絵を描いているときの心境は、子どもの頃のごっこ遊びに近い
「子どもの頃、絵を描いていたように、ひたすら手を動かして夢中になりたい)
そう思って、絵を描きたくなることがあったりしますよね。
僕も、思い出したかのように「無心になりたい欲」から、「テクスチャーアート体験」に参加してみました。
服を絵の具で汚しても気にすることなく、描きまくのはとっても楽しいです。
しかし、当初の目的「無心になる」ことは一度もありませんでした。
意外でした。
絵を描いている最中、無心になるどころか、ずっと「あーだ、こーだ」が頭の中を駆けめぐっていたのです。
「ここに青色があると、イメージに近そうだ」
「うーん、なんかちょっと違うな~」
「もうちょい、白っぽい青色の方が近いかも。こっちならどうだろう?」
まるで一人二役で、頭の中で会話が続きます。
絵を描き終えてから数日して、ふと思い出しました。
子どもの頃に、一人二役でやっていた「ごっこ遊び」です。
この記事は、「絵を描いているときに無心にならず、頭の中でずっと会話がなりやまないタイプ」について。
その心境を、「ごっこ遊び」と重ねてお伝えします。
キンケシを使って、一人二役の空想バトルごっこ
子供の頃、キンケシ(キン肉マン消しゴム)が流行っていて、僕は1人でよく遊んでいました。
左手にキン肉マンを持ち、右手にバッファローマンを持つ。
左手:「くらえ、キン肉バスター!」
右手:「フハハ、その技は私には通用せんぞ」
左手:「なに?!これならどうだ~」
右手:「グッ、この技は?うわー」
それぞれを動かしながら台詞も言う、一人二役の空想バトルごっこです。
空想のようで空想ではないストーリー
空想バトルのストーリーは、前半にキン肉マンがピンチになり、後半で逆転勝ちするパターンばかりだったと思います。
当時は、「独自に作ったストーリーを楽しんでいる」のかと思っていました。
しかし、大人になってから思うに、「忘れかけていたストーリーを再現していた」のだと思います。
テレビや漫画で知った、他のアニメのストーリーもごちゃまぜで。
おそらく、ストーリーを再現しながら記憶を思い出し、「脳を整理していた」のかもしれません。
そのように感じた理由は、次のような脳の働きを思い出したからです。
情報が欠けていても、脳が過去の記憶から情報を補ってくれる
人は欠けている情報があっても、脳が自動で、過去の記憶から全体を補ってくれます。
「パターン補完」と呼ばれている海馬が持つ機能です。
たとえば、次のような、情報が不足している絵を見たとします。
脳は記憶から、これが「ドラえもんである」と自動で判断してくれます。
同じように、忘れかけていたストーリーを脳が補っている。
そして、脳が補ってくれているうちに、欠けていた情報を再現していく。
キンケシを手で動かし、台詞を声に出しながら。
それでは、絵を描いているときの心境とあわせてみます。
絵を描きながら、頭の中では「ごっこ遊び」と同じ会話をしていた
今回、絵を描く時に、過去の記憶の断片からなのか?
全体の完成イメージが頭の中に浮かんでいました。
その完成イメージをたどりながら、絵を描いたときの独り言と、ごっこ遊びの台詞を重ねると、こうなりました。
「ここに青色があると、イメージに近そうだ」と、頭の中でつぶやき、試しに色を加えてみる。
→「くらえ、キン肉バスター!」
そして、実際に色を加えたけど「うーん、なんかちょっと違うな~」と、しっくりこないことも。
→「フハハ、その技は私には通用せんぞ」
「もうちょい、白っぽい青色の方が近いかも。こっちならどうだろう?」と、再び色を加える。
→「なに?!これならどうだ~」
「お!いい感じ!」完成イメージに近づいた。
→「グッ、この技は?うわー」
こうして僕は、絵を描く当初の目的「無心になる」ことは一度もありませんでした。
あなたの場合は、絵を描く時にどんなことを考えていますか?
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございます。