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イギリスのヤバすぎる保育園事情。

こんにちは、イギリスで子育てに奮闘しているこおるかもです。
今日はイギリスのヤバすぎる保育園(ナーサリー)事情を暴露していきます。

我が家にはいま1歳半の絶賛イヤイヤ期に突入した可愛い可愛い娘がいるのですが、あまりにも可愛すぎて妻もぼくも大変疲弊しているので、保育園にいれることにしました。

そしてついに、この9月から保育園に通えることになったのですが、実はここまでの道のりがあまりにも険しすぎたので報告します。

高すぎる!足りなさすぎる!移民に厳しすぎる!イギリスの保育園事情。


生まれる前から申し込みするのが当たり前!

イギリスでは全国的にナーサリー不足となっているようで、なんと子供が生まれる前からナーサリーに申し込み、ウェイティングリストに載せて置くのが一般的だそうです。

実は、妻が妊娠中に日本人コミュニティでそういう話を聞いたことはあったのですが、「いやぁ、さすがに冗談っしょ」と軽く受け流してしまっていたのですが、これはマジでした。

まぁ全員が全員そうではないみたいですが、出産後すぐに職場復帰したい場合などは、生まれてからでは超絶遅いです。

ぼくの地域では、ウェイティングリストに載ってから席が確保されるまで1年かかるのは当たり前だと言われました。

そしてそのウェイティングリストに載せるためだけに、100ポンド(約2万円、1ポンド=200円、以下同とかかかります。もちろん返ってきません。

我が家は完全に出遅れたのですが、なんとか生後半年くらいのタイミングで2つほどナーサリーに申し込み、そして実際に1年後の今、ようやくスペースが確保されました。

イギリス、保育園足りなさすぎます。


1ヶ月32万円!!

次にエグすぎる保育料

あまりにも衝撃なので料金表を載っけます。

御覧ください。3歳未満の週5の保育は、1600ポンドかかります。
日本円で約32万円です。

そして実際に僕たちはこれを毎月支払うことになりそうです。

ちなみにもうひとつアプライしていた保育園は、もう少し安くて1200ポンドくらいでしたが、こちらも順番待ちがまだまだかかりそうなのと、見学に行った際に「ちょっと汚いな、、」と思ったこともあり、もう諦めています。

また、地域には個人事業でナニーさんをやっている人もたくさんおり、政府のプラットフォームから検索できたりもします。実際、一人の方と面談もしたのですが、レートが9ポンド/時間と言われ(換算すると月約1500ポンド)、それより安いナニーさんだと信頼できないというような情報もあり、こちらも辞めました。

とにかく、イギリスの保育園は高すぎる!!!

ただし実は、これにはカラクリがないわけではないです。

イギリスには政府による豊富な支援制度があり、おそらくなんの支援も受けずに保育園に預ける家庭はほとんどいないと思われます。

支援制度には、週に15時間分のバウチャーが配られたり、支払った保育料の20%が後で返ってくるなど、いろいろ組み合わせると最大で半額くらいになるようです。

ただしそれぞれの制度に細かい要件(両親の年収等)があり、全部が適用できる人はそんなに多くないはずなので、いずれにせよほとんどの家庭にとってかなりの負担になることには変わりないです。

そして最後の極めつけがこちら↓


移民はすべての支援制度が対象外!

悲しすぎる~。

ぼくの持っているBRPカード(イギリスの在留カード)によると、
ぼくのビザ(Skilled Worker Visa)は、「No Public Fund」だそうです。

「うそや~ん」と思って、業務中にたくさんGoogle先生やChatGPT教授に尋ねてみましたが、どうやらマジです。

ついでに、こんなサイトまで見つけました。

要約:Skilled Woker Visaの労働者は他のイギリス人と同じく税金をしこたま払っているので、
人道的観点からチャイルドケアを受けられるべきだと訴える嘆願書。
あえなく署名が16しか集まらず失効。(リンク

他のビザについては調べていないのでちょっとわかりませんが、税金をしっかり払っているぼくがダメなのだから、きっと他のビザでも同じ道理なら基本ダメだと思います。

一応正確に言うと、子供が3歳以上になると、移民のステータスに関係なく、15時間のバウチャーがもらえます。が、それだけです。しかも計算式がよくわからないのですが、15時間のバウチャーは週5保育に対する最大の適用例で、週2保育にしたからと言って無料になるわけではないらしい。

職場でひたすら聞いてまわったのですが、両親がともに移民で、まだ永住権を持っておらず、かつ子供が3歳未満というのは職場では僕だけで、たしかに、僕のようななんの支援も受けられないケースはかなりレアなようです。

そういう例外中の例外の人に対して、ある程度不遇な措置がとられるというのは、行政支援の観点からすると、必ずしも間違っていないとぼくは思います。ぼくが制度設計者でもそうします。

自分の意志で移住してきた以上、ここは自己責任で乗り越えなくてはなりません。

幸い、妻もパートタイムジョブが決まり、ぼくも日本での副収入もあるので、なんとかパワープレイで乗り切っていく決意をしたところです。

更にもうひとつ付け加えると、ここまで話してきたのはすべて、Private Nurseryの話です。地域にはPublic Nurseryもあり、こちらはPrivateの半額以下で入れます。聞いたところでは月600ポンド(約12万円)とかだそう。(それでも高いけど。。。)

ただし!Public SchoolはSchool Termしか営業しておらず、年間約13週間はお休みなので(どんだけ休むねん!!)、共働き家庭にとってはまず選択肢になりません。ちなみに、休みが多いせいで教師の給料が安く、ストライキが起きて更に学校が休みになるという最悪のループに突入している模様です。

どれだけ考えてもイギリスの保育事情は厳しいということがわかりました。


ここがすごいよイギリスの保育園!

ここまでさんざんディスったのですが、先日お試し保育に行ってきまして、さすが月1600ポンドだけはあるなと思いました。

まずスタッフの数も豊富で、担任となる先生も親切に対応してくれました。話した感じ、とても信頼できそうでした。

そして、保育園専用のアプリがあり、子供を預けたときのチェックインが両親のスマホに通知されたり、おむつを交換した時間、寝た時間、起きた時間など、あらゆるデータが記録されていました。たぶん、担任の先生がタブレットを持っていたので、それでポチポチと記録しているようです。

アプリの画面

他にも、欠席の連絡やメッセージのやりとりもアプリ上でできたり、支払いの管理もできたりと、すごくスマートな管理体制が敷かれていました。これはどちらかというと、両親の利便性というよりはスタッフの労働負担の軽減につながっていると思います。とても良いと思いました。

もちろん管理面だけでなく、料理の献立や、野外のアクティビティなども豊富にあって、保育の内容については文句のつけようがなかったです。

そのへんは期待してよさそうで一安心しているところです。


一方その頃日本では

一方その頃日本ではどんな感じなのか、あまり調べてないのでわからないですが、何年か前に「保育園落ちた日本◯ね」みたいなのがニュースになっていたのをみた記憶があります。

これは単純に保育園が安くて、みんな応募して倍率が高いだけで、むしろ幸せなくらいなのではないでしょうか?

もし保育料が月に32万円も(仮に物価と円安を考慮しても15万円くらい?)したら、ほとんどの家庭がアプライすらできないと思います。

イギリスではこれだけ高いにもかかわらず1年待ちとかなんですから、状況は日本よりも深刻だと思われます。

おそらく多くのイギリス人は、困ったら家族や親族を頼ったりしているものと思います。日本でももちろん、子育てに親族の支えは大切だと認識されているとは思います。ただ、イギリス人の休暇の過ごし方などをみても、日本の平均的なあり方よりもずっと家族との親密さ、連帯感を感じます。

ぼくらのような移民のケースはさておき、現地の国民は、国の支援に期待するよりもまずは家族や親族とのつながりを大切にして、子供を安心して授かれる環境を整えたほうがよいのではないかと思います。間違っても政府や行政に悪態をついていいわけがありません。

そういう意味で、根本的な問題は、政府の支援不足ではなく、核家族化を推し進めてきた資本主義経済や、自由主義的な価値観と社会規範のほうではないかと思います。なので、行政支援をむやみに拡大する前にもういちど、相互扶助を基盤とする地域社会や公共の福祉を”制度”ではなく”規範”として取り戻すべきではないかと思います。

という謎の社会派コメントを残したところで、記事を終わりにします。
お、我ながら結構いい記事が書けたんじゃなかろうか?笑

最後までお読みいただきありがとうございました。



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