Work or Die
もう10数年前のこと。
就活中の私は悩んでいた。
「やりたいこととかねーんだけど」
とにかく自己分析しろとうるさく言われたあの頃、すればするほど「働きたくない」に収束してしまって困っていた。
なぜ働かなきゃいけないんだ……
リクルートスーツに身を包みながら21歳の私は悩んでいた。
そんな時にふと高校時代の進路指導の先生の言葉を思い出した。
今の若者はなぜ働くのか、働く意味、意義に悩んでいるが、私の父はこう言っていた
「なんのために働くって、生きるために決まってるだろう」
人生それくらいシンプルでいいものですよ
当時の先生のお父さんの世代なので、恐らく自分の親よりも上、恐らく祖父母くらいの世代の方だろうか、仕事がなく飢える時代を生き抜いた人なのかなと思うと、説得力がある。
そうだ、私は生きるために働かないと、就職しなかったら死ぬしかないんだ…死にたくないから働こう……!!
その思いだけで就活に励んだ21歳の私。
なんとか一社から縁あって内定をいただき、同期の中でも
「まさかアイツが…??!」
と思われる速さで就活を終えたのでした。
今思えば、別に実家は都内だしバイトでもなんでも選ばなきゃ仕事はたくさんあるのだから、別に就活失敗しても死なないよ…と思うのだけど、その頃はなぜだか先生の言葉に背中を押され、謎の生への執着が今の私を作り上げましたとさ。
後に同期に
「(院進せずに)何故就職したのか」
と聞かれて
「生きるためには働かなきゃと思ったから」
と正直に言ったら
「お前だけジャングルで生きてんのかよ」
とドン引きされました。
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