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吉田都 永遠のプリンシパル

2019年1月に現役を引退した、日本を代表する世界の一流バレエダンサー吉田都さんが同年8月に初版された「吉田都 永遠のプリンシパル」を読みました

都さんは私の大好きな英国ロイヤル・バレエ団でプリンシパルを勤めた方

そんなあまりにも有名なバレエダンサーである吉田都さん著のこの本を、恥ずかしながら2024年の本日まで目を通すことがなく、たまたま図書館で見つけ手に取った途端たくさんの美しい写真と、バレエについて濃密に語られている内容に魅了され一気読みしてしまった

都さんが新国立劇場舞踊部門の芸術監督に就任する前に書かれているので、その役目への熱い思いや、現役時代にどんなことを思いながら作品に望んでいたのか、ダンサーや振付師の方からのメッセージなどが書かれている

特に興味深いのは「わたしの愛するレパートリー15」と題された章で、ロミオとジュリエット、くるみ割り人形、白鳥の湖など15の作品ひとつひとつに当時の思い出や、役づくりに向けた想いや考え方、音の取り方にまで及んで細かく綴られていて、作品の新しい面を知ることができ大変勉強になった

現役時代の都さんのバレエを生で見ることができなかったことをつくづく悔しく思うばかり


また、この本で印象的だったのは、フレデリック・アシュトンが求めたスタイルをどこよりも理解し受け継いでいるはずの英国ロイヤル・バレエ団のダンサーたちでさえ、現在はアシュトンの求める「上半身を豊かに使う」ということができていないことに気づいた、と述べられていたこと

素人目にはまったくわからない、とにかく新しい気づきだった

そして、意識しなければ「あるべき体の使い方」は失われてしまうので、守られるべきスタイルをダンサーたちに引き継ぐために尽力したいとも都さんは述べていた

また、新国立劇場舞踊部門の芸術監督になるからにはバレエのジャパンスタイルを確立させたいとも書かれていて、芸術を引き継ぎながら新しいことに挑もうとされている姿に心打たれた

2025年7月に新国立劇場バレエ団を引き連れ、英国ロイヤルオペラハウスでジゼルを上演することが決まっているけれど、まさに都さんが成し得ようとしていることがこの公演なのではと考えるととても胸が熱くなり、そんな思いを乗せたジゼルをできることならロンドンで見たいと私の夢も広がり、この素晴らしい本を読み終えた


▪️「ジゼル」ロンドン公演

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