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夜布団で思い出してうわぁってなるやつ
いっぱい考える人が好きだ。
考えすぎて何も言えなくなってしまったり、言ったこと思い出して後から苦しくなる人が。多分自分もそうだから、勝手に仲間だと思っている。
自分にある軽率な部分や怒りやすい性質を思うと酷く自己嫌悪に陥る。人は完璧ではないといっても、自分のそれはあんまりだからだ。それらが漏れてしまったときに、私の好きな考える人たちに見放されてしまうのではないかと思う。
何か堪らない気持ちになって他愛無い写真を共有する人、鑑賞後の興奮のままに本や映画についてを誰かに話したくて仕方ない人、美味しいコーヒーが淹れられて嬉しいと呟く人。我が愛しきSNSの住人たち。
あなたたちが夜、布団に入って目を瞑り、頭の中で思考や言葉が溢れて止まらなくなるとき。きっと私もそうして過ごしている。
そんな夜はパジャマの袖をグッと伸ばして、布団を肩までしっかりかけて。そしてリンゴに砂糖をたっぷりかけて、鍋でグツグツ煮込む空想をしよう。粉砂糖が飴色になって、瑞々しい白い果実がその色を吸い取ると、甘い匂いが立ち込める。ひんやりとした台所に鍋の熱気が心地よく漂う。
どうか考える人があまり辛くならず、同じような人と少しでも分かり合えますように。その辛さは優しさの痛みだ、自分じゃ考えにくいけれど、きっとそう。自身の至らなさに悶えそうなときは、それに気がついていることをまず褒める。いまを生き抜く。あとは優しい空想が癒してくれる。この祈りは自分自身の為でもある。
甘い匂い。柔らかな毛並み。温かい飲み物。優しい手。眩しい陽射し。思いを馳せると胸が小さく苦しくなるけれど、それらは確かにあるから世の中捨てたもんじゃない。
今日もまた目を閉じて、巡る幸せな日々へ。