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今、この瞬間の気持ちを大切にしたいー「感情の鮮度」について。

今朝イスタンブールの宿で朝食を食べながらふと思ったこと。
それは「感情の鮮度」について。


感情って多分鮮度がすごく大事で、今感じたことを「まぁいっか」と後回しにしていると、その時の気づきは忘れてしまい、何も感じなかったかのよう白紙に戻る。

現代人は忙しいのでしょうがない。



例えば私だと、世界中旅をしていると毎日あれやこれや色々考える。
「あぁ夕日のグラデーションがパステルカラーで綺麗だな〜」とか
「ほぉ、この遺跡にはこんな歴史があるのか...」とか
なんてことない感情から様々な学びまで。

色々後回しにした結果、さて、あの時の記事を書こうかな!と思うと何も出てこない。行った店とか、移動の手段は覚えているのに、感情に関しては何も覚えていない。なんとも悲しい話。

「この感情は絶対忘れない!」と思っても、相当衝撃的じゃない限り人間はいつかは忘れてしまう生き物だ。

これだけ旅の途中で色々な感動を味わいながらも、きっとその時の感情の多くを忘れてしまっているのだろう。


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もっと深刻な例で考えてみると、私は4年前くらい彼氏と同棲をしていたのだけど、その日々がすごくすごく辛かった。
多分同棲した時点であんまり好きじゃなかったっていうのが薄々あって、でも別れるほどでもないし、別れ話も面倒だからと、その気持ちに気がつかないふりをして同棲を始めた。

そうなるとどうなるか。

家を引き払って、彼氏の意向で仕事もやめた私は完全に行き場を失った。
行く場所がないので、とりあえず「好きじゃないかも...」っていう感情を押し殺して一緒に過ごしていたが、自分に嘘をつき続けることになるので、そうなると人間が狂い始める。


結果、私は別人になった。

狂った人間が最終的にどういう行動に出るかというと、
財布と携帯だけ持って、逃げ出した。
「とにかくこの場から逃げないと」と思った。
もはや「逃げる」ていうのが普通の思考ではない。

その後しばらくはいろんな人の家を渡り歩いて、最終的にタイに移住するのだけど、その時の話を友達とすると、「あの数ヶ月はマジで頭おかしかったよ」と今だに言われ続けている。

私がもっと早く自分の感情に素直になっていたら、「違うかも」と思った瞬間に行動に移していたら、恐らくこんな事態にはなっていなかっただろうし、人にも迷惑をかけずにすんだだろう。


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これほど深刻ではないけど、身近にあり得る例として。
それは仕事を辞めた時のこと。

当時新卒で入った会社はベンチャーで、ほぼ毎日終電近くまで働いていた。
夜中に帰宅し、数時間だけ寝てまた朝7時に家を出る日々。休みの日は持ち帰った仕事をしていた。友達と出かける余裕もなく、休日は仕事以外寝て過ごした。

未経験の私には全てが勉強になっていたし、上司先輩にも恵まれていたけど、1年半くらいたってきて徐々に心と体のバランスが取れなくなった。
この時私は、時々「ちょっともう働けないかも。やめたいな....」と仕事中トイレに逃げ込んで泣いていた。

でも仕事はいっぱいあるし納期も迫ってる。私がやめたいなんて言ったらこの会社のデザイナーは誰もいなくなる。
涙を拭いて仕事に戻り、気持ちを切り替えてまた変わらない生活を半年くらい続けていたら、本当に自律神経がおかしくなった。

何も感じない
突然涙が出る
感情がコントロールできない
電車に乗れない
過呼吸になる

自分の感情を無視し続けた結果だ。
入社前は、色々夢を抱いていたのだけど、忙しい毎日の中で結局その夢がなんだったかのも忘れてしまい、その夢を思い出したのは仕事を辞めて療養しながら数ヶ月経った時だった。

自分を取り戻した瞬間のように思った。


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私の場合は、多少溜め込みがちな性格もあるのかもしれない。
あと面倒くさがりやなところも。

今は日々旅をしながら感情のままに一人で暮らしているので、乗らない誘いは断るし、基本自分のやりたいことが優先。

忙しい毎日の中を生きていると、「今考えるのは大変だから」と自分の気持ちを後回しにしがちだけど、その時の気づきや感情を大切にしてあげることが、自分を大切にするってことなのかもしれない。

どうか、今の気持ちを大切に。
今感じたことを今伝える人生でありたい。


おしまい。


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maya | 旅暮らしデザイナー
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