私はタトゥーがあるプラスサイズモデル
私の右腕には、ハガキサイズのタトゥーがあります。
ピカソが娘のマヤを描いた絵です。
母に連れられて行ったピカソの展覧会でこの絵を観て以来、私は自分と同じ名前の少女に、シンパシーを感じました(芸名はマヤコですが、本名はマヤなんです)。
ピカソは娘のマヤをとても可愛がっていたようです。
私も大変なファザコンだったので、そんなところにも共通点を感じています。
このタトゥーを入れたのは、2022年の3月。
2022年は、私にとって大変意味のある年です。
8月に家族で父を看取り、9月にはToday’s Womanというプラスサイズ女性の為のミスコンに出場し。
タトゥーを入れた時にはまさか、父との永遠の別れがすぐそこまで迫っているなんて知る由もありませんでした。
だからこそ、右腕に刻まれた絵を見つめるたびに、父との思い出が蘇るような、特別な意味があるものに成長しました。
翌年2023年、その年はToday’s Womanに出場せず、客席で応援に行きました。
休憩時間に、トイレで声を掛けてくださったのが、現在所属している事務所の代表です。
その後ご縁がありプラスサイズモデルになりましたが、タトゥーを入れた時には、まさか自分がモデルになるなんて思いもしませんでした。
タトゥーを入れた当時に考えていたデメリットとしては、温泉やプールに入れないことぐらい。
施設によっては、タトゥーを隠す専用の防水シールを貼ることで許可されることもあります。
MRIを受けられないという意見もありますが、以前はインクに金属が使われていた為、火傷の恐れがあったようです。
今現在使われているタトゥーインクには金属が含まれていませんので、検査前に申告を求められることはありますが、問題なくMRIを受けることが多いです。
父はタトゥーの存在を知ることなく旅立ちましたが、母は知っています。
家族の理解もあり、隠せる場所ということもあって、特に不便は感じていませんでした。
しかし、新人モデルという立場からすると、タトゥーがあることは不利とも言える状況だったのです。
現状では、タトゥー不可の案件も多くあるということ。
それを踏まえた上で、所属の運びとなりました。
理解を示していただき、頭が下がる思いです。
この先大変なこともあるだろうけど、初めの内は正直なところ、なんとかなるだろうという気持ちもありました。
2024年の1月、事務所に入所して1ヶ月が経った頃。
モデルとしての初仕事がありました。
当日はメイクでタトゥーを消す必要がある撮影です。
モデルを始めたてで、タトゥーを隠す手間が生じる上で撮影に呼んで頂きました。
この先もしかしたらモデルとしてやっていけるかもしれない、と大変励みになりました。
そうして迎えた当日。
タトゥーを隠すのにかかった時間は、二時間以上です。
衣装替えの度にコンシーラーがよれていないかの確認をしながらだったので、実際にかかった時間は更に長くなります。
メイク用のコンシーラーを用いてカバーを行ったので、衣装を汚してしまう危険もありました。
私はこの日、新人モデルにタトゥーが入っていることの本当の意味を理解しました。
自前の衣装や秋冬の服であれば、問題なく隠すこともできるでしょう。
夏服の場合、デザインはかなり絞られます。
タトゥーがあるモデルは増えてきたように思います。
私が私として求められるようになれば、隠す必要もなくなるかもしれません。
いずれはそうなりたいし、ならなくてはならないと思います。
ですが、いつかの if に縋って今何もしないのは違うと思いました。
レーザーで消すという方法もありますが、私の場合は消さないことを選択しました。
このタトゥーがある体に愛着を持っているからです。
しかし、必要に応じて隠すことには抵抗を感じていません。
タトゥーを入れたことは、結局のところ私の自己満足でしかないと心得ています。
見た人がどのような感想を持つか、介入することは難しいことです。
いつか偏見のない社会になれば嬉しいですが、それまでの間はTPOに応じて隠すことも必要だと思います。
タトゥーを出来るだけ自然に隠す方法を調べ、エアブラシを使うやり方に辿り着きました。
この方法だと、コンシーラーよりも自然に隠せますし、防水で衣装を汚す心配もグッと減ります。
問題点と言えば、多少費用がかかることです。
技術習得のスクール代他、エアブラシや専用のインクも揃える必要があります。
毎月沖縄から東京に飛行機で通いながらモデル活動をしていたので、正直なところ痛い出費でした。
ですが、技術は身につけてしまえば一生物です。
タトゥーを自分でカバーして呼ばれる撮影がどれだけあるのかも分かりませんが、“私が私を、連れて行ってあげる。“という自分の信念に従うことにしました。
(モットーについては過去の記事にも書いてあります!)
本日公開予定の私のインスタグラムに、タトゥーカバーについてのリールをアップします。
まだ色の調整など練習が必要ですが、経過も引き続き載せていく予定です。
その上でクライアント様にお渡しする注意事項を明確にし、モデルの仕事に役立てていきたいと思います。
インスタグラムで@mayakoismeをフォローして、楽しみにしてくださいね!
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