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旅先の魅力を伝えることが、その地への恩返しになる
旅で得られるものって、なんだと思いますか?
人との出会い、新しい発見、美味しいグルメ、文化にふれる……
たくさん思いつきますね。でも、反対に旅先に貢献できることについて、考えたことはあるでしょうか。
旅が大好きな私がこんなテーマで考えをめぐらせたところ、
私ができることは、「旅が現地にもたらす効果を大きくするために、経験を人に伝えること」だと考えました。
そう考えた理由をお話していきます。
旅自体が持つ大きなチカラ
まずは、旅することそれ自体が現地にもたらす様々な効果についてご紹介します。
1. 経済効果
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実は、観光の経済効果はなかなかのものです。
観光庁が出している「観光白書」によると、2019年の旅行・観光における日本人国内消費は21兆9312億。[1]
また、同じく観光白書によると訪日外国人の消費は4兆8135億だそうです。[2]
合計するとおよそ27兆円。銀行業界の市場規模が25兆円なので、その大きさが分かりますよね。[3]
2. 雇用の創出
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旅は雇用を生み出すという効果もあります。
観光庁「旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究」(令和3年3月)によると、令和元年の旅行・観光消費は、雇用誘発効果 456 万人にものぼるそうです。[4] こちらもすごい効果ですね。
また、旅(観光)はSDGsとも深く結びついています。
目標8「働きがいも経済成長も」には、このように書かれています。
観光は、世界の経済成長の原動力の一つであり、現在では、世界で11人に1人が観光分野で働いています。観光が働きがいのある雇用機会を提供することにより、技能と専門性が向上し、社会(特に若者と女性)に恩恵をもたらします。
観光によって健全な雇用を生み出すことは、世界の持続可能性にもつながることなのですね。
3.地元への愛着
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3つ目は、地元への愛着が増すということです。
私の友人で、山形県の庄内出身の方がいます。
庄内は、田んぼが一面に広がっている有数の米どころ。彼女にとって、田んぼに水が張られたり秋に稲穂が実って黄金色に染まったりすることは、当たり前の景色だったそうです。
しかし、庄内以外の場所から訪れた友人を案内すると、その美しさに皆が感動し、素晴らしい感想を残してくれた。それによって、自分の日常風景は誰かにとっては一生の風景になると実感し、故郷をさらに大切に思うようになったそうです。
↓友人の記事です。
このように、旅行者が感じる魅力を素直に伝えることは、地元の方が故郷への愛着を増すきっかけにもなるのですね。
旅先のためにできること
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ここまで、旅がもたらす様々な効果を見てきました。
ですが、1人で貢献できることには限度があるというのも事実。
平凡な会社員である私が使える金額は残念ながら多くありません。その土地の文化や伝統、歴史に触れて考えをめぐらせることはたくさんあったけれど、伝えなければ、それは私のなかにとどまったまま。
だから、伝えないといけない。
旅に行き、そこで感じた魅力をSNSに投稿したり、友人に話したり。それを見聞きした人が興味を持ってその土地を訪れる。そしてまた人に伝える。そんな輪が広がっていけば、現地での消費額が増え、雇用を生み出すことにもつながり、地元への誇りを持つ方を増やすきっかけを作ることができるはず。
Stacklaという会社の調査によると、86%の消費者が、友人や家族、同僚などのSNSへの投稿写真を「きっかけ」として特定の旅行先に興味を抱くようになった、と回答しています。[5]
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この結果からも、伝えることの効果が見て取れます。
おわりに
安心して旅することができるのは、その土地の人たちのおかげです。生活している場所にお邪魔して、色んなことを体験させてもらう。それはその瞬間の楽しさだけでなく思い出として残り、長い時間幸せを与え続けてくれます。
そんな風に多くのものを受け取るからこそ、それを人に伝えることで、恩返ししていきたいと思います。
あなたも、旅先で感じた魅力があれば、身近な人に伝えてみませんか?
以下、参考文献
[1] 観光庁 旅行・観光消費動向調査の2019年年間値(確報)について
[2]観光庁 訪日外国人消費動向調査2019年年間値(確報)
[3]業界動向サーチ
[4]国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所ホームページ
[5]Airstair 公式ホームページ
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