23-9-17 祖父母に曾孫を見せに行く
現在私は30代半ばなのだが、父方母方の祖父母4人が健在である。
平均寿命が延びてきたとはいえ、結構珍しい方ではないだろうか。
まあ「健在」と言っても歳相応に病は得ているし、父方の祖父は会話をすることもできないが、それでも寝たきりというわけではない。
母方の祖父母は私の実家のすぐそばに住んでいるため頻繁に会うことができるが、父方の祖父母は車で3時間ほどのところで暮らしているためなかなか会うことはできない。
ましてやコロナのことがナーバスな問題としてあり、保育園に通う小さな子どもを連れていくのはリスクを伴った。
それでも今まで、2度ほど娘を連れて会いに行ったことがある。
そして、今回2年ぶりにまた会いに行けることになった。
息子は初対面である。
まずは祖母の住む家へ行った。
祖母はニコニコと元気そうだった。
小さい子どもが大好きで、私の娘と息子、私の妹の息子と娘をとても嬉しそうに何度も抱っこしていた。
耳は遠くなっているようだったが、会話はなんとかできている感じだった。(もしかしたら適当に相槌を打っていただけかもしれないけど)
次に祖父が入居している施設へと行った。
行く前は「小さな子どもは会えない」と言われていて、曾孫の顔を見せられないことが残念だと思っていたのだが、施設の方が祖父を車いすに乗せて玄関の外まで連れてきてくれて、曾孫も全員会って触れ合うことができた。
祖父は私が学生の頃に認知症を発症し、少しずつ進行してきた。
耳もかなり悪く、会話はできなかったが、「じいちゃん、まやだよ」と話しかけるとじっとこちらを見つめてくれた。
曾孫たち(私のことは学生時代で記憶がストップしているので、「曾孫」と認識できてはいない)のことは祖父も喜んでくれて、嬉しそうに手を伸ばしたり振ったりしていた。
祖父はもう95歳である。
誰も口には出さないけど、会えるのはこれが最後かもしれないと思ってしまう。
だけど、別れ際「また来るね」と言って祖父と握手をした。
私が小さなころ、祖父母の家へ遊びに行って何泊かし、帰るとき、別れ際には必ず車の窓越しに握手をしていた。
元気だったころの祖父母は、私たち家族の車が角を曲がって見えなくなるまで、玄関の前で手を振ってくれていた。
車いすに乗った祖父と握手をしながらそんなことを思い出す。
じいちゃん、
また遊びに行くから、元気でいてよね。
おしまい
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