「2012年に世界が終わる」という予言の真相
もう10年以上も前なんですね。「古代マヤの予言によると、2012年12月21日に世界は終焉を迎える」という説が広まり、世界中の人々がどよめきました。
しかしその日になっても世界は終わらず、「な~んだ、マヤの予言なんて当たらないじゃん」と思った人もいたかもしれません。
でもこれは、そもそもが勘違いだったんです。
マヤの人々は、用途によって数十もの暦を使い分けていました。太陽暦、太陰暦、金星暦、神事の時期などを決めるために使われた「マヤ神聖暦」などなど。その中の「マヤ長期暦」が「世界の終焉」説を生んでしまった暦なんです。
マヤ長期暦は、グレゴリオ暦(西暦)と同じように、ある年を起点に始まっています。グレゴリオ暦は、キリストが生まれた年が西暦元年ですね。マヤ長期暦は、マヤの神話でいう世界が創世された日が元年となっています(4アハウ8クムク、といわれています)。その年を西暦に直すと、紀元前3114年8月11日とされています。
※もちろん諸説ありますが、多くの歴史家、研究者の見解では、この日付になっています
さて問題の「終末説」は、なぜ生まれたか。
グレゴリオ暦は、延々と続いていく直線的な暦ですが、マヤ長期暦はサイクルのある暦なんですね。普段、私たちが使っているカレンダーを思い浮かべるといいと思いますが、12月31日まで進むと、また1月が始まります。それと同じく、マヤ長期暦は、約5125年で一巡します。
紀元前3114年8月11日に始まったマヤの長期暦が一巡したのが、5125年後の「2012年12月21日」でした。マヤ長期暦では、翌日から次のサイクルが始まるだけなのに、この日で世界が終わると考えてしまった人がいて、終末説となったんですね。
ノストラダムスの予言(若い人は知らないかも)と同じく、世界が終わる予言というのは、とかく注目を浴びてブームになります。
マヤ文明、マヤ人、マヤ暦(マヤ・カレンダー)の認知のために、かなり貢献してくれた勘違いだったと思います。
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