っ黒に染める頃、金髪で顔面ピアスになり、それがおもろいと思ってやっていたら、就活するタイミングを失う。
▶︎逆張り
 就活

分岐がズレる。

 内定どころか一社も応募経験がないまま、うっかり卒業をしてしまう。
▶︎もう終わり。現実逃避
 今からでも遅くない!就活

分岐がズレる。


 一体私は、どこで道を……?

 普通にずっと間違えてるな……。

 しかし、タイトルにもある「トゥルーエンド」、これがミソなのだ。真実に辿り着く。きっと進級も就職も波に乗ることができたら、高校時代周りの反応を見て上手く青春を送ることが出来たら。それはきっとハッピーエンドかもしれないけれど、自分がこんなに文章が好きだったこと、音楽が好きだったこと、どんな人間が好きで、何を観て涙するのか。そこには辿り着けなかっただろうなと思う。幸せな人生を順風満帆に送る人がトゥルーエンドではないということではなく、そんな中で本当に自分の大切なものを見つける人はもちろんちゃんとたくさんいると思う。ただ、自分にとっては暗闇で歯を食いしばり光るものを探すことが“真実”だったのだ。

 高校時代ぼっちで同窓会の連絡ももらっていない自分、怠惰で留年してやさぐれた自分、現在定職にも就かず実家で猫を揉む自分。全部抱きしめちゃおう。人生の分岐はまだまだ続くけれど、自分が死ぬ時、シワシワになれるかもまだわからない最期、真実を生きたと思えるように。少しの歌と、周りへの愛と、インターネット日記マンをしばらくは続けていきます。


to be continued……

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