夢は見せらんないよ
アイドル。定義はかなり曖昧だが、私は今その中に属している。アイドルとは、歌って踊れればアイドルなのか?はたまた、キラキラ輝いて、あなたに夢を見せることが出来たら?身も蓋もないことを言うなら、自称してしまえば誰でも?
時々、そんなことを考える。“アイドル”の性質上、暗黙のルールや義理が横行しやすい存在であるからともいえる。そもそもこんなギリギリの部分をわざわざ文章に著して弄ることも、暗黙の了解的には若干タブーなのかもしれない。
どうしても、1人のくだらない人間として見てほしいという欲求がある。手の届かない存在でも底の知れない存在でもなく、ただの地に足をつけた人間として。それはそんなに悪いことじゃない。自身の中でのイメージの偏りもあるかもしれないけれど、“アイドル”というと、なんとも微妙に神秘性を持つもののように感じる。実際に、その神秘性により人々の心を掴む存在となっている部分もあるだろう。そう考えると、わざわざ読み解く必要などないのかもしれない。タイトルで夢は見せらんないよ、とか言っちゃったよ。まずいな。
自問自答はさておき、何故このような文章を書こうと思い立ったか。
最近noteが停滞気味で、文章を書いては途中でやめていた。“アイドル”という立場上、売れるか売れないか、人間としての自分を開示することはボロを出すことにならないか。そのようなことばかりを考えていたから。
しかしながら、再三申し上げているように、自分は最初から夢を見せられるような言動はしていない。職なしの金なし、喫煙者で散らかし魔。正直失うものがあまりにも無い。音楽が好きで、一つの形としてアイドルのステージに立ち、その実あまりにも人間臭い。所謂正統派の方からしてみると迷惑な存在かもしれない。
ただ、自分は夢とか疑似恋愛は見せられないかもしれないけれど、あなたの今をちょっとでも楽しくさせること、自分や自分たちにしか歌えない歌を届けることには必死だ。私だけを見てとか言わない。私もあなただけを見るとかは出来ないしね、実際。
冷たくしているんじゃなく、フラットでいたい。楽しく気分よくなりに来て、またそれを味わいたくなったら現場に来てね。地道かもしれないけれど、1人ずつでもそういう方々が増えていけば、最高に楽しい場所が作れるじゃない。無理して来んな。でも記念とか大事な時には多少頑張って応援に駆けつけてほしいななんて。売れたいけれど、人情は失いたくないよ。俺とお前の仲じゃないか。
なんかライブのお誘いする時とか、来れたらでいいよ!とか言ったり、予定合わずお断りされた時、そりゃ〜しょうがないね!と言ったりしてしまうのが良いことなのか悪いことなのかわからなくなって、こんな文章を書いた。いや、少なくとも悪いことではないよ。みんなにも生活があるからね。私はこういう気持ちで言ってるんだよって。定期ライブも始まったので、いい感じに伝わってほしいな。
私もあなたも楽しむためにここにいるんだ。それだけは忘れないでいようね。これが私の最大のアイドル論で矜持だ。
楽しい場所で会おうね。ゆびきりげんまん。