《クエストクリアものがたり》
あるところに紀の国という国がありました。
紀の国の王様は、キノ王。
紀の国には、9つの村があります。
キノ王が、小さいころは、よく村の住人たちと遊んだものでした。
なので、大きくなってからも、村人とは、とても仲良しでした。
キノ王は、旅をするのが大好き。
王になる前は、見聞を広めるため、世界各国をまわっていました。
王様になってからも、それは続き、一年のほとんどを、ほかの国を旅してまわっていたのでした。
あるとき、長い旅から帰った戻ったキノ王は、
自分の国の村人たちの様子がおかしいことに気づきました。
でも、それがなぜなのか、わかりません。
王様は、村人たちが、
「この国はとても豊かな国なのに、なぜ、幸せを感じていないのだろうか?」
と、ふしぎに思いました。
「彼らを幸せにするためには、どうしたらいいのだろう。」
家来たちにもたずねましたが、彼らにもわかりません。
実は、キノ王が、旅ばかりしている間に、
9つある村の支配欲の強い権力者たちが、
王様の留守の間にこの国をうばってしまおうと考えたのです。
9つの村の権力者たちは、村人たちを自分の思惑通りにするために、その村のボスとして、君臨しはじめたのです。
そして、容赦なく村人たちを管理しはじめました。
権力者であるボスに逆らった者は、罰が与えられるために、村人たちは逆らうことができません。
ボスたちに逆らえない村人たちは、
感情を失う者、不安やおそれにくるしむ者、がんばりすぎて体をこわす者、
不幸だとなげく者などで、溢れかえっていました。
9つの村がそんな状態なのに、キノ王は自分の目の前に広がる悲惨な光景に目を奪われ、翻弄されて、どうしたらよいのかわかりません。
それどころか、王様が「こんな国にしたい」と思い描いていることが、ひとつも叶わないのです。
キノ王は、となりの国の王様に、「私の国を助けてください」と助けを求めて歩きます。
色んな国の王様にお願いし、アドバイスをもらい、少しはよくなるものの、また元に戻ってしまうのです。
「どうしたらいいんだ」と、頭を抱えた王様に、ある国の王様が、
「まずは、自分の国に戻りなさい」
「戻って村人たちと話をするのです。」
といいました。
そして、そのアドバイスを受けてたどり着いた答えが、「わたしが村を、改めて整える」ということ。
このとき、初めて、キノ王は自分の村の村人たちと向き合おうと決めたのです。
それには、まず、ボスたちと話し合う事。
しかし、権力者の支配欲がつよく、話し合いではどうにもなりません。
これは、「倒すしかない!」と、王様は腹をくくりました。
そこで、キノ王は、家来の中で一番つよい者を呼びました。
その者に「勇者」と名づけ、
「勇者よ、9人のボスを倒してきて欲しい」と頼みました。
勇者は、
「王様のためとあらば」とこころよく引き受けてくれました。
そうして、勇者は、村をまわる旅に出たのです。
各村をまわり、次々とボスを倒しました。
9つの村の番人であるボスを倒し、「真の勇者」となり、この功績をみとめられ、王様とともに国を守る役目を与えられました。
そして、面白いことに、実はボスたちは「ベキネバ」という魔術にかけられていたのです。
勇者の剣が、その魔術をといたのでした。
そして、ボスたちも、心を入れ替え、勇者とともに王様に仕える約束をしたのです。
元ボスたちの変わりように、最初はとまどった村人たちも、自分たちが解放されたことをよろこびました。
そして、自由に感情を表現するようになり、夢や希望、この村に対する純粋な気持ちを口にするようになりました。
王様は自分の作りたい理想の国や、この国の在り方を掲げ、
勇者たちの助けをうけながら、自分の国の村人たちと話し合うことで、
「必要なもの」「必要でないもの」をわけ、手放し、村人たちのほんとうの想いを拾いあげていく。
そうやっていくうちに、村人たちが、思い思いに、自分を表現できるようになってきて、紀の国は以前のような活気を取り戻したのでした。
おしまい。
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これは、「Kanaiでクエストクリア」という感情解放ワークの裏ストーリーです。
楽しくワークをしていただくために、このワークのイメージをお伝えしたくて、作ってみました。
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