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最終章:星の声が響くとき


夢の中で何度も繰り返し現れるベガの記憶。



その鮮やかさは、まるで彼女の魂そのものに刻まれた記録のようだった。



ドラゴンたちと共鳴し合った日々、


星と繋がる儀式、


そして闇に飲み込まれた最後の瞬間——


すべてが忘れ去られていた約束を呼び起こす。




その記憶は、ただの懐古ではなく、今この瞬間に果たすべき使命を教えるものであった。



それは、地球の人々に星の知恵と調和の力を伝えること。



そして、暗闇が広がろうとも、希望の光を灯し続けることだった。



星の声は、どこまでも静かで温かい。




「あなたが歩む道は、光を求める者たちの道標となる。」




ウリシュナの言葉が耳に響くたび、彼女の胸の奥に新たな力が湧き上がる。



地球に生まれ変わった理由を思い出した彼女は、自分の歩みがすべて意味を持っていたことに気づく。



それでも不安は消えなかった。



ウリシュナの警告した「ゴルゴッサ」の影がどれほど広がっているのか、彼女にはまだ見通せなかったのだ。




「私に、、、何ができるのだろうか?」




自問自答する中で、彼女はかつての自分を思い出す。


ベガの巫女として果たした役割を——



それはただ祈りを捧げるだけではなく、星々の調和を保つために戦い続ける使命だった。




夜空を見上げると、無数の星が煌めき、彼女を見守っているかのようだった。




その光の中に、彼女はかつて繋がっていたドラゴンたちの気配を感じる。



彼らは失われたのではなく、別の形で彼女と共にあると感じた。



「どんなに遠く離れても、この温もりは消えない。」





その思いが、彼女を強くした。



どれだけ闇が深くとも、星が放つ一筋の光が彼女を導き続ける。



そして彼女自身もまた、その光の一部なのだ。





地球の人々には、それぞれの中に眠る「星の種」がある。





暗闇の中で自らを見失うことがあっても、希望の光を手放さない限り、その種は再び芽吹く。




彼女の役割は、その種を見つけ、光を注ぐこと——




記憶がすべて繋がったとき、彼女は地球における自分の旅がこれで最後であることを悟った。



星々の間を巡る長い旅の終焉。



それは寂しさではなく、すべてを完結させる安堵に満ちていた。




「私は、この地球で光を繋ぐ者として最後の役割を果たす。」



ウリシュナの教えを胸に、彼女は心の中で静かに誓った。




それはかつて星々と交わした約束の最終章だった。



どんな暗闇が訪れても、その微かな光を信じ、歩み続けること。



地球に希望をもたらすメッセージを紡ぎ、人々の心に眠る星々の記憶を呼び覚ますこと。




夜空に輝く星々が、ひときわ鮮明に感じられる夜があった。



彼女はその光を見上げ、静かに微笑む。




「どんなに時が流れても、星々は私たちを見守り続けている。」




その瞬間、彼女の中にある不安や迷いはすべて消え去った。


遠く離れたベガの仲間たち、そして地球で出会った全ての魂が一つに繋がっていると感じたからだ。




「どんな闇も越えられる。その先に待つ光を信じて進むだけ。」




彼女はそう心に刻み、未来への一歩を踏み出した。





星の声が響くとき、その光は永遠に続く灯火となり、地球の人々を照らし続けるだろう。




そして彼女の魂は、この地球で紡いだ物語とともに、宇宙の新たな調和へと還っていく。






その道を歩む彼女は、もう迷わなかった。




星とともに輝く未来を信じ、ただ進むだけだった。




~続~



\ Web小説「ウリシュナから愛の紡ぎ」のイメージソング /






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華真鈴 maki
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