私の英語多読遍歴66:Anne of Ingleside
またもや赤毛のアンシリーズです。一気に読むと疲れるので間にいろいろ挟みながらすこしずつ読んでいます。
11歳のおてんば少女だったアンもなんともう30代。親友ダイアナと若かった頃を懐かしんだり、子供たちの世話に奔走したり。Inglesideというのは家のある場所。シリーズは基本的にアンの住んでいる場所がタイトルに入っていることが多いですね。
両親を早くに亡くして引き取られた先や孤児院で辛い思いをしたアンはきっと暖かい家庭に憧れていたんだろうなと思います。本当に理想的な幸せそうな家を作り上げて、優しくて理解のある母親になりました。
そろそろ娘を見る感覚から自分のことに重ねてみる感じになってきたのですが、それにしてもいいとこの奥様になってます。家には住み込みのお手伝いさんがいて、料理や洗濯、掃除などは全部やってくれる。子供たちはいたずらはするけれど基本的に純粋でいい子。激務で夜中に帰ってくることもある夫の世話はこれもお手伝いさんがやってくれるし、アンの仕事は庭の手入れと社交と子供たちの精神的ケアくらい。
と、ここまで聞くと幸せそうでなによりですねっと思うのですが、そうは問屋が卸さない。子育て世代ならではの喜びと悩みが詰まっています。
「家族がいなくなって一人になってさみしい」としばらく泊めてくれとやってきた夫の叔母。しばらく…のはずが一向に帰る様子がなく、またこの叔母、大変に毒のあるタイプ。いちいち一言多く、すぐに機嫌を損ねるため家族中がその言動にビクビクしているにもかかわらず、激務の夫はそんなことには気づかない…さすがのアンもストレスでどうにかなりそうになります。
子供たちは子供たちで、嘘ばかりつく子にうっかり心酔して傷つけられたり、自分はいらない子なんだと思って泣いたり、悪ガキにいじめられたり。箱入りで育てられている子供たちなのでわりといけすかない印象を周囲に与えているらしいw
また、狭い社会なのでみんなどこかでつながっていて、なんでもかんでもすぐうわさになる。あることないことないことないこと勝手に流されたりしているようです。子供たちの間でも同じように大人のうわさが一人歩きして、地元でも目立つ一家であるアンの家は何かと言われることも多く、美しい風景描写に反してなかなかに毒があるなあと思いました。
話はアンの話そのものよりもその子供にフォーカスを当てた話だったり、1章まるごと奥様方の集まりのゴシップ話だったりでした。結婚して15年、倦怠期を感じるところとか、いつの時代も人間なんてそんな変わりないんだなと変な親近感をおぼえる場面もあり…
30代、子育てに家事に忙しい年代ですね。(家事やってないけど)
勉学に燃え、結婚なんてしないわと言っていた頃が懐かしい。
成長著しい子供たちの寝顔を見ながら「あと何年こうやって子供たちが子供でいてくれるだろう」と物思いにふけるアン。わかるわかると頷きながら読みました。
しかし、アンのように成績優秀で大学まで出ても結局専業主婦になるしかないんですね。時代とはいえ、もったいない気もします。
なんだかんだ、相変わらず難しい語彙が使われているので辞書なしではしんどいです。でも逆に「どこで使うねんこれ」な単語が使われているのを発見して感動したりもしました。
次は40代か…いよいよ同年代に突入します。といっても時代的にはもっと先のイメージかな。このあとはなんだろう。子供の独立、親の介護とか…?にぎやかな子育て期の後にアンがどんな新たな幸せを見つけるのか、それを楽しみにまた続きを読みたいと思います。
以上、「Anne of Ingleside」でした。
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