同じ映画、また観る派?
一度目に観て好きだった作品。映画、アニメ、小説、動画など。皆さんは繰り返し観る派ですか?それとも、内容は知っているから新たな作品に時間を割きたいですか?
私は断然みる派。小説は忘れた頃に読みたくなるくらいだけど、気に入った映画やアニメに関しては何度も繰り返し観る習性がある。ハリー・ポッターなんかは小学校一年生からシリーズ最終章『死の秘宝Part2』が完結した高校生の頃まで、執念と思えるほど観た。たまに金曜ロードショーで放送されているときも、ほとんどの場合は観る。
家族や友人には、私とは逆のタイプもたくさんいる。どれほど好きであっても、同じものを繰り返し観るのは時間の無駄だと考える人たちである。「その時間があるなら未知の作品と出会いたい」「内容を知っているのに観てどうするの?」と言われる。私とは作品の愉しみかたが違うのだろう。たとえば私は外食をするときもあまり冒険をせず、以前たべて美味しかったものや慣れ親しんだ味を選びがちで、興味をもった知らない料理であれば、同席した人に意見や感想を聞いたうえで判断することもよくある。繰り返し観ない派の彼女たちは、料理に関しても新たな出会いを求めるのだろうか。機会があれば聞いてみよう。
何度も同じ作品を観ることの理由は、主に二つある。一つはシンプルに「好きだから」。観ることで元気になれたり癒されたり、もしくはお気に入りの登場人物やキャラクターに思いを馳せたり。自分の感情に良い影響を与える材料になる。シャワーを浴びてさっぱりするとかデザートにアイスを買うとか、いつもより丁寧にスキンケアをするとか、そういう感覚に似ている。
二つ目は、新たな発見を求めているから。とくに意識しているわけではないが、私が気に入った映画を繰り返すときは以外のステップをたどる。
① ストーリーを知る
② 台詞に焦点を当てる(人物の解像度を上げる)
③ カメラワークやSEの意図を考察
④ 人物の表情や行動を注視
⑤ 特定の役の視点から状況を観察する
主にこの五つを網羅してはじめて作品を知った満足感が得られる。アニメの場合はこのリストに
⑥ 声優の演技の意図を考察
が追加される。なぜこのトーンで言ったのか、なぜこの"間"が必要だったのか。④でも言えることだが、台詞の言い回しや表情には演者や監督の意図が絶対に存在する。それを知ることで作品への理解が深まると私は思う。
①だけで満足する人も多いだろうし、そこまで好きになれなかった物においては私も同じ。別に面白くないのだからこれ以上知りたいとも思わない。というか、途中で寝てしまうだろう。
もしくは、頭の良い人は①から⑤まで(もしかしたらそれ以上の理解を)たった一度の鑑賞で済ませられるのかもしれない。残念ながら私はそちら側の人間ではないので、繰り返す他ないのだが……
一度目では気がつかなかった要素を発見したり新たな考察の素材を得たりするうちに、点と点が繋がって線になっていく。その快感を味わいたい。そういう理由で私は好きな作品ほど繰り返し観ている。ちなみに大学時代は主専攻の他に副専攻として他学科の授業を履修していたのだが、その理由も同じで、副専攻の授業で学んだことが主専攻の理解に役立つこと(逆も然り)や情報同士が回路を成して知識となる感覚が堪らなかったからだ。オタク気質で中毒気質なのかもね。
最近は映画三昧だったこともあり、今日はこの記事を書いてみた。
今週はアリ・アスター監督の『ボーはおそれている』に始まり、昨日は数回観たことのある『聖なる鹿殺し』を経て『ミッドサマー』(またアリ・アスター作品だ)に戻ってきた。
今夜は何を観ようかな。大なり小なり、心を病んだ人にしかわからない事象かもしれないけど、映画を観るのにもエネルギーが必要なんだよね。
インドア趣味、与えられたものを観るだけじゃん?と思われるだろうけど、そういうものなの!
また体調を崩す前に、たくさん楽しんでおこうと思う。