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トイレでの出来事…1
前置きも何もないけど、なんかもう色々と疲れてしまってるここ最近。家に篭っていると余計なことばかり頭の中を巡る…。悪循環。
なんとか外へ出ようと重い腰を上げた。あっという間に夏が終わってしまったけど夏らしいこと特にしてない。よし、海、見に行こう!と電車と路線バスを乗り継いで…3時間ほど。思ったよりしっかり遠出になってしまった。
ぼーーーっと海を眺めて波の音を聞く。白砂青松の風景にただただ癒やされる。このためだけにここに来た。頭の中を空っぽにしたい。余計なことに振り回されたくない。
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気を遣っていないようで気ばかり遣っているし、無理したくないと思ってるのに実際無理しているし、もう何が何だか。。
で、ふと思い出した光景。アメリカに住んでいた数年前、カフェのトイレに入った時のこと。そこは店舗とは別フロアの地下にあるトイレだった。なんかそういうトイレって昼間でもちょっと怖かったりする。
アメリカでは(他の国も?)トイレのドアは人が入っていないサインとして開けておくという暗黙のルールがあり、その個室のトイレも少しだけ開いていた。だからノックせず手をかけ、開けた。
瞬間、中に人影が見えたのと短い悲鳴が!
びっくりしたのはこっちの方で、慌ててドアを閉めて
Sorry!l’m so sorry!
と叫んだ。わっ、誰か入ってたんだ⁉︎
気まずい…と思ったのも束の間、また中から声が。
「びっくりさせちゃってごめんねー。いっつも誰も来ないから鍵かけないで入ってるのよー。あはは、びっくりするわよねー。」
的なことをごくごく自然にのんびりした口調で仰る。
カフェのスタッフなのだろう。そして悠然とドアを開けて出てきた。
「はいどうぞー。お待たせしてごめんね。」
と満面の笑顔を私に向けて。だから私も自然に受け答えができたけど。
日本だったら、私だったら…お互い気まずくてろくに顔も見ないはず。あんなセリフは絶対口から出てこない。
この状況でのあの余裕!すごい、国民性なのか、彼女に限ったものなのか?…見習いたいってのも変だけど、なんだかカッコよく見えたのは確か。
この場面では常識的にこうするべき?とかあっ、なんか私、今場の空気壊しました…?とかモヤモヤ余計なことを考え出す時、必ず頭のどこかで、あの日のトイレの彼女を思い出す。
あれくらい堂々と、「こんなこと大したことないよ、あー、ごめんごめん。あはは。」
って言えればいいなと思う。