
ペットロスに苦しむ方へ
一番最後にペットロスに苦しんだわたしが
取り組んで
良かったことを
いくつか書き残しました。
今、ペットロスに苦しんでいる方
最後まで読んでください。
『Mum, it's okay!』
15歳と5ヶ月で亡くなった愛猫くん
15年と5ヶ月前
隣の家で飼われていた
愛猫の『シャドウ』と
妹の『ソックス』
二人は隣の家の子なのに
いつもフェンスの穴から
わたしたちの家に食べ物をもらいにきます。
ソックスは活発で明るい女の子で
てってか♪てってか♪と
軽い足取りで
思いっきりの笑顔で
『ご飯くださーい!ウフ』
って寄ってきて
その後ろから
ノソノソノソノソ
ソックスに隠れるように
疑い深い目で見定めるように
ついてくる。
それが愛猫の
シャドウくんでした。
いかにも
『おい、ソックス、本当に
そいつら信用して大丈夫なのかよ?!』
とでも言っているかのよう。
そしてしばらくすると
ある日
隣の人が引っ越して行った後
置き去りにされて
いつもの通り
ノソノソうちに来た。
わたしは
猫に好かれる。
猫が寄ってくる。
面倒を見るのはとても
大変で責任のあることだと
知っている。
看護師として
たくさんの人の死に関わってきた。
それがどれだけ苦しかったか。
すぐに
飼ってくれる人を探した。
見つからない。
保護施設に届けようとした。
パパが
『そんなとこ連れてったら処分されちゃうよ』
と言う。
張り紙して、
地域の新聞にも載せてもらって
なんとか飼ってくれる人を
探し続けた。
パパが言った。
『シャドウはうちを選んできたんだよ。
飼ってやらなくちゃ』
そんなこと言って
きっと面倒見るのは
わたしなのに。
当時は日本の叔母に
預けてきた猫もいて。
あっちもこっちもで
罪悪感が沸いた。
それから
15年と5ヶ月。
いろんな思い出を共に
作ってきた。
まだわたしとパパはお互いに
若くて向こうみずで
エアコンもない家に住んでいたから
夏は小さなプールを庭に出して
一緒に泳いだ。
パパと一緒にカウチの上にいて
オナラをしたら
すごい臭かったらしく
パパがTシャツで鼻を塞いだ。
シャドウがうちに来て
1年とちょいで
息子が生まれたが
妊娠が分かった時
『だからシャドウはウチに来たんだね。
子育ての練習だったんだ』と
パパと微笑んだ。
それから
5回の引っ越しを繰り返して
その度にパパがいないから
わたしはシャドウと力を合わせて
無事に引っ越しを終わらせた。
『家族の一員として
家を守ってくれてるんだよ』
息子が小さかった頃
そう伝えた。
だから息子は
夜が怖くなかった。
なぜかわたしにそっくりで
わたしが原因不明の
下痢に7年間悩んだ間
3年間は共に下痢に悩んだ
シャドウ。
わたしが虫歯で歯が痛くなると
一緒に痛くなる
シャドウ。
運動が苦手で
壁の登り下りもできないから
犬に襲われて
逃げられずに
瀕死になったシャドウ。
犬に噛みつこうとして
助けようとした
わたしに噛み付いた。
ワクチン接種に病院に行って
その時に
待望の二人目を妊娠したのがわかった。
食べるのが大好きなシャドウ
人間のブラシで撫でられるのが好きなシャドウ
散歩が大好きなシャドウ
お天道様が大好きなシャドウ
いつまでも若々しく歳を取らないハンサムなシャドウ
30分前までいつも通りで
突然フラフラし出して
5日間闘病の後、
天国へいきました。
この5日間
バタバタ必死で
ココロもカラダも頭も
全部使って
なんとかできることを
やりました。
5日間
『とにかく教えて、
何が一番の望みなの?』
獣医さんでは
『腎臓は治らない、
早かれ遅かれ
苦しんで亡くなっていく。
年齢を考えたら
サヨナラすることも
考えなきゃならない』
毎回言われた。
でも、わたしはシャドウがどうしたいのか?
それが知りたかった。
とにかく
食べられるものを食べさせて
水をスポイトで飲ませて
おしっこさせて
その間
カラダが細かく震えて
息は荒く
全く寝られない
疲れているはずなのに
寝られない
明らかに
何かに耐えている
眠りに落ちてしまって
ハッと見ると
ずっと同じ
心臓は異常な速さ
でも寝ていない
何かに耐えている
最後の日
もう力がないはずなのに
食べ物をハッキリと拒みだした。
フラフラしているのに
食べ物を差し出すと
ガッと首を背ける
『シャドウ、わかったよ。
今は食べたくないんだね。』
フラフラとどこかに彷徨い続ける。
もう体力が無いのに彷徨う。
外に行きたがる。
散歩する。
フラフラして倒れる。
一番大好きだった
鳥の丸焼きを
急いで買いに行き
大好きだった
皮の部分をつまんで
差し出してやる。
『食べないよ』
プイッとそっぽを向く。
それまで
これだけはなぜか食べる
というアイテムの
ギーも拒否した。
フラフラわたしのところに来て
体調を崩してから初めてわたしを
見上げた。
『ママ、行かせて。
逝かせてね。』
そう言われた気がした。
体調を崩してから
初めて見た
元気だった頃と
同じような
澄んだキラキラした目だった。
もうこれ以上苦しませる必要はなかった。
彼は『決めた』
そうわかった。
獣医の予約を取り
それまでの時間
これまで行ったことのなかった
近くの駐車場で
散歩した。
フラフラしていたが
とても楽しそうだった。
なんだか
元気に見えたので
家に帰ると
少し食べ物を
口に持って行ってみた。
『いらないよ、ママ、いらない』
バタバタした
ココロもカラダも頭も
毎日していたお祈りも
最後はできなかった
わたしは失いかけていた
バタバタしたまま
最期の時はきて
シャドウは
フワフワで
あったかくって
でももうハァハァしていない
何かに耐えていた力も抜けて
まぁるくなって
静かだった
それから
二晩と三日
胸と頭が張り裂けそうな
寂しさが
苦しくて
目を向けたどこにも
シャドウの面影があって
なのにいない
匂いもあるのにいない
突然図り知れない宇宙に
放り出されて
ひとりぼっちになったような
恐怖
考えると
嗚咽が出るほど泣いて
泣きたく無いのに
止まらない
考えたくないのに
考えてしまう
色々な責めや後悔や
懺悔や
楽しかった思い出や
走る姿
温もり
ふわふわ
寝返り
全部を受け止めようとした
『胸にぽっかり開いた穴』
それを埋めようとして
過去の色んな恐怖が蘇ってくる
お酒や
ジャンクフードや
夜更かしや
キリのないゲームや
自暴自棄で
穴を埋めたくなる衝動
『もー、どーでもいーや』という
空虚感
全部が襲ってくる
一番つらいのは
『朝起きた時』
『出かける時』
『帰ってきた時』
この三つだ。
朝は4:30からミャアミャア言って
わたしを起こし
トイレに行くと
入ってきて
『おはよう』と言うので
撫でてやると
自分もトイレへ行く
そして二人で一緒に
お天道さまを観る
わたしが出かける時は
『今から学校に送って、そのまま出かけて
多分2時には帰ってくるからね、行ってきます
シャドウくん、バイバーイ、Love you』と言って出かける
帰ってくると
車の音を聞きつけて
家の中から車の中に聞こえてくるほどの
声で『ミャア!ミャア!何をそんなに時間かかってんの?!寂しかったんですけど!!』
と怒られる。
どこの部屋に寝ていても
お出迎えする。
この三つの
習慣が
一番つらい。
胸が張り裂けそうだ。
家の中でも
ドライブしても
あちらこちらに
シャドウの記憶と面影がある。
見たくなくて目をつぶると
シャドウが見える。
息子が心配して
学校を休む
『シャドウの写真をプリントして飾る』と言う
出かける
お線香を買いに行く
途中で知り合いに会って
『うちの猫が天国へ逝った』と
話して
涙腺が崩壊
家に帰る
息子がずっとそばにいる
『それが人生なんだよ。
モノゴトはいつも起こり、
そして失くなる。
だからものすごく寂しいけれど
僕は良い思い出を想っていたい』
これまでも
ママが心配で
強くなってきた息子
今日は
亡くなった時、
仕事でいなかった主人が帰ってきて
預かってくれていた獣医さんを
訪れた。
素晴らしい獣医さんの計らいで
シャドウは
静かに
眠ってるかのようだった
今にも
起きそうだった。
寝ている時
お腹の大好きなとこを
グリグリ撫でてやると
気持ちよさそうに
グリン!と寝返りする
お腹を撫でてやる
なんだか起きそうだ
パパの涙を
観たのは
3回目かな
最初は
初めて喧嘩した時
パパは21歳だった
『泣かないで。ごめんね』と
言ったパパは泣いていた
それから映画の
『Hachi』を観た時。
鼻水を垂らしながら
泣いているのを
見たのは
今日が初めてだったな。
今日
シャドウに会いに行くまでは
『この先生きていけるかわからない』
そんな気持ちになるほど
寂しく、苦しかった。
亡くなってから
『もう一度あの温もり
あのフワフワ
あのお腹に触れたい』
そう強く想ってきた
冷凍になったシャドウは
まだあの時の
温もりとフワフワと
あのお腹だった
たっぷりと時間をかけて
もうハァハァしていない
静か〜なシャドウを
撫でて撫でて
想いを伝えて
思いっきり泣いて
キスして
顔を埋めて
そして
椅子に静かに座って
話をした
うっすらと開いた
まぶたの奥の目を見つめて
そして
シャドウは言った
初めて
人間の言葉で
しかも軽快に
『Mum, it's okay!』
それは人間の男の子のような声だった。
『僕はこっちでめっちゃ楽しいよ、
ママが思ってること、
全部ひっくるめて
大丈夫!』
そう言われた気がした。
わたしの中でやっと
覚悟が決まった。
もう泣かない
また会う時まで
自分を大切にし
人に思いやりを持ち
目の前の大切なことに目を向けて
一生懸命生きていく
約束するからね
シャドウ
ありがとう、シャドウ
Until we meet again
*今回初めて『ペットロス』を
体験して
あまりのつらさに
パニックになりました
色々とどう解決したら良いのか
わたしなりに
取り組んで良かったことを
ここに書き残します。
『ペットロス』に苦しむ方へ
①自分の気持ちを我慢しない
人に話す
②シャドウのことで関わりを持った人に連絡して感謝を伝える
③シャドウに手紙を書く
④シャドウに話しかけながら過ごす
⑤Youtubeで『ペットロスの乗り越え方』で検索する
専門家の話を聞いたり、同じように苦しんでいる方の話を聞く
⑥『シャドウ、ごめんね、許してね、ありがとう、愛してる』を繰り返し唱える
⑦写真をプリントアウトし、お線香をあげる
⑧きつい最初の三日間は何もしない
⑨三日が過ぎたら少しづつ、だけど確実に外に出る
もしもこの投稿を見た今苦しんでいる人
話をしましょう。
一人でこもってしまうとカラダもココロもバッキバキに
カッチコチに
痛いから。