ロー入試体験記(追記)&東大ロー体験記


1.はじめに

2020年年末に私がnoteに記事を2本投稿して、それから約3年経過し、その間にローに入学し、卒業し、司法試験に合格することができました。当時はロー入試についてもっと書こうという気持ちがあり、総論のみならず各論を更新すると記事の中で明言していたのですが、それが果たせず申し訳ないです。この3年の間に私をフォローしてくださった皆様、本当にありがとうございました。
ロー入試はもう3年も前でほぼ何も覚えていないですし、3年も前で参考にならない部分もあるかと思いますので、前の記事に付け加えておけば良かったことと、実際にロースクールに行って思ったことをこの記事では書こうと思います。
(自分が既修で入学しているため、以下ローの既修を前提に書きますので、ご了承ください)

2.GPAについて

今年の東大ロー入試の第1次段階選抜が話題になっていたのをみて、ロー入試について語るのであればGPAについて書いておかなければならないのでは?と考えこの章を設けました。

出願時の学部成績申告欄には、
①慶應義塾大学法学部 S72単位・A40単位・B6単位・C2単位
②交換留学先     A28単位・B8単位・C0単位・D0単位
とあります。
交換留学先の単位は慶應義塾大学の卒業単位としては反映されているのですが、成績評価は可・不可としてしか反映されないため、②のように書きました。
慶應法法卒業時の学業成績証明書に印字されているGPAは3.52でした。

私がこのようなGPAを獲得することができたのは、第二外国語が全てSだったことや、学部1年と2年の前期に土曜に開講されている法学演習(いわゆる三田演)を取っていたことが大きいです。
私が演習を取ったのは、三田は日吉に比べたら家が近く、当時バイトもしていなかったので土曜日はとてつもなく暇だなという考えからでした。法学演習を一緒に取っていた周りはほぼ全員伊藤塾に通っていましたが、私は学部1年の時は伊藤塾に申し込んでいませんでした。しかし、演習は期末試験もレポートもありませんでしたし、授業で当てられた時に不安そうに答え(しかも間違っている)を言うだけでSをもらえて、後から振り返れば大変コスパの良い授業でした。

ですが、正直言って、学部1年の時からロー入試のGPAを意識して授業を取ろうとするのは無理な話だと思いますし、私は単純に良い成績を取ることが好きだっただけなのです。また、東大ローの授業は他のロースクールに比べて受験指導と言う側面はほとんどないと感じたので、東大ローに行くこと自体が司法試験合格への近道なのかは疑問ではあります。個人的には、司法試験に合格することこそが勉強の最終目標で、ロー入試はあくまで通過点でしかないと考えています。そのため、GPAの関係で東大ロー入試の第1次段階選抜で落ちてしまったとしても他のロースクールでより丁寧な受験指導を受けた方が司法試験に合格する可能性がありますので、もし落ちてしまっても落ち込みすぎず司法試験に向かって頑張ってください!!!

3.ローに入学してみて思ったこと

東大ロー入試の成績

私は東大ローに既修に入学しました。
参考までに合格時の筆記試験の得点を下記に添付しておきます。

令和3年度入学者選抜時の結果(2020年実施)

その年の問題によって合格に必要な得点は上下しますので、あくまで2020年実施の入試ではこの点数で受かったという参考にしてください。

授業について

司法試験に出題される7法に関する大半の授業は、基礎的なことを教えてくださっていた印象です(難解で予習にとっても時間がかかる授業も存在しました)。ただ、前述したように、受験指導という側面はほとんどなく、個人が予習復習を丁寧に行なっていることを前提として授業が進んでいました。「いやいや、令和5年司法試験を受験した令和4年度修了生の合格率は88.7%じゃないか、ロースクールの丁寧な指導のおかげだろう」と思う方もいるかもしれませんが、みなさん自主ゼミを組むなど工夫して勉強していたため、その成果だと思います。また、期末試験の他にレポートもそれなりにあり割と負担でした。

私個人としては、既修3年時に履修可能な司法試験に関係ない科目を履修することがローに入学して一番楽しかったです。法医学や実務家教員による実務に関する授業など、司法試験に直接関係ないことを学べることがローに入学する魅力の一つなのではないかと考えています。そのため、既修3年の7月に司法試験を受験することができる在学中受験制度は、秋学期に司法試験を考えず好きな科目を履修できるので、ロー卒業が必要だった私から見れば羨ましいと思います(もちろんローの授業と両立しながら司法試験を受験しなければならないのは想像を絶するほど大変だと思います)。今後ロー経由で司法試験を受験される方は、ロー入試後も同じ熱量で勉強を続け、在学中受験を利用して司法試験を受験し、最後の学期にローの醍醐味である7法以外の授業を履修なさることをお勧めします!!!

また、各法分野の著名な先生方に教わることができたことも東大ローに入学して良かったことです。自分の持っている教科書の著者がどのように喋り、どのような理論付けを行なっているのかを見ることができたことは、とても刺激的でした。

4.最後に

ここまでお読みいただきありがとうございました。
ロースクールに行って個人的に一番良かったことは、今後一生付き合っていくであろう友人をたくさん得られたことです。司法試験を目指す苦労をよく理解してくれる友人がたくさんいたことは、メンタルがかなり弱い自分が司法試験を受け切ることができた大きな原動力でした。
予備試験もロー入試も司法試験合格までの通過点にすぎません。
たとえ予備試験に落ちようとも、ロー入試で希望するロースクールへの合格が叶わなかったとしても、司法試験を受けると決めた方々は最終日の短答式試験が終わるまではとにかく受け切ることを目標にしてください。
皆さんの幸運を祈っております!!!

マヨ





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