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話題の「DX銘柄」って? 申請者が知っておきたいポイント

こんにちは! アステリア株式会社 にてエバンジェリストとして活動している松浦 @maymat1015 です。

今年6月、私が所属するアステリア株式会社が経済産業省と東京証券取引所が選定する「DX銘柄2021」の「デジタルxコロナ対策企業」に選定されました!

デジタル技術を前提としたビジネスモデル・経営変革に取り組む上場企業を選定する ”DX銘柄” 2021(主催:経産省、東証) アステリア が デジタル×コロナ対策企業 レジリエンス部門 に選定! https://www.asteria.com/jp/news/press/2021/06/08_01.php

前回のnoteでは「DX認定とDX銘柄の違い」や申請メリットを解説しましたが、今回は「DX銘柄」について、実際に申請などを担当した私が、事前に知っておきたかったことや申請で苦労したポイントなどを紹介します。

DX銘柄2021は「10社に1社」の狭き門!

そもそもこうした認定の目的は、優れたデジタル活用を行っている企業を選定することで、企業モデルの波及や経営者のIT利活用に対する意識変革を促すこと。

今年発表された「DX銘柄2021」選定企業のうち、特に優れた取り組みとして選定される「DXグランプリ2021」には、株式会社日立製作所とSREホールディングス株式会社が選定されました。

このほか「DX銘柄2021」、「DX注目企業2021」、そして2021年から開設された「コロナ対応部門選定企業」の3カテゴリで、全59社が選定されました。

全体の回答数:464社のうち…

DX銘柄2021… 28社(回答企業の6.0%)
DX注目企業2021… 20社(回答企業の4.3%)
コロナ対応部門選定企業(デジタルxコロナ対策企業) … 11社 (回答企業の2.4%)

参照:https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210607003/20210607003.html

「DX銘柄2021」は、どんな企業・団体でも気軽に申請できる「DX認定」とは違って、国内上場企業である約3,700社を対象としたもの。つまり、このうち、464社の回答企業の中でDX銘柄・DX注目企業として選定された企業は、たった10.3%にすぎず、コロナ対応部門選定企業も含めても、全申請企業の中の12.7%しか、選定されていないのです。

国内上場企業(一部、二部、マザーズ、JASDAQ)約3,700社を対象とした調査なので、未申請の企業も含めると、全上場企業の中の約1.5%しか選定されないということになります。

正しく申請し、基準を満たせば認定される「DX認定」と競べると、ハードルは非常に高いものだということがわかります。

DX銘柄って、どうやって選定されるの?

肝心の選定方法ですが、2021年度の「DX調査2021」は、アンケート形式で実施されました。調査の対象となる上場企業には、2020年11月中旬に回答専用サイトへのログイン用のIDとパスワードが経済産業省から郵送で届き、2021年1月13日の期日までに専用サイトから調査内容に回答するという手順です。

こちらのアンケートの回答内容をもとに、企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が出ている企業が「DX銘柄」として選定されます。そして、さらにその中でも ”業種の枠を超えてデジタル時代を先導する企業” として「DXグランプリ」が決定します。

なお、「DX銘柄」に選定されなかった企業の中でも、注目すべき取り組みを実施し、特色ある活動をしている企業については「DX注目企業」として選定しています。そしてさらに、2021年度は、特に新型コロナウイルス感染症に対する優れた取り組みを行った企業を「コロナ対応部門(デジタルxコロナ対策企業)」として選定していました。

「DX調査2021」設問の構成、気をつける点は?

DX銘柄で調査される内容は大きく分けて2つのパートがあり、「企業価値貢献」と「DX実現能力」に関しては記述式の回答が必要です。

・選択および記述の設問
Ⅰ.   経営ビジョン・ビジネスモデル
Ⅱ.   戦略
Ⅱ-①. 戦略実現のための組織・制度等
Ⅱ-②. 戦略実現のためのデジタル技術の活用・情報システム
Ⅲ.   成果と重要な成果指標の共有
Ⅳ.   ガバナンス

・記述回答が必要な設問
1.企業価値貢献
2.DX実現能力
3.新型コロナウイルス感染症対策の取り組み

参照:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/keiei_meigara/dxchosa2021setumon.pdf

そして、これらのアンケートの回答内容を含め、

①アンケート調査回答・ROEのスコアが一定基準以上であること
②評価委員会において、取組みについて高い評価を得たこと
③重大な法令違反等がないこと

という3つの基準で審査されています。

実際に回答や申請を担当した私からのアドバイスは、まめに経営層と調整をしながら早めに申請資料の作成に着手すること! かなりボリュームのある調査であると同時に、経営層だけに限らず、経営企画、システム部門、事業部門など、社内の様々な分野の関係者に、事実や計画を確認する必要があります。

社内ヒアリングや対策のためのミーティングが必要となるケースが多い上に、集めた情報を整理して、記述式の回答を作成する必要も。

さらに、今年からは「DX銘柄」に指定されるためには、この回答に加えて「DX認定制度」への申請が前提条件として追加されました。つまり「DX認定制度」への申請書類も別途作成する必要があるのです。また経済産業省の情報では、次の「DX銘柄2022」では、DX認定を取得していることが要件となる予定とのこと。未取得の企業は「DX認定」は早めに申請・取得しておくのが良いでしょう。


DX認定について詳しくはこちらのnoteもチェックしてみてくださいね!

DX銘柄 まとめ

国内では「DXに全く取り組んでいないか、一部のみの実施」にとどまる企業が95%以上を占めると言われる今、DX銘柄への選定は、先進的なDX推進を行っている上場企業として、将来性・成長性・信頼性をアピールすることに直結します。

選定へのハードルは決して低くはないですが、さまざまな規模や業種の企業が選定されていることからも、DX銘柄への選定にチャレンジしない手はありません。まずは、前回も紹介した「DX銘柄2021」選定企業レポート(PDF)で、今年の選定企業の取り組みを研究してみるのはいかがでしょうか。

きっと自社のDX推進に役立つ事例が見つかるでしょう。



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