いのちを見つめる自然観察(1)
千葉自然観察指導員協議会の開催する菅井啓之氏の講演会「いのちを見つめる自然観察」が千葉生涯学習センター・千葉公園で開催されましたので参加してきました。
9時半から15時までという長時間にわたる講座でしたが、あっという間でした。
自然観察指導員として、目からウロコの内容がモリモリ。1回に書ききれないので2回に分けて書きたいと思います。
講師の菅井先生は、長年の小学校教員、自然観察指導員としてのご自身の経験から、幼少時から大人に至るまで心をはぐくむのに自然観察がどれだけ大切なのかということを関西弁(京都弁?)で力強く楽しく語られていました。
一本の木にも色々な自然環境が凝縮されている
自然観察会を行った千葉公園は沢山の大木があります。
菅井先生は、この一本の木の幹を見るだけで様々な自然環境の差があることが分かるとのこと。
例えば、沢山のコケや地衣類が付いているのは北側
何も付いていないのは、南側。
大木の幹の北側は湿気があり、涼しいから多くの生命をはぐくむ。
大木の南側は日差しが強く乾燥するから、生命が宿りにくくツヤツヤだとのこと。
また幹の北側でもコケが全く付いていないのは、降った雨が流れる経路になっていたのではないかとのこと。
このように一本の木だけでも沢山の環境が存在するということを教えてくれているというのです。
鳥のフンは芸術
道端に白い鳥のフンを発見!
普通の観察会なら、「これはムクドリのフンですね。」などというコメントで終わりそうですが、菅井先生は違います。
「この鳥のフンの形見てください!これは世界に一つしかない形です!」と大興奮(笑)「糞の形一つ一つが違うから、これを写真に撮って並べるだけでも芸術になりますよ!」とのこと。
そして、フンそのものに興味を持った後に「何の鳥のフンかな?」「どうしてここに落ちているんだろう?」と考えてみるというのです。
並べられた石に宇宙を見る
公園の入り口に並んだ石。これらの石は、さり気なく並んでいますが石庭の石と同じルールで並んでいると菅井先生は気づかれました。
手前のぺったんこの石から奥のとがった背の高い石まで、不連続に並んだ石。そして、その後ろに並んだ樹木。
そこには、無生物と生物、様々な形のものが混在した宇宙を表すとのこと。
そして、最初に置いた視点から全体を眺め、味わい、また視点を色んな場所に移して改めて見ると一つ一つの石がまた別のものに見えてくるというのです。
拾った自然物を並べるだけでも沢山のことが学べる
午前中の観察会の最後にモノトーンの格子柄の上に、「今立っている場所で見つかる自然物を並べてみよう。」という課題を参加者みんなでやってみました。
その結果が上の写真。
ただ拾っただけで、色とりどりの可愛らしいイラストのよう。
その図柄を楽しんだ後で、どんなものがあるか参加者みんなで考えてまた楽しみます。
木の実や昆虫の死骸・・あ、死んでいるはずなのに昆虫が動いた!とまた盛り上がりました。