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【司法書士のなぜ】遺言の準備「聞き飽きた」

突然ですが、あなたは遺言を書いていますか?私は書いています。ただ、この遺言はいわゆる「自筆証書遺言」なので、実際この遺言を使って手続きを行うには非常に煩雑です。ただ、現時点で私の相続人は限られているのでこの方法をとっています。あなたはご自身が亡くなったとき、だれが「相続人」であるかご存じでしょうか。

「本籍」「戸籍謄本」…準備する書類の膨大さ

現時点では、相続の手続きをするには、まず相続人の確定を行う必要があります。この相続人の確定とは、例えば市役所に言って「私の相続人を教えてください!」ではすみません。「本籍地」で「戸籍謄本」をとり、さらに「改正前の原戸籍」も取得し、亡くなった方の戸籍を整えなくてはなりません。

「そんなものなくても相続人は分かる!」とおっしゃる方もいるでしょうし、「そもそも国は把握しているでしょ」でも思われるかもしれません。確かに、相続人の確定のためには、市役所で戸籍を揃えていくことになるのですから国が把握しているといえば確かにそうです。でも揃えないといけません。悲しきかな、これは現在のルールなのです。

あり得ないことがあり得るのが家族

親が亡くなったら、子供が相続人です。当人たちからすれば兄弟で話し合い預貯金や不動産の分け方を決めます。これは兄弟全員で決めなければなりません。兄弟全員、もちろんこれは、自分が把握していない兄弟もです。

実際にあります。戸籍を調べたら自分が全く知らない兄弟がいた!また、まだご存命ですが実は隠し子がいる方。家族関係に絶対はありません。私は相続の手続きを行う時は毎回そのことにおののきながら仕事をしているのです。腹違いの子供がいた場合、相続の話し合いはもちろんその人も加えて行うことになります。もちろん、「自分は何もいりません」とスムーズに印鑑をいただけたこともありますが、多くは連絡がつなかったり、認知症で話し合いができなかったり。そして、これは「もしも」ですが、その方が非常に悪意をもってこちらの話し合いに出向いてきたら…

遺言はご自身の財産分けを生前決めることができる方法です。自分の後の世代に託したいものがあるならばお手紙を書くような気持ちで書いてみる。それは気持ちの整理にもなりますし、「もしも」の事態の回避にもつながるのです。

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「でもうちの家族は問題ないですから!!遺言はいらないです!!」

私どもが「もしも」のことや手続きの煩雑さを伝え手もピシャリとおっしゃる方もいます。でもそもそもこの言葉が間違いないのです。遺言は問題があるから書くものではありません。問題があってもなくても(そもそもこの問題の有無は主観)資産があってもなくても(これも主観)必要なのです。人が亡くなると、残された人にのしかかるのは、その人がいなくなったことによる心の不安、悲しみ、その他多くの感情です。にもかかわらず、やることは山積みです。むしろ、本人が元気な時よりも多かったりする。何が正解かはないのです。人によって行うことは違います。でも急がないといけないし、周りの親族にも気をつかう。そんな中「本籍地が…」「戸籍が…」て負担が重すぎではありませんか。

とはいえ遺言は万能ではありません。

遺言を作ることは、自分の家族は資産を考えるきっかけになる。そこから遺言は本当に不必要なのか、あるいは別の方法の方がよいのか、別の方法とあわせて行うのが良いのか、考えていくことが重要です。

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