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ソード・ワールド2.5ビルディングボックス前に集合!

はじめに・誰のための記事かしら

 こんにちは。そこらのゲーム好き・からし山まよ江です。
 この記事は、国産TRPGソードワールド2.5の初心者向けセット"ソードワールド2.5ビルディングボックス"(2021.2月発売)のレポートです。
 初回プレイの模様の簡潔な紹介ありますが、リプレイはないです。

~こんな人の役に立てたら、と書きました~

・TRPG、テーブルトークとかいう単語を聞いたことがあってちょっと興味があるけどよくわかんない方
・むかしけっこう非電源系ゲームやってたけど、なになに今どうなってんの?という方
・ふつーにTRPGを楽しんでいる人でSW2.5ビルディングボックスの様子をちょいと知りたい方

 んじゃ、いくわよ?

ボックスを買った開けてみよう

わたしは長ーくTRPGを離れていた者ですが昨今のオンラインリプレイ配信をきっかけに、娘(10代)が非電源ゲームに興味を持ち始めたので

「じゃあ初心者向けで、いずれ娘がお友達とさくっと卓を囲めそうなシステムを探すかなぁ」と思い立ち、

「初心者もこれ1セットで遊べる。遊ぶための小道具もシナリオも全部コミコミ」みたいなうたい文句につられてこのボックスを買ってみました。

 ここから画像いろいろ。写真ことごとく下手ですみません。

A4サイズのずっしり箱。ずしっ。

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 ボックスの中にはルールブックのほかに、マップやペンやサイコロまで入ってる。とにかくコレさえあればゲームができるぞというあんばい。

 自分のキャラや装備を示すシートなどなどは、イラスト付きカードになっている。

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あれやらこれやら。

「攻略本の武器防具とかアイテムがイラスト化されているページ好きなんだよなぁ~心」が満たされる楽しいアレコレ。
 絵がいっぱいなので「剣と魔法」とか言われてもピンとこないなぁ~というヤングの皆さまにもイメージがしやすいのでは? 

(わたくし『変な赤い球がついている剣や鎧ばっかり見たり描いたりしていた世代』にございます)

「とりあえず読まなきゃ」がとても薄くてえらい

 上記のようなグッズいっぱいのほかに、映画パンフレットくらいの厚さの本が3冊入っています。3冊の役割はこんな感じ。

・キャラクターブック……頭から読んでそのとおりにしていけばゲームで使うキャラ(PC)作れちゃう本。

・シナリオブック……コレを必死で読まなくても、シナリオ進行は付属のカード引いて読んでたいてい解決する。もっとシナリオに味を足したい、理解したい!時の本。とりあえず1シナリオ遊んでからツラツラ眺めてもいい。ダンジョンをタイル使って作って遊びたい、とか。

・リファレンス……読んで字のごとくリファレンス。いろんな数字がまとまっているが、初プレイ時はこれを必死に見なくてもいい。

要するに、さあゲーム始めるぞ!という時に目を通すのは映画パンフみたいな一冊だけ。

 相当らくちんですが、PCの能力種族や職業・その生い立ちや信条などいろんなことを自分(とサイコロの出目)で決めることができます。
 キャラメイクはたいていのプレイヤーが好きなので、お手軽かつ「自分でやってやったぜ感」も十分なところがいいとおもいました。

・例。うちの娘のキャラ。作成中の様子。

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こんなカード類を付属のクリアファイルに入れて、ゲーム中に使用する数値はクリアファイルの上からペンで書き込みます。

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書き込みの例。画面右のペンにちっこい黒板消しみたいな奴がついてて書いたり消したりできる。

 ちなみにキャラメイクすらめんどくさい勢にはちゃんとできあいPC(プレロールド)も用意してあるよボックスさんは!
 箱開けて5分で支度しな!
 昼に冒険おやつの時間にゃレベルが上がってるって寸法だ!

ひとりでも遊べる

 ゲームシナリオがボックスにいろいろ入っていますが、すべて一人で遊ぶこともできます。

「敵が現れた!
こっちが一人ならオオカミ〇匹、
こっちが〇人ならオオカミ△匹と戦う……」

といったような記述で、PC数に応じたバランス調整がされています。

「一緒に遊ぶ人を集めるハードル」をとりあえずスルーできる!

 初心プレイヤーにこれは大きいよねー。

 周りに一緒にゲームする友達がいなくても、オンラインセッションの環境がなくてもとにもかくにも遊べる!シナリオいっぱい!
 ゲームに慣れてからみんなで遊ぶ方法を探すといいですよね。

 とにかく! 買った今日の今日! あそべる!

とっつきのいい世界観でなんか活躍できる

 ソードワールドはわかりやすい「ゲームに出てきそうなファンタジー世界」です。(今のTRPGの潮流は現代モノらしいですが、『剣と魔法のファンタジー世界』は一定の認知度はあります……よね?)
 舞台はエルフとかドワーフとかおなじみの奴もいるけど、モフモフとか人造人間とか今のマンガゲーム界隈で需要ありそうな種族もいる世界。
 ついでに言うと、フツーにプレイしてればPCはそんなにすぐ死なない系世界です。冒険して活躍してぼくのキャラクターがすくすく成長・強くなる感じの手触り。

 初心のプレイヤーが気持ちよく
「わたしのPCは今回のシナリオで大活躍! そしてレベルが上がっちゃった!」と終われるのは、いつでも嬉しいことだと思われます。わたしもウン10年ぶりにPCのレベルアップ処理したけど楽しかったもん。

ゲーム進行役(GM)いなくてもへーきへーき
シナリオ作れなくてもへーきへーき

 ふつう、TRPGはプレイヤーの他にゲームの進行役が必要ですわね。

 ゲームマスター(GM)とかゲームキーパー(KP……なんでGKじゃないの?サッカー選手に蹴られちゃうから?)と言われる役目の人。
彼らは

……ルールを理解して、
……当日遊ぶシナリオを用意して、
……プレイヤーたちがやりたがる行為をルールでジャッジしたり、
……敵役を担当したり、
……シナリオが解決できるようヒントで誘導したり……

そういうもんです。大変ねー。

初心者同士の集まりだと「ねぇ誰がGMすんの?」という関門があります。

が、そんなお悩みにYes! ビルディングボックス……!

シナリオ進行はカード引きゃいいんだカードを!


「シナリオは用意されている」ことは先に書きましたが、加えて

・「シナリオ中に起こりそうな小イベント」はカード化されていて、
カードを引く⇒読み上げるで、イベントが進行する。
だから進行役はいなくてもいい。

・小イベントカードには

「このイベントどう対処する? 選択肢はこんな感じ」
「自分の行動を選んだら、サイコロふって出来具合を判定しようね。出目が〇なら結果は△だよ」

イベント発生から終了までのゲーム内処理が詳細に書かれている。

とにかく初めはカード大先生の言う通りにすればいいんだ!

・カードはいっぱいあるから、同じシナリオをまた遊んでもほどほどにランダム性がある。

こういうわけでGM不在でゲームができるのです。

ちなみにGM不在のプレイ時には
「プレイヤーの一人が『リーダー』になり、カードの内容を読み上げる」

「リーダーはカード1枚分のイベントが進行するごとに交代しよう」とルールブックにあり、みんなでシナリオ進行作業を分担する形が推奨されています。

コレやってみて、リーダーってけっこう面白いなーと思ったらGMやってみてもいいよね。

ゲームの様子はこんな感じ

シナリオ進行の例として、私と娘の初回プレイをちょっと紹介しますね。

初冒険PC向けシナリオ『狼退治』がサンプルです。

 ゲームのはじまり。選んだ『依頼カード』をそのまま読みあげます。
 カードを見れば、今の自分たちのレベルに見合ったシナリオかどうかもわかるようになっています。

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依頼カード。写真が下手なうえに加工していますが。

このカードの下部をアップにした写真がこちら。

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またまた加工済みの写真。

 赤丸で囲ったところを見てください。
「依頼」「道中イベント」「ボス前イベント」「クライマックス」
とあります。これが『狼退治』のシナリオ中のできごとという訳。

 そのまんま「依頼カード」「道中イベントカード」「ボス前イベントカード」「クライマックスカード」というものがありまして、

カードを引いて。内容を読んで。プレイヤーがそのアクシデントに対応していけばシナリオが進行できちゃいます!
 (各カードの意味はなんとなーくわかるよね?)

 ちなみにもっと長いシナリオには「道中イベント」が複数回あったり、「中間戦闘カード」なるイベントカードも用意されています。『狼退治』はもっとも小さなスケールのシナリオなので、この程度のボリュームです。

 各イベントカードには「ステップ」という数字があります。

 自分たちがどのくらい強くて、連作シナリオのどのあたりまで進んでいるかの目安みたいな数字です。

※ビルディング・ボックスのシナリオはひとつの街の一連の出来事を追う連作形式ですが、シナリオ一本だけ遊ぶこともできます。

 さっきの「依頼カード」の画像をもう一回見てみましょう。カードの左上、緑で囲ったの数字がステップを示しています。

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 1-1って書いてあります。見えるかな……

 数字が小さいステップのイベントは『冒険のはじめの頃にありうる話』です。ここで起こるイベントもスケール小さめになります。

ちなみに我々の冒険のはじめての道中イベント・ボス前イベントがコレ。

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道中イベント「ライバル冒険者登場」というもの。カード画像加工済み。
 目的地まで移動していたら偶然会ったライバルにイヤミを言われるというもの。ライバルの性別や名前はサイコロでランダムに決められます。このへんはサイコロ振らず自分たちで決めてもいいんですけど。

 サイコロのお告げによって、我々のライバルは性別「その他」になりました。名前は娘が『カマセ』と命名。パッと見だと性別が分からないオカッパ坊ちゃんor声の低い長身女性みたいな感じ?(こういう所でひとしきり話がはずみますね)
 このイベント、サイコロの出目にも嫌われてしっかりライバルの魔法でケガを負いました。こっちがカマセじゃん、ねぇ……。

ボス前イベントカード「空腹」。
 画像加工無し。行動の選択肢が示されています。選択肢A・Bのどっちかを選んだらカードをひっくり返す。裏面にはそれぞれの選択肢についてどんな判定が必要か・結果どうなるかが書いてあります。

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 お腹空いたって! 幼児か!

 初冒険のスケール=はじめてのおつかいレベル!
 冒険前にはちゃんと朝ごはん食べて!
 コンビニないからお弁当も用意して!

※このイベント、再びサイコロに嫌われて娘のPCが「お腹ペコペコで泣いてしまいそう」(精神点にダメージを負う)なところ、後述の「剣の恩寵」システムを使い
「ふたりは励ましあって心の危機を乗り越えたのでした」

という展開に持っていきました。幼児→小学生くらいに持ち直した。

 ここ、わたしたち爆笑。カードの説明を読み、指示通りの判定をするだけですごくたのしかったです!

 イベントカードにはPCにとっておトクな展開や、シリアスで危険なものもたくさんあります。

 私(TRPGほぼ忘れている)も娘(TRPGガチ初心者)も、当意即妙なシナリオ展開ができる方ではないですが、プレイ後には


「あの腹ペコはさー、ライバルに小突かれた時弁当を失くしたせいかもしれないねー」

と話したりできました。

 うまいGMさんがいなくてもなんとかなるよビルディングボックス!

なりきってもいいし苦手でもへーきへーき

 TRPGは「テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム」ですので、何かとロールプレイ(役割を演じる)論なんかの花が咲く分野ではあります。

で。

 ビルディングボックスでは、

「作りこんだ設定のキャラになりきってカッコいいセリフを言いたい!」 方も

「しゃべるとか滅法苦手だけどコンシューマじゃないRPGに触れてみたいよなぁ~」という方も、

 どっちもぼちぼちシステムが支援してくれる!やったね!

 PCらしくプレイすると、1シナリオ1回だけサイコロの目にプラスできる
「剣の恩寵(おんちょう)」というシステムがあるのです。

 あーこの難しい行為、フツーでは成功しない! とか、

 もーちょっとで敵の攻撃かわせそうだったけどサイコロの目が足りないケガする! という時に「そのキャラらしく」ロールプレイすると恩寵発生。サイコロプラスのご褒美があるわけです。
(ざっくり説明です。詳しくはルールブックを見てね)

 気になる『そのキャラらしくロールプレイ』のハードルは低め。
「わたしは勇気いっぱいのキャラなので、今日は戦闘で前に出てがんばる!」レベルの宣言でokとルールブックにあります。

 気分を出しておもいっきり役を演じる派も、
「えーと。仲間が危ないようなので『あぶない』と叫びます……(小声)」
 くらいのロールプレイにしたい派もみんなえらいね、恩寵どうぞの精神でいいんじゃないかしら。

やってみたかんそう 2時間でこんだけできた

 まったくの初見から、キャラメイクして『狼退治』シナリオクリア、レベルアップ処理まで二時間でした。

ここまでのまとめになるけど

・初めに覚えなければいけないことのボリュームが少なく、
・シナリオ進行はカードが助けてくれて、
・イメージを補強するイラスト資料が豊富。

「TRPGとかいうもの」に触れる第一歩としてほんとよくできているなと思い、楽しく遊びました。
 TRPG浦島太郎のリハビリにもたいへんようございました……。

 熟練プレイヤー/GMさんも、初心者プレイヤーを巻き込むときの労力が少ないシステムとしてオススメだし、イベントカード群はゲームシナリオ作成者は一見の価値ありの質とボリュームだと思いました。
(「ナニ言ってんの、こんなの最近の常識よ?」って話だったらすみません。TRPGの今については、現在おっかけ履修中です……)

 あと細かいことだけど、キャラクターの生い立ちや信条、他のPCとの関係性が付属の表を見ながらサイコロコロコロで設定できるのも、スルッとゲーム世界に入れるようにうまーく誘導できているなぁと思いました。

「他PCとの関係性」が必ずゲーム開始時に設定されること、その初期設定にあまりこじれた設定がないことは、

「キミたちは旅の仲間~とか言われても、隣のプレイヤーと話す手がかりがなくてポツン……」

「極端にネガティヴ/猜疑心が強いPCを作ってしまったものの、コイツが仲間と協働したり、人助けの依頼を受ける理由を思いつけなくてポツン……」

 とかいう初心者あるある事故を防げる。

 しかもキャラクターメイクのためにサイコロふってるだけで隣のプレイヤーとあーだこーだ話がふくらみますものね。

「(サイコロ)私のPCはあなたのPCを『尊敬している』らしいです」

「ぼくすごいふざけたキャラなんですけど……」みたいな。

 これ、サポートする大人がいれば小学校低学年あたりでも楽しめるんじゃないかと思いました。

 もっと自由闊達にキャラクターメイキングしたい、
 特殊な状況下のルールも適用したい。よしルールブック(今は「ルルブ」と呼ぶのね)買おう……となった時も、ソード・ワールドは基本ルールブックが安価な文庫形式なので、手に取りやすいのも魅力です。

(わたしはドラゴンマガジンでアレクラスト大陸の冒険記事を読み漁っていた世代ですわ)他のシナリオ集もいっぱいでているみたいですねー。

そんなわけで楽しかったビルディングボックスですが最後に、ひとつ注意!

 ボックスの中身充実ギューギューのせいで、一度開封すると元通りに戻すの容易じゃない!
 わたしは内容物は仕分けて保存派 (中年期の人間女性は万物をジップロックに小分けにする習性をもっています) なので、ひとつの箱におさめるのは諦めました!

 それぞれの箱に「この箱に入ってるもの一覧メモ」も一緒に封入する知恵!家は片付けない!ゲームの小物はきちんと整理! レッツジップロック! ゴートゥお菓子の缶!

 それじゃあゲームだいすきな皆さん!

 ハブアナイスゲーム・バイバーイ!

おまけ・ちゅうがくせいファンタジー事情

 ローティーンの娘はマンガもゲームも大好きですが

「あなたの触れたもので冒険ファンタジーってどんなイメージ?」と聞くと

「しいていえばポケモンとかブレワイ(ゼルダ)?
ママがやってたから、私はドラクエとかファンタジーライフとかのムードはわかるけど他の子はどうだろう。
でも、なろう系ファンタジーとかでなんとなくムードは伝わるんじゃない?」

とのことでした。なるほどー……

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