ライター時代の怪談1
ライター時代、たくさんの著名人にインタビューをさせて頂きましたが、その時の不思議な体験をひとつ。
🌛日が差しているのに薄暗いスタジオ
ある俳優さんにインタビューしました。誌面に載せる写真撮影も兼ねていたので、インタビュー場所は、とある撮影スタジオ。
俳優やタレントさんの取材でよく使う馴染みのスタジオではなく、普段使ったことのない、日は差しているのにちょっと薄暗く感じる場所でした。
今思えば。
しかしながら、俳優さんの対応も和やかに、何の問題もなく、撮影もインタビューも終わりました。
さて、その夜、私は観劇の予定があり劇場へ行ったのですが、なぜか寝違えた時のように右肩から首が痛く、芝居を見ている間じゅう、肩が痛いな、とモゾモゾしていました。
そのことは同行したカメラマンの友人も覚えているそうです。
朝起きた時には違和感などなく、取材に行き、お昼ご飯を外で食べて、劇場へ行っただけで、途中、肩が痛くなるような動きをしたとは思えなかった。
でも、私は特に気にしていませんでした。翌日には治ったような気がします。
🌛音声が聞こえないほどの激しいノイズ
それから10日くらい経った頃でしょうか。
インタビュー原稿の締切が近付いてきました。
原稿を書くために、ICレコーダーで録音した音声データを再生したところ、
ガガーーーッ!というノイズでインタビューの声が聞こえないのです。
ラジオのチューニング中のようなノイズです。
あ、またか。と私は思いました。この経験は私にとって初めてのものではありませんでした。
以前、別の俳優さんを取材した時にも、同じような不可解なノイズで音声が聞き取れないという事故がありました。
その時も、今回インタビューした場所も、
他の取材クルーやギャラリーがいたわけでもなく、現場はシーンとしていましたから、明らかにおかしいのです。
問題の俳優さんの取材後に、同じICレコーダーで何度もインタビューをしていましたので、それらの音声も確認してみましたがノイズはありません。
えっ?と思ったその直後にもやっぱり録音テストをしてみるわけですが、
問題なく音声が録音できますから、レコーダーの故障でもない。
なんかあの場所おかしかったもんな‥‥
ちなみに、1回目のノイズ事件の時は、よく芸能人取材が行われる、とある地下のスタジオで、そこでは度々カメラ機材が故障すると聞きました。
今回の撮影場所は、そこではないのですが、なんとなく薄暗くて変なスタジオでした。
余談ですが、そのスタジオで取材したのは後にも先にも1度だけでした。
(本当にあのスタジオは実在していたのか?とさえ思う・・・)
🌛ノイズの正体は‥‥おばちゃん?
まあ、とにかく、私は記事を書き上げなくてはならないので、怖がっている場合じゃない。
フリーのイコライザーアプリをダウンロードして、ノイズカットを試みたのです。ノイズが静かになり、微かに聞こえる音声が際立つように、各チャンネルのボリュームを操作します。
あ、音声が聞こえてきた!と思ったら、俳優さんの声ではなく、
キャピキャピキャピキャーハッハッハッ‥‥
数人のおばさんがかしましく甲高い声で話したり、狂ったように笑っているような声で。
シットコムに被せる笑い声みたいなやつです。
めちゃくちゃ怖かったのですが、それでも時々微かに聞こえる俳優さんの声を頼りにインタビュー時の記憶を呼び起こしながら、最後まで聞きました。
聞いていてわかったのは、その俳優さんは子役時代から芸能の道にいる方でしたから、
話の流れで幼少期の話になった時に、ノイズが激しくなるということ。
その頃の話は聞かせない!語らせない!みたいな意思もちょっと感じました。
子役時代に何があったのかは知りませんし、調べてもいないのですが、
子役時代、っていかにも何かありそうな気がしますよね。
売りこもうとする大人たちの怨念とか、本人以外の黒い思惑が。
ファンにおばさまが多いのもなんとなく繋がる気がするし。
とにかくどうにかこうにか記憶で書きあげ、
その後は友人のアドバイスで塩を舐めて、粗塩を入れたお風呂に入りました。
でも、この話はこれで終わらなかったのです。
(続く)
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