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特論第1回講義:田村大さん-ableのデザイン

2019.04.10

これは武蔵野美術大学造形構想専攻クリエイティブリーダーシップコースクリエイティブリーダーシップのクリエイティブリーダーシップ特論の授業を聴講し投稿したものです。

第一回は株式会社リ・パブリックの共同代表である田村大さんに講義をしていただきました。

田村大さんプロフィール 株式会社リ・パブリック 神奈川県出身。東京大学文学部心理学科卒業、同大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。1994 年博報堂に入社。以降、デジタルメディアの研究・事業開発等を経て、 イノベーションラボに参加。同ラボ上席研究員を経て 2013 年に退職、株式会社リ・パブリックを設立。2009 年東京大学工学系研究科 堀井秀之教授とともにイノベーションリーダーを育成す る学際教育プログラム・東京大学i.school(アイ・スクール) を発足。2013 年 4 月 i.schoolエグゼクティブ・フェローに就任。現在、九州大学・北陸先端科学技術大学院大学にて客員教授を兼任。 著書に「東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかた」(2010, 早川書房) 等、多数。 

参照(https://republic.jp/member) 

good  innovationとは?

お話のまず最初に「good innovationとは何か?」という問いがあった。

そもそもイノベーションとは何んだろうか?私は造形構想専攻クリエイティブリーダーシップコースといういかにもイノベーションな凄い名前の場所にこの4月から通うことになったが、先月まで泥臭く陶芸をしていた人間だ。漠然とイノベーションのについて問われても「革命…?」としか答えられないような人間である。もう2日目にして通う学校を間違えたのかとさえ思う(焦 ということはさておき田村さんの話に戻る。

田村さんはイノベーションとは結果論であり、良いもの悪いものがあるからそれを常に考え続けなければならないと仰った。ノーベル賞の創立者であるノーベルはダイナマイトを発明し人々の暮らしを豊かにするはずだったのものにも関わらず、多くの人々が犠牲になってしまう兵器と化してしまった話を紹介してくださった。

イノベーションレベル1の私にもとても優しい例えでイノベーションに対する恐怖心が和らぐ。

確かに、なんでもかんでも革新的なものにしていくことが善とされていない。技術革新や科学の進歩と共に倫理的、社会的問題を常に私たちは考えていく必要がある。

田村さんの活動は、先ほどの例えにあった悲しい結末のイノベーションではなく"good innovation"のために、カルチャー、大学、組織という資産にについて徹底的に探求し、次にその資産を使って将来どんなを描くことができるか?そして実際にそれを実現するための人、コミュニティ、組織を作り上げていくにはどうするか?というのが一連の活動で、これを基本に地域や企業とさまざまなプロジェクトを行なっている。

イノベーションに必要なリソース 

イノベーションをどうやっておこすのかと常日頃考える田村さんから「イノベーションを起こすために最も重要なリソースととは何か?」という問いが投げかけられた。ーーー答えは人である。

では人とは何か?私たちは生産者側からは消費者と呼ばれ、userと呼ばれる。それってどうなんだろうか?人が大切であると仰っているのにも関わらず人を人扱いしない言葉について今の今まで気に止めていないことに気づく。good innovationを起こすためには人を中心に考えなければならない。とても重要な事を教えて下さった。

いくつか人を中心としたイノベーション事例についてご紹介があったが、その一つにバルセロナのsuper block modelという事例が強く印象に残った。

Super block model

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スペインのバルセロナ政府は、道路を自動車からコミュニティに取り戻すスーパーブロック計画を進めている

この計画のモデルは、1850年代によって設計されたアシャンプラ(バルセロナの行政区)の道路である。もともと道路を人々が交流する場と想定していたが、1900年代後半からは自動車の交通量が増え、人々が利用できるスペースは減ってしまった。それをコミュニティに取り戻すのが、スーパーブロック計画だ。先ほどの話とつなげると、つまり車のためのものになってしまった道路を、再び人のためのものにするということになる。

このモデルでどのような変化が起きたか?

スーパーブロック化された通りには街路樹が植えられた通りには数多くのベンチが並べられ、市民が談笑したり休憩できるようになった。自動車の走らない道路では、ベビーカーや子ども連れの方もどことなく安心して歩けるようになり、信号を気にする必要もないため、ショッピングカートを引く高齢者の方も歩きやすい。また、レストランの道路傍に並べられたテラス席が人気だが、車道と近い場合はどうしても食事中の排気ガスや埃が気になってしまう。しかし、スーパーブロックに設置されたテラス席ではそのような心配がなく、店側が勝手に多くのテラス席を設けるようになったなどの変化が起きた。

今日からできること

イノベーションとは何か?構えてしまうような問いも=人のために意味を変えていくこと。と捉えれば怖くはない。しかしなんでも人の為なら良いわけではない。社会問題、倫理的問題を念頭に置き、田村さんの活動である資産のリサーチ、未来へのイマジネーション、そして実現のために必要なことを常に考えていくことがとても重要である。

今日から私にできることを考える、それが-ableのデザインに繋がっていくだろう。












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