信頼の得られないと思われる人の特徴~部下の教育において~
多くの企業の悩み、もはやこの悩みがない企業はいないといっても過言ではないのが「人間関係」です。上司は部下が思うようにならないことが悩み、部下は上司に話が通じないことで悩み、経営者は従業員同士の対立に悩み、その悩みは尽きません。それでも、企業が成長するためには、内部にいる人々と協力し、そして個人の成長も欠かすことができません。
企業にとっての人間関係の悩みを解消するために、どうしても見逃すことができないのがやはり「教育」です。
「この人の言葉は聞けない」と思われたら、終わり。
「人を育てる」には、まずその人が、ある程度の信頼を得ていないといけません。もちろん、入社したての頃は「会社の先輩」という一定の信頼を得ています。役職があれば、その役職により信頼がプラス。ただし、この信頼はそこから積み上げていかなければすぐに目減りしてしまうのです。例えば、入社してすぐの上司が自分に厳しい人であった場合でも全員に等しくそういった態度であれば、「そういう人」という認識となるでしょうか、もし自分にだけ(少なくとも本人はそう感じる)厳しいといえる状況であったらどうでしょう。もちろん、上司も人で、感情がありますから、「好き」「嫌い」があるでしょうが、それが日々の仕事で態度として現れていたらどうでしょうか。例えば、(極端ですが)髪の毛の色を金髪にした場合に自分が注意を受け、自分の後に入社した社員が同様に金髪なのに注意を受けなかった場合。あなたはどう思うでしょうか。(この後から入社した社員は地毛が金髪ではないものとします。)その人が何か正しいことを指導してきたとしても、「この人は自分にだけ理不尽に厳しい…」という思いがつきまといます。
「なぜ私だけ?」という不満
この不満の根底には「なぜ私だけ?」というのがあります。社内で統一された規則・ルールであれば、多少驚きはすれ受け入れていたでしょう。組織にいる以上は、規則なのですから。そしてその規則がおかしければ、交渉すればよいのです。ただ、相手が持つ独自の価値観による指摘、つまり相手によって変動する規則であった場合が問題です。この場合、大切なのは上司にそのつもりがなくても、受け手である部下が「自分だけ」と思えるような状況にあることです。(上司部下問わず本人にそのつもりがなかったとしても、受け手にそのように思われるのにはやはり理由があるのです。そのつもりがなかったのにそのように思われる理由を知ることで、次からその問題を解消することにもつながるのですから)
「上司だから許される言葉」は、本当に入社して1週間もないでしょう。それからの信頼は自分で築いていかなければならないのです。
信頼を得るヒントは「一貫性」にあり
こと新入社員に関しては、”一貫性のある対応”をしなければなりません。一貫性のない行動は信頼感を損ね、社員に不満として蓄積します。また、上司に対する期待もなくなり、「この人にお願いしても、人によって意見を変える」と思われ、進言もいただけなくなります。結果、コミュニケーションは不足し、信頼関係を築こうとしてもそもそもの土台がないため、雑談すら成り立たない状況になりかねないのです。
上司にも、部下にも、それこそ、「顧客」にも一貫性のある行動をとる。
人によって態度が変わらないことが必ずしも重要なのではありません。相手の立場によって全く同じ態度が必要なのではなく、その態度の違いがあれど「一貫性」を確保する。少なくとも相手の立場を考えたときに、横柄に出ても大丈夫な人に横柄な態度に出る方はどう思いますか。例えによく出るものとして、自分には優しいがレストランの店員に横柄な人がいたとして、その人が信頼できるとあなたは感じるでしょうか。その態度の違いは、目の前のことだけではなくあらゆる行動や出来事に不信の種を植え付けるのではないでしょうか。
ただ、これは信頼を得るというより、信頼を目減りさせないものと思ってください。一貫性のある行動をとっても、大きなプラスに働かなくても、一貫性のない行動をとると大きなマイナスに働きます。
少し話はそれますが「信頼できない人とはどんな人ですか?」という問いをしたときに、10代~60代、世代を問わない多くの世代で似たような答えがでてきます。そしてそれは「一貫性のない人」なのです。この一貫性は、人によって態度が違う・言ってることとやってることが違う等少しニュアンスの違いはありますが、一貫性のなさはどの世代でも信頼を損ねる要素となるということなのです。
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