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第5回(6/4) 日本の新聞発行の萌芽�〜なぜ『官板バタビア新聞』なのか〜


0、講義内容

1、復習
2、コメントカード(しっかりめ)
3、京都で発行された瓦版
4、日本の新聞発行の萌芽
5、16〜19世紀のヨーロッパにおける新聞発行史

1、復習&質問への回答


質問
「現在の読売新聞と、瓦版の読売は関係がありますか?」
「今よりも娯楽が少ない当時において、彼らは犯罪者ではあったと思いますが、見る人によってはエンターテイナーでもあったのではないかと思いました。」
「江戸時代の犯罪率は?」
「草子は今の時代でいう、絵本のようなものなのでしょうか?」
「私は高校生の時の課題研究を行う中で、テーマに関連する浮世草子について少し調べることがありました。そこで、浮世草子は江戸時代に元禄文化を代表するジャンルだったという記憶があるのですが、元禄文化とは上方(大阪や京都)での文化なので、関西方面でも草子は普及していたのではないのですか?」
「電子化された書物は未来の人々に歴史として読み取ってもらえると思いますか?」

2、コメントカード

「上流階級のイメージが強いが、農民の人たちはどのように暮らしどのように自給自足していたのか知りたいと思った。」
自己批判のススメ
「自己批判で成長する」
「歴史家は文献からしか過去を読み解くことはできない→歴史家の限界を悟った。という点で、私たちが学んできた歴史は過去の権力者が捏造したものかもしれないし、またその上で解析した歴史家が正しいという根拠もなく、一体何を学んでいるのか少し疑問に思った。正直言って本当に必要なのかと言われれば今でも応えることはできません。」
「ここまで鮮明に過去の出来事がわかるはずないのに、教科書に書いてあることは絶対だというように子供に教える先生が理解できませんでした。当時は自分がひねくれているのだと思っていましたが、この講義を受けて、やはり自分の意見は正しかったのだと思えました。」
「教科書で必死に覚えたものは果たして何だったのだろうと思った。」という意見を私自身も持っていたが、文字に起こす勇気はなかった。自己批判は人生で1番伸びると先生もおっしゃっていたので、後残り12回の授業で少しでも答えを見つけていきたいと思う。」
歴史観の形成
「勝者の歴史という言葉についてですが、勝者側敗者側という観点から歴史を見つめるのではなく、その勝敗を分けることになった経緯や原因などを本当の歴史だと言うのではないか、また、そこを見つめ直すことが歴史を学ぶ意義なのではないかと思いました。」
→その通りですね。今日はそれを実践します。
世界観
「日本はみんな一緒、同じがいいという考え方があると思います。そのため教科書通じた学習で、ある基準を満たす人間を形成しようとし、主観が混じった教科書になるのだと思いました。日本の教育は子供たちをこういった人に育てようというような特定の考えがあり、なるべく考え方、見方を統一しようとします。その中で歴史というものは、こういった歴史があり、出来事があり、こういう見解があるという1つの道しか与えられません。また、小学校から長い間、義務教育を受けたため、そこで形成された先入観を取り払うことは難しいと思いました。」
「もっと別の「生きやすさ」を欠いているように思う。そういう意味で、日本は「後進国」なのかもしれない。「世界幸福度報告書」2020年3月20日」
学生さんの自習
「瓦版を売る様子の絵を見て、「なぜ瓦版を売っている人は、深い帽子で顔を隠しているのか」を疑問に思ったので調べた。
 瓦版は、幕府非公認の出版物だったため禁止令が出されていた。そのため役人から顔を隠していたそうだ。また売り子は必ず二人組で行動し、一人が役人から逃れるために見張りをしていた。また幕府のお触れといっても強制ではなく、役人は読売を見過ごしており、暗黙の了解であったようだ。理由を聞き、なるほどと思った。
(NHK解説委員室 大阪学院大学教授 森田健司氏https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/279106.html)」
「「江戸時代の人にとってのニュースとは?」という先生からの問いについて考えてみました。
前回のコメントカードの紹介のときに、先生がなさった「政府に都合の悪いことは報道しないというのは昔も今も同じかどうか」という問いかけについて調べてみました。すると、東洋経済の記事に、政府から「医療崩壊と記事に書かないでほしい」という要請があったと書かれていたことが分かりました。さらに、このことに対して、元上智大学教授が「日本の新聞やラジオは第二次世界大戦の際、軍部の発表を右から左へと流し、むしろ好戦的な紙面をつくり、国民を煽った歴史を持つ」と指摘したそうです。戦争に負けているのに「勝っている」という報道をしたことと、「医療崩壊と書かないでほしい」と政府が要請していることは、とても似ていると思います。だから、昔よりもましになっているとはいえ現在でも政府に都合の悪いことは報道されていない場合も多いと思いました。 https://toyokeizai.net/articles/-/347070?page=4(東洋経済の記事)
→たくさんある。ガンも放射能被曝も。
学生さんからの情報提供
「原爆についてのコメントがあり、自分自身もその話題に興味をもっています。そこで、自分が中学生の時に竹田恒泰さんの「アメリカの戦争責任」という本を読んだこと思い出しました。内容は原爆投下の正当性についての考察です。このコメントをした方が読んだことがなければぜひ読んでほしいとおもいました。」

3、京都の瓦版

かわらばんの出現
旧家の蔵に眠る瓦版
三条大宮(三条商店街の中)の嶋田家
2017年の史料調査


4、日本の新聞発行の萌芽


日本の新聞発行
江戸時代の瓦版&御触書&風雪書=明治時代の新聞
1862年 官板バタビア新聞
      外事新聞
1868年 『太政官日誌』
日本の新聞発行
1862年 『官板バタビア新聞』
      外字新聞
1868年 『太政官日誌』
      佐幕派新聞

1869年 「新聞紙印行条例」を公布      はじめて正式に新聞の発行を認めた。

Q,日本で最初の新聞『官板バタビア新聞』とは?

5、ヨーロッパの新聞発行史


ヨーロッパの新聞史:16世紀
•ヨーロッパ各地で新たに起きた出来事を記述する(ドイツ) ビラ·パンフレットのような印刷物が流通
•継続的に発行されたものもあった
•内容
•=戦争、災害、外交的事件、祝祭行列、葬儀、天体現象、殺人、処刑、魔女、幽霊など
•具体的には「新しい彗星の出現(占星術)」「新大陸発見」「オスマントルコのヨーロッパ侵攻(ウィーン、ヨーロッパ史がかわったかも)」など
ロンドンの新聞の発展:17世紀
•ロンドン(大英帝国)は東洋やアメリカの植民地との交易物資を扱う集散地として機能
•茶·コーヒー·タバコなどを再輸出
•金融や商品の情報が必要になり、商業的なニュースへの関心が高まった
•関心→定期的な新聞が発行される
•新教徒革命(イギリス内の内紛)で情報への欲求が発達し、 新聞発行が発展
オランダの新聞の発展
•アムステルダムの新聞
•1626年以前にすでに140種類ものオランダ語のニュース出版物が発行
•なぜオランダとイギリス?
新聞発展の影にあるもの
•オランダ…オランダ東インド会社(1602~1779)
•世界初の株式会社
•軍隊の交戦権、植民地経営権など
•支店はジャワ(インドネシア)や平戸(長崎)
•イギリスの方が強くなって解散
•イギリス…イギリス東インド会社(1600~1874)
•香辛料貿易、やがてインドの植民地統治機関(ジョージ・オーウェル『1984年』にも関わる)
•セポイの乱(インド人の反乱)
→戦争·侵略
新聞読者の発達
•18~19世紀
•イギリスの新聞の発展
•新聞閲覧書とコーヒーハウス
•新聞を音読(文字が読めなくてもわかる)
•珍しいものの展覧所
•経済情報センター
•船舶情報→保険会社に発展
•記者もコーヒーハウスに行き、客の話を聞き新聞記事を収集

6、アンケート

①今日のリプライで気になったこと、考えたことがあれば、ご自由に書いてください
②今日の講義でなるほどと思ったこと、為になったことを書いてください。
③『官板バタビヤ新聞』について考察をしてください。なぜこの名前なのか、なぜ日本で発行されたのか?この新聞の発行背景は何か?だれがなんのために発行したのか?効果はどうだったのか?なんでもいいので、ご自身で考察してください。
④質問があれば書いてください。
⑤自由記述

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