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週刊めいろま Vol.544 トランプ大統領就任式が象徴する宗教国家米国/米国は信仰心が熱い/歴代大統領所属の米国国教会とは何か?/クリップ/おすすめ本
Vol. 544
目次
1. トランプ大統領就任式が象徴する宗教国家アメリカ
2. クリップ
3. おすすめ本
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1. トランプ大統領就任式が象徴する宗教国家アメリカ
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●宗教国家アメリカ
アメリカ人は先進的で革新的、かつリベラルな考え方をする人たちだと思い込んでいる日本人がたくさんいますが、実は日本人が思う以上に保守的で伝統的な人々が少なくありません。それを表していることのひとつが、アメリカ人の宗教観です。
日本では普段の生活でも宗教を意識することはほとんどない無神論者が大多数でしょうが、アメリカの田舎や保守的な地域では宗教が生活にしっかり根付いています。これは田舎のほうだけでなく都会、リベラルな人々にさえも大きく影響しています。
アカデミー賞の授賞式などのスピーチで、アメリカ人の映画監督や俳優がスピーチの最後に 「God bless you(神のご加護を)」と付け加えるのを聞いたことがあるかと思われます。
アメリカではキリスト教をベースとしてたくさんのコミュニティが成り立っていて、かなりリベラルな人々でもそういったキリスト教色の濃いフレーズを使うことがめずらしくありません。
私が若いころに留学していたアメリカ南部の保守的なことで知られる地域の大学では、教員も学生もたいへん信仰心が強く学食では手を取り合ってお祈りする人たちをよく見かけました。
またその地域はあまりにも宗教心が強いために、本屋や文房具屋にはキリスト教関係の雑誌や本、もしくは教育的な本ばかりが並んでいました。
ラジオ局は三つしかなかったのですが、どの局もキリスト教の説教や教育的な内容のカントリーミュージックばかりを延々と流していました。
大学の構内では飲酒やダンスは一切禁止、妊娠した女生徒が退学処分を受けてしまうような大学です。ところが、これが異常な状況かというと決してそうでもなく、アメリカの田舎ではこのような保守的な町がいまだに相当数残っています。
アメリカのシンクタンクであるピュー研究所の世論調査では、アメリカの宗教観における特異性が際立つ大変興味深い結果が出ています。
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