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【司法書士のなぜ】「遺言」を書くのはどんな人か

「遺言」を聞くとどのようなイメージが浮かぶでしょうか。多くの人が浮かぶのは「争い、諍い」「お金持ち」といったイメージが多いです。そのため、「我が家はお金がないし、家族も仲がいいので大丈夫!」という言葉はよく聞きます。でも、本当にそうなのでしょうか。

「お金がない」とは?

お金がない。あるいは資産がないという言葉は、人によって基準が違います。100万円ならお金はないのか?1000万、1億円。それがお金がないか判断するのは人により違うでしょう。子供の数、仕事、住んでいる場所、資産の内訳によっても異なるでしょう。もちろん、まったく資産がなく、明らかにマイナスの財産しかない(借金が多い)場合は、お金がない、とも言えますが、この場合を除いては「お金がない」とはいえないのではないでしょうか。この仕事をしていて感じるのは、資産の大きさと紛争性にはあまり関係がないということです。数億規模の資産でももめないことはあります。この場合は、事前に相続に関する対策を練っており、相続税やそして承継について事前に相談している場合が多いためです。あるいは、資産が1000万円でももめるときはもめています。「今まで親の面倒が自分が見たのだから多めに欲しい」「兄は学費を多めに出してもらって、援助も受けていた。その分自分が多めに欲しい」「不動産はいらない。お金だけ欲しい」「関わりたくない。がもらわないのは、嫌だ」その他色々です。財産の大小が遺言が不要となる理由とはなりません。

「うちは仲が良いので」は信じない

「遺言」に紛争性のイメージがある以上、遺言をしないことの理由に「家族の仲がいい」というのがあります。確かに今は仲がいいのかもしれません。例えば、父母と長男、長女の構成の4人家族がいました。父が亡くなった際には母がすべてを相続しました。この時は全くもめません。しかし、母が亡くなった時、長男と長女の話し合いは紛糾したのです。そもそも、身内の死という人生において大きな出来事があるのに、今までと関係性が変わらないというのはあまり現実的ではありません。そうでなくても、人の死がそこにあるとき、誰でも感情が揺さぶられ、それこそ過去の遺恨を持ち出してしまうものです。「子供の頃、兄貴の方が多くお菓子をもらっていた!」信じられないかもしれませんが、そういったことさえ火種となるものです。

仲が良いからこそ書いてほしい

私がずっと言いたいのは、「家族仲が良いから遺言は書かない」ではなく「家族仲が良いからこそ遺言を書く」ということです。家族が亡くなるというのは、心に大きな負担がかかることです。しかし、それだけではなく、人が1人亡くなると手続きが非常に多い!亡くなったからといって、戸籍は勝手に書き換わらないし、銀行は解約できません。不動産の名義は変わらないし、医療費の還付もできません。これはすべて個別の窓口に書類を提出しなければならないです。元気な時でも大変なことが、とても辛いときにふりかかるのです。

大事な家族であればこそ、負担をかけない。そのための「遺言」です。最近は、民法も変わり、遺言自体、以前よりも作成のハードルが低くなっております。大事なのは、「うちは不要」と切り捨てないこと。一度、遺言について話を聞いてみてください。

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「遺言」についての問い合わせは「info@may-legal.com」またはwitter「mayrin_ueda」のDMまで。


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